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読んでくれたらちょっと嬉しい

千代はまだ休職だから

作者: 阿部千代

 まったくご苦労なことだ。自分自身のことをカテゴライズしないと生きていけない人種がいるらしい。自分はどこそこに属していて、どこいらの界隈ではしゃいでいて、その筋ではそれなりに名を知られているんですよ……。

 そりゃよかった。結構。おおいに結構。だが、あんたの言うその筋ってのは、おれの鼻毛よりも細い筋なんだけど、そのあたりについてはどう考えているんだい?

 なんでもいいんだ、連中は。楽しければなんでも。嬉しければなんでも。現在進行形の悲劇も、胸くそ悪い話も、やり場のない怒りも、連中の手にかかっちゃ、ぜんぶが自分の嬉しい楽しいに変えられちまう。クソもミソもごっちゃにして、できの悪い喜劇に変えちまう。まったく。まったくご苦労なことだよ。連中への処方箋は見つからない。もはや手遅れだ。おれ? おれはおれだ。文章を書き始めてから7年間、ずうっとこう主張し続けている。おれが阿部千代だ。なめんなよ、ヨロシク。


 阿部知代という名の女性アナウンサーがいるらしい。まさかとは思うが、そんなことはないと信じたいが、おれはもしや、この方の名前をもじったペンネームだと思われちゃいないだろうな。秋本治のデビュー時のペンネームが山止たつひこであったのと同じような感じに思われちゃいないだろうな。

 もしそう思っている人がいたら、それは大きな勘違いだ。誤解だ。おれは阿部知代さんという方を知らなかった。今でもよく知らない。誰だ、阿部知代って。ついにおれの偽物が出てきたのか? 一瞬本気でそう思ったほどだ。……え? なぜおれがいまさら阿部知代さんのことを知ったのかって? それを聞くか。そんな小さいことがそんなに気になるか。おまえは嫌なやつだな。おれの嫌がることをよく心得ている。

 エゴサ。……わかるな? これでよくわかっただろう。ありふれた話だ。特別なことじゃない。別にそこまで恥ずかしいことではない。皆が皆やっているとまでは言わないが、決して珍しい話ではないはずだ。


 おれがほぼ毎日文章を発表し始めてから、もうすぐ一か月になる。毎度毎度まっさらな状態から書き出し、愉快なエピソードも披露せず、のらりくらりと煙に巻きながらやってきたにしちゃ、大したものだとは思わないか? 悪態と否定と勢いだけで一か月続いたんだ。おれはそろそろ、それなりに評価されてもいい頃にきているのではないか。そう考えたわけだ。だがここ小説家になろう内では、存在がないものとされている。無視だ。そりゃもう見事なもんだ。いい加減にしとけよこら、と思わないでもない。が、まあそれはいいだろう。ここはそういうところだ。だいぶわかってきた。ここは、ハッピーヤッピーウレピーカナピー!!!! って騒いでいないと、相手にされないのだ。それにどうやら挨拶とショバ代も必要のようだ。地回りの連中に認められないと、居場所もないらしい。なかなか物騒なところなんだよ。小説家になろうってやつは。おれは政治家でもヤクザでもないから、そんなことはしないがな。自分、一本どっこで勝負できますんで。ま、よろしゅう頼みま。

 とは言え、だ。それはあくまでも、小説家になろう内のみでの話。もしかしたら、ここの外では阿部千代旋風が巻き起こっているかもしれないじゃないか。いや言い過ぎた。旋風はむりでもつむじ風くらいは。せめてそよ風くらい。吹いていたらいいなあ~、まあそんなことはないと思うけどねえ~。

 と言うわけなんですよ旦那。あっしがエゴサに手を染めたのは。驚けよ。上の文章全部エゴサした言い訳だからな。

 自分の言い訳の中でも、ほかの連中をくささないと気が済まない男、阿部千代。こらえてつかあさい、わしも格好つけにゃあ、ならんですけえ。


 さてと。その結果、出てくるわ出てくるわ。阿部千代の名が。ちょっと待て。いくらなんでも、んなわけあるか。そうだ。そんなわけはなかったのだ。阿部千代ではなく阿部知代だったのだ。フジテレビの女性アナウンサーらしい。愛称はチヨパンだそうだ。現代美術に造詣が深く、俳人でもあるそうだ。林真理子の小説に出てくる登場人物のモデルにもなったそうだ。はあ、こりゃまた結構なご経歴でやんすなあ。

 おれもう名前変えようかな。アイナ・ジ・エンドみたいな格好いい名前がいいな。アベサマダーコラ・ザ・ブッチャーとか? アベイビー・ムケルチェンコってのはどうだ。そういえばおれのことをアベンジャーズって呼ぶ女の子がいたなあ……。アベンジャー・チヨ。どうよ。どうよって言われてもな。

 まあいいか! この話はこれでおしまい。


 先ほど、おれは誰にも相手にされていないと、愚痴っていたが、この表現は正確ではない。誤謬の恐れありというわけだ。正確にいうと、少なくとも三人には相手にされていることがわかっている。いいね、ブクマ、ポイントをくれたりくれなかったりする人たちだ。そのうちブクマと一部のいいねは、当人がゲロったので、誰の仕業かは判明している。いつもありがとうね~。阿部ちゃん今日も頑張って書いてるよ~。

 残る二人のうち、ごくたまにいいねをつけていく人もなんとなく、なんとなーく見当がついている。もちろん個人ではなく、突発的な通り魔いいねの可能性もあるが、アクセス数を見ていると、大抵似たような数字に収束していくので、読んでくれている人は固定化されている可能性が高い。よって、やはり個人の仕業だとおれは考えている。もし、おれの考えている人だとしたら、こう伝えたい。

 あなたはとっても正しい選択肢を選び続けている。素敵な若人だ。そのままのあなたをキープするのはとても大変なことだろうけど、感性の赴くまま暴れ続けてください。

 問題はポイントをくれる人だ。この人はもうおれの中ではいち個人だと確信している。もちろん、誰だか知りたいなんて野暮なことは思っていない。ただ、この人、読めないのだ。まったく読めん。傾向として、入れるのは8ポイントか10ポイントのみ。大抵の場合目が覚めるとポイントが入っているので、おそらく午前6時から正午までの間、おれが活動をしていない時間帯に、おれの文章に目を通してくれていると思われる。午前8時が有力候補だ。……おれ気持ち悪いか? こういうこと考えるの面白くない? おれは面白いんだよ!

 そこまでは、なんとなくわかった。しかし、この人の評価基準が本当にわからない。まず8点と10点の差がわからない。8点とポイント無しの差もよくわからない。ただ、あまりにも内省的すぎる文章と、本当に内容の薄い文章は、どうやらお好きではないらしい。それはなんとなくわかってきた。ただそれ以外がちょっとまじでわからないんだよな。

 できればね、数少ないおれを評価してくれる人ですから、なるべく楽しく読んで頂きたいなって気持ちはあるのだけれど。ツボがわからないんだから、どうしようもない。さて、今日の評価は如何に。


 おれの予想は8点。あなたの予想は? よかったら阿部ちゃんに教えてね! それでは。バイナリィランド!

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