鬼人達の宴碧 第二章 痛みと癒し
最近活動報告にも書いたのですが、鬼人達の宴のキャラクターソングもどきを作りました。
今回は双葉達の戦い二日目。
いろいろありますね。
これ以上はネタバレになるので終了。
誤字、脱字があったらすみません。
火曜日の夜、翼が結花、勇吹、護とチャットをしていた。
「明日、皆で双葉さんに逢いに行くよ。双葉さんの鬼が人間の言葉を話せないみたいだから、月詠夫婦が診察に行くから。」
「えっ!そんな事があるのか!?分かった!」
「私もオッケー!」
「じゃあ、大学で皆集まったら行こうか。」
一旦、全員返事を返してもらい、解散した後に勇吹と護だけまた集めた。
「どうかした?翼?」
「…結花はいないな?…って事は俺と護だけに話があるのか?」
「そう。結花は寝れなくなったらいけないから外した。明日の件、本当に診察するのは双葉さんなの。」
「…え?何かあったのか?」
「うん。双葉さんはお母さんと離婚しているみたいだけど、仲悪かったみたいだし、精神的に双葉さんが傷ついたみたい。だから、診察しないといけないのは双葉さん。結花や結花の家族は知らないみたい。双葉さんの鬼達は明日の悪鬼との戦いで鬼の石が二つになったら、人間の言葉を話せるようになるから大丈夫。…その連絡。」
「結花と違って苦労しているんだな。分かった!」
「ありがとう。翼。双葉さんには優しくしないとね?」
「うん。双葉さんとは連絡交換したかっはたから。二人共、明日はよろしくね。」
勇吹と護と連絡を終えると翼は眠りについた。
翌日、翼が支度をして大学に行くと元気がない結花がいた。まあ当然ではある。
「…おはよう、翼。私、全然知らなかった。双葉、連絡少なかったのってお母さんの代わりにいろいろ家の仕事をしていて忙しかったんだね。」
「…休みの時は双葉さんのお母さんはいつも家にいなかったみたい。いろんな男の人と遊んでいた。それが心に引っ掛かっている。」
「…酷い。双葉のお父さんは?」
「…知っていたから、別れを告げられた時はすぐに離婚届けに名前を書いたみたい。ただ、双葉さんはその事を知らないみたい。双葉さんもお父さんには言いたくないから黙っているみたい。」
「複雑。…でも、双葉には逢いたい。」
「分かった。…ただ、行く前に黒澤さんの家に寄るから。黒澤さんのお母さんも雫さんから聞いているから、夕御飯渡したいみたい。」
「…逢ったらお礼言わなきゃ。私、黒澤さんのお母さんにタオル貰っちゃったから。」
結花はちょっと笑って言った。
大学が終わると勇吹と月詠夫婦が同時に来た。
「こんにちは。中村さん。」
「丁度来たぞ。結花。」
「…月詠さん。勇吹。今日はお願いします。」
結花は頭を少し下げて言った。
「なんだよ、気にするなよ。俺達仲間だろ。」
「私達も良いのよ。鬼使いは家族みたいなものだから。」
「今日は俺に任せなさい。」
勇吹も月詠夫婦も優しそうに言った。
結花が泣きそうになると勇吹が抱きしめた。
「…そろそろ行きましょうか?黒澤さんのお母さんに連絡はしたから。」
「…じゃあ、奥の手、使いますね。」
翼は笑って言うと空間の割れ目を作った。
「…私は最後じゃないといけないから皆入ってね。」
空間の先は黒澤家だった。
「…翼、こんな事も出来るの?」
「一度言った場所は大丈夫。帰りも数分で帰れるから。」
結花は唖然としていた。
紫織が雫の家のインターフォンを鳴らすと雫の母が出てきた。
「はじめまして。月詠紫織です。今日は主人と共に双葉さんのカウンセリングに来ました。」
紫織が言うと達弥は頭を下げた。
「あらっ!すみません、遠い所を来て頂いて!…これは双葉ちゃんの夕御飯に作ったんです。届けて下さいね。こちらは皆さんの分。」
雫の母は紫織に聞いて人数分肉じゃがと稲荷寿司を用意していた。
「…こんなに用意して頂いて。…本日はご迷惑かけてすみませんでした。」
結花は頭を下げた。
「…結花さん。頭を上げて。私の娘はあなたのおかげで助かったの。…私も双葉ちゃんがこっちに住んでいた時に早く気がつけば良かった。…今日はよろしくお願いしますね。」
雫の母は結花の手を握りながら言った。
「黒澤さんのお母さん。ありがとうございます。また、終わったら雫さんに連絡しますね。」
「はい、よろしくお願いします。」
紫織が言うと六人は消えた。
そして。何かが勢いよく行く気がした。
暫くすると雫達が帰ってきた。
「あれ、雫のお母さん?どうしたの?今から中村さん達が来るの?」
透が聞いた。
「さっき来て行っちゃったわよ?」
雫の母の発言に三人はビックリした。
「え!三十分掛かるって言ってましたけど!」
「…市村さん、ここに一度来たから空間移動で来れるって。確か月詠さんから電話あった時、病院だったわ。数分して来たのよ。慌てて皆の肉じゃがや稲荷寿司をパック詰めしてギリギリ。要君や透君や鬼の子もスゴいけど、あの人達はもっとスゴいわ。」
雫の母が要に言うと透の目の色が変わる。
「…稲荷寿司。」
「…透君。食べたいんでしょ?要君もいらっしゃい。余っているから食べて帰りなさい。」
「…うっ。…い、頂きます。」
要は少し遠慮そうに言った。
時は巻き戻して、双葉は朝から朱馬と一緒に朝ご飯を食べた。
食パンに目玉焼きとハム、スープ。
朱馬は嬉しそうに朝ご飯を食べていた。
朝ご飯を食べたら洗い物。
ゴミを捨てに行った。
洗濯が終わると朱馬は双葉と手伝って洗濯物を干した。
「…朝から大変だな。双葉姉さん。」
「いつもこんな感じ。…そろそろ学校に行くから戻ってくれる?」
「…うん。じゃあ、また後で。」
朱馬が鬼の石に戻ると巾着袋に入れて双葉は出掛けた。
外に出ると遠くに誠義と朝子がいた。
「双葉ちゃん!おはよう!今日はちょっと早いね!」
「あっちゃん、おはよう。ちょっとね。誠義君もおはよう。」
「おはよう。双葉。」
その日の誠義は少し笑っているように見えた。
三人で歩くといつも通り蒼真が待っていた。
「蒼真君。おはよう。」
「おはよう。双葉。朝子。誠義。」
四人揃うと学校に行った。
双葉達が学校を終えると門の辺りに六人程、人がいた。
その中に結花の姿を見た。
(結花姉、いるんだ。ちょっと私の事、知られたくない。)
双葉は少し警戒していた。その時じわっと何か黒いものが出た。
「はじめまして。月詠達弥だ。よろしく。」
「あっ、よ、よろしくお願いします。」
双葉は達弥の手を握った。その時、何かが軽くなる気がした。
「…さてと、林田誠義君と月ヶ宮蒼真君か。名前を言わなくても分かる。二人が人間の言葉を話せない原因だが、鬼の気が強すぎるのが原因だ。鬼が野生化手前になると話せなくなる。だから、鬼の石を集めて調整する必要がある。今日は市村さんがフォローしてくれるから安心してくれ。」
達弥に言われて翼が手を振った。
「こんにちは。市村です。今日は私が意思の共感が出来るようにするから、任せて下さい。」
「よろしくお願いします。」
誠義と蒼真は頭を下げた。
「…今日の鬼の出現場所は川沿いみたい。双葉さん、川沿いに水色のオーラが見えるでしょ?目立つ異変があるから三人共覚えていてね。じゃあ、行きましょうか?」
全員で移動しながら、結花は双葉に近づいた。
「…双葉。ちょっと嫌だったかもしれないけど、私も鬼の事、知っているからさ。心配だから来たの。」
「…結花姉とはちょっと逢いたくなかった。…私と違うから。私は結花姉みたいに明るく出来ない。」
「…私、本当は無理して明るくしている。私さ、術使えるのに鬼が一人もいないの。劣等感感じる。私は双葉より今は弱いよ。もう分かってる。そのうち双葉に沢山鬼と一緒になれるから。」
「…でも、私、絶対手に入らないものがある。それが結花姉にはあるでしょ。」
「…私、知らなかった。…でも、黒澤さんのお母さんが夕御飯を双葉の為に作ってくれたよ。後で手紙が入っているから、見てあげて。…双葉は、これからいろんな人から愛情を貰えるの。鬼達の愛情。双葉には双葉しか手に入らない愛情をこれから沢山受け取れる。」
結花が言うと双葉は静かになった。
「双葉さん。鬼達は心を傷つきやすいんだ。だけど、その分愛情や優しさを持つと人間より強い。君の朱馬君がそうだ。結花さんはそれを知っている。双葉さんの赤色の鬼の石をみてごらん。」
双葉が赤色の石を出すと少し光りだした。
(双葉姉さん。俺、男だからお母さんにはなれないけど、双葉姉さんが大好きだよ。双葉姉さんに優しくしたい。いっぱい愛情をあげたい。)
朱馬の声が聞こえる気がした。
「…結花姉、ごめん。私、お母さんに優しくされた事、ほとんどなかったからさ。結花姉が羨ましかった。でも、今、朱馬に優しくして貰ってる。」
「…双葉。ずっと知らなくてごめんね。」
二人は肩を寄せあった。
「…結花、あんな事言ってるけどさ。俺、大体なんかあったら結花を背負ってあげてるぞ。」
「でも、勇吹は翼の鬼だからね。気にしてるんだよ。」
「市村さん、お疲れ様。上手くいったわね。」
「…ただ、結花に鬼がいないのが課題ですけどね。」
四人は分からないようにこっそり話した。
川沿いの水色のオーラが出ている場所に行くと草が生えて水車がいくつも浮かんで回る川沿いの場所になった。
川はいつの間にか左右に二個現れた。
「ここは水みたいだな。俺や月ヶ宮君の相性は普通、林田君は良し、火爪君と五十嵐君は悪いな。だから火爪君と五十嵐君は少し不利な相手と戦う練習をしようか。…まあここの鬼は強いみたいだから気をつけてくれ。」
達弥が言った。
早速スライムのようなものと川沿いに河童らしいものが現れた。
「…出たな。河童の方が弱いからな。あれはスライムではない。プールと呼ばれるものだ。円の中に入ると死ぬからな。術を使え。火爪君は絶対近づくな。」
「派手にやらなきゃね!」
達弥に言われて結花は光のレーザーを打ち上げてプールの穴の中に入れた。
爆発音がするとプールは塵になった。
「双葉、プールの中で爆発する術が良さそう。いける?草の技で。」
「やってみる。」
双葉が意識を集中するとプールの上に緑色の円ができて、緑色の玉を無数にばらまくとプールの中で爆発した。
「変わった術を使うんだね。でも、良さそう。」
双葉と結花が話していると翼の表情が曇る。
「…あっ。」
翼が勇吹の方を見ると青色の三日月に乗った竪琴を持った女性型の妖怪が現れた。
「マーピープルかっ!マズイ!」
マーピープルが竪琴を鳴らすと勇吹の瞳が青色になった。
そして勇吹の体から火柱が出た。
「誘惑ね!私が解除するから双葉さんはマーピープルを倒して!」
マーピープルは挑発するかのように双葉に掌を向けた。
その時、マーピープルの背後から鎌が突き刺さった。
「…うん。前から来るとは限らないよね。」
マーピープルは塵になると同時に勇吹の火柱が消えた。
「…うー。火柱抑えるの大変だったぜ。」
「大丈夫だと思うけど、黒こげにならないでよ。…大丈夫?」
結花がちょっと心配になって聞いた。
「…ちょっと疲れたけど、いける。来たばかりだぞ。」
勇吹が言うが紫織は何か銀色の術を勇吹にかけた。
「…強がるなよ。勇吹。」
「勇吹。精神力半分以上出したでしょ。…分かるのよ。」
護と翼は険しい顔で勇吹を見た。
紫織は何か銀色の術を勇吹に使っていた。
「…これで大丈夫。精神力の回復、終わりましたからね。五十嵐さんも市村さんもあんまり怒らないでね。」
紫織はニコニコしながら言った。
「…す、すみませんでした。」
勇吹は顔を赤くした。
奥の広場には青色のオーラを出す青色のツインテールの少女がいた。
「…あの子がここの鬼みたい。黒澤さんは三人いたわね。女の子の鬼って珍しいから。」
「…え?そうなんですか?」
紫織の話に翼は少し驚いた。
「…女の鬼は術が強いのが特徴だ。剣の腕が良くても押される事がある。気をつけるんだ。」
達弥は警戒していた。余程強いのだろう。
「ガウウッ(鈴音)。」
「…鈴音さんね?」
蒼真は獣の様な話し方だったが、翼の力で双葉は言葉を理解した。
「じゃあ、やっちゃいますか!」
結花は光の光線を鈴音に勢いよく放った。
鈴音は波を作って防ぐとこちらに放ってきた。
「…ちょっ!津波じゃん!」
結花が言っている間に押し寄せたが、翼が結界を作って防いだ。
「私と紫織さんで防ぐけど、油断しないで!鈴音さんがこっちに入り込んで来るから!」
翼の言う通りに結界の上部から鈴音が姿を見せた。
「誠義君!木の力高めるから攻撃して!」
「ガウッ!」
誠義が刀に緑色のオーラを宿して鈴音に斬りつけると水に姿を変えて逃げた。
「…さて、火爪君と五十嵐君は水の鬼や妖怪には不利だ。が、やり方次第では抵抗出来る。例えば、火なら水を蒸発するイメージ、土なら岩で水を退けるイメージだ。やってみてくれ。」
勇吹は翼の結界の外の水を蒸発させ、護は水の一部の流れを防いだ。
その間に鈴音の姿が少し見えた。
(次は双葉さんの番だ。今なら月ヶ宮君と意思が繋がる。月ヶ宮君は不意討ちが得意だ。意識を送って月の力を内から与えるんだ。)
(分かりました。蒼真。力を送るから鈴音さんを攻撃して。)
蒼真は意識を集中させた。
鈴音が翼の近くから現れようとすると刀が鈴音の体を突き刺した。
鈴音は力が大分弱まったのか、激しい水流は止んだ。
鈴音は傷口を触り、治すと水色のオーラを濃く出した。
そして、瞬間移動を繰り返すと双葉の前に現れて刀を双葉に突き刺した。
「…っ!双葉!」
結花が叫んだ。だが、双葉に刀を突き刺した鈴音も手元がカタカタ震えた。
双葉を殺したと思ったからだ。
双葉は鈴音をゆっくり抱きしめた。
「…ごめんね?」
双葉はそう言うと緑色の光を出して鈴音と共に激しく輝いた。
鈴音は体から黒色のオーラを出して塵になった。
「…結花姉、ごめん。私、大丈夫だから。」
結花の肩を双葉が後ろから叩いた。
「…え?あれ?双葉?さっき鈴音ちゃんに刀で刺されなかった?」
「あれね、双葉さんの偽物よ。敵が近づいたら、敵を道連れに木の力で包んで攻撃するの。双葉さんは罠系の術が得意だから。…って私、確か結花に言ったよね?」
翼は結花の顔をじーっと見ながら言った。
「…っ!ちょっと!心臓に悪いって!あれ!」
「いや、俺達は知っていたけど結構ビックリするよな?」
「双葉さんの位置が変わっていたからね。」
勇吹や護が言って、結花は周りを見た。
「…まさか、私だけ知らなかった?」
「…私達は未来予知あるから。」
紫織や達弥は苦笑いしている。
「…むちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。」
「まあ、鈴音さんが石の姿になったから、良しにしよう。結花姉。」
双葉は水の石を拾うと草が枯れて元の川沿いになった。
「おっ?普通に話せる?」
「鬼の姿も維持出来るな。大体使い方が分かる。」
誠義と蒼真は鬼の姿のまま人間の言葉を話せるようになっていた。
「あっ。…良かった。心配だったから。」
双葉は安心した顔で誠義と蒼真の顔を見た。
「双葉。これ、黒澤さんのお母さんが双葉ちゃんに作った稲荷寿司と肉じゃが。さっきも言ったけど、黒澤さんのお母さんの手紙があるから、見ておいてね?林田さんと月ヶ宮さんも稲荷寿司と肉じゃが頂いているから渡しますね。後、電話番号の交換させて欲しいかな?」
「…分かった。助けてもらったから。」
「私達もいいかな?何かあったらすぐ来れるから。」
翼達も双葉に言った。
「はい。いいですよ。」
双葉達は翼達と電話番号の交換をした。
「うん。何かあったら連絡してね。すぐに来るから。じゃあ、私達は戻るから。…ちょっと見てみる?私達の大学?」
翼は双葉達に自分の美術大学を見るか聞いた。
双葉は半信半疑で頷いた。
翼が空間の割れ目を作った。割れ目の先は翼達の美術大学だ。
「そこの大学に私と護と結花が通っているの。今度時間があったらネットで調べてみて。」
「はい。今日はありがとうございました。」
三人は翼達にお礼を言った。
結花は双葉に近づいた。
「…林田さん、月ヶ宮さん。分かっているよね?双葉がお母さんの事でいろいろあった事。昨日、月ヶ宮さんが林田さんに教えてる。私からは、先は言わない。双葉は二人と深く過ごすのが怖いって思ってる。だけど、二人は普通の人と違って鬼。双葉と深い絆を結びたいと強く願っている。二人は朱馬君と同じ、家族以上の存在だから。三人共、お互い大切にして。」
結花は双葉言い終わると離れた。
「…またね、双葉。双葉は双葉だよ。」
結花が手を振ると空間の割れ目はゆっくり閉じた。
「…蒼真から聞いた。双葉の母親の事。でも、双葉は双葉だから。愛している。」
「俺も、昔は暗殺者だから戸惑っていたが、双葉を愛したいんだ。双葉は俺達に甘えて欲しい。」
二人は双葉を抱きしめると双葉は泣いた。男の人を好きになったらダメだと思っていた。二人の体は大きく感じた。
今まで感じた事が無い温もりがあった。
帰り道は蒼真が双葉を抱き上げて運んだ。横で誠義が双葉の頭を撫でた。
「…家の前だな。続きはまた明日しよう。またな、双葉。愛している。」
蒼真は双葉を降ろすと抱きしめた。
「また明日な。双葉、愛しているからな。」
誠義も双葉を抱きしめた。
「今日はありがとう。また明日ね。蒼真君。誠義君。」
双葉は二人に手を振ると家に帰った。
双葉は家に帰ってお風呂に入り、肉じゃがをレンジで温め直しながら雫の母親の手紙を見た。
(お久しぶりです。雫の母です。今日は双葉ちゃんの為に稲荷寿司と肉じゃがを作りました。雫には最近鬼の子が家族になりました。血は繋がってないけど、皆のお母さん。今日は双葉ちゃんのお母さんよ。これから高校生活も終わって忙しくなるかもしれないから、体には気を付けてね。また良かったら、夕御飯作りますね。)
双葉は手紙にポタポタと涙を流した。
暫くしてテーブルに三人分のお皿を並べた。
朱馬が出てきて待っていると鈴音も出てきた。
「…ここは?」
「双葉姉さんの家だよ。今から夕御飯を食べるんだ。」
「はじめまして、鈴音ちゃん。双葉です。今日から鈴音ちゃんは私達の家族だよ。一緒にご飯食べよう。」
「うん。双葉お姉ちゃん。」
その日は双葉は三人で夕御飯を食べた。
夜、雫の家ではいつも通り夕御飯を食べていた。
雫の母親が食器を洗い終わって居間で休んでいると雫がやって来た。
「お母さん!双葉ちゃんから写真来たよ!」
雫の母親が見ると双葉と朱馬と鈴音が写った写真があった。
『今日頂いた肉じゃがと稲荷寿司は朱馬君と鈴音さんと三人で食べました。ありがとうございました。』
「…また、何か食べたくなったら言ってねって送っておいてね。」
「うん。」
そう言うと雫と母親は抱きあった。
こうして双葉の鬼との戦いの二日目が終わった。
旧キャラクターが出るのが今回位で暫くお休みで次から新キャラクターが出ると思います。
ここで誠義や蒼真が話せる鬼になったので次から交流が深まると思います。
ちなみに結花のキャラクターソングは最後です。
最後だから碧の先があるんでしょうね。
次回に続け。