Walkin' with a song
●ポルノとは異なったスタンスで数々の試みがなされた「ソロならでは」の一作。
【収録曲】
1.インスタント
2.ハイファイ浪漫
3.Shaft of Light
4.指針
5.芽吹け
6.光あれ
7.GLORY
8.その先の光へ
9.MELODY (prod.by BREIMEN)
10.歌を抱えて
ポルノグラフィティのボーカリスト、岡野昭仁のソロ1stアルバム。2021年のソロプロジェクト開始から発表してきた楽曲が全て収録されており、現時点での集大成といった感じでしょうか。
ほとんどの楽曲が他のミュージシャンから提供されたものということもあってか、ポルノと比べてメロディの「歌謡性」が抑えられているように思えました。『ハイファイ浪漫』では提供元であるEveの『廻廻奇譚』を彷彿とさせる雰囲気を見せたり、『芽吹け』ではきらびやかなサウンドをバックに独特な節回しで歌ったり、『GLORY』は穏やかなシティポップ調になっていたりと、その音楽性は様々。『MELODY』では井口理(King Gnu)がボーカルで参加していたり、今作で唯一彼自身が作詞・作曲した『歌を抱えて』では亡き父に対する個人的な思いが綴られていたりする点も「ソロならでは」と言えるのかもしれません。
総じて言うと、ポルノとは異なったスタンスで数々の試みがなされたアルバムといった印象。「1stアルバム」と銘打っているということは、今後もポルノと並行してこのソロプロジェクトを進めていくのでしょうか。様々な意味で「こだわりの無い」彼の音楽活動はまだまだ続きそう……と感じさせられたアルバムでした。まあ、個人的には『歌を抱えて』のような方向性の曲をもっと聴きたいところもあるのですが。
評価:★★★★