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閑話休題:鬼ヶ島へご招待2

続きです。

「へえ~・・・・さっきの栄鬼さん、いい人だったね・・・・・」

「確かにな、それにどこか鬼丸に似ているような気がするな」

「まあ、栄鬼さんは私の憧れですからね。長老よりあの人の言うことを優先的に聞くほどですから」


それっていいのか、長老のいうこと聞かないって・・・・・・。


俺たちは今、階段を下って、鬼丸の言う図書館に向かっている。図書館、か・・・・・俺どうもあそこが苦手なんだよな、とか思っていたとき、物凄いスピードで俺に何かがぶつかってきた。


「――――あいたっ!」

「ちょっと、キンちゃん!こっちに倒れこまないでよ!」

「そうですよ、キンタさん!鬼丸さんと私に当たったらどうする気ですか!?」


オメエラ・・・・・ちったあ心配くらいしねえのか!?


俺にぶつかってきた何か、それは間違いなく鬼だった。倒れていく途中で金色の角が見えたから分かったんだが・・・・・・何だか小さすぎないか?


「いたた・・・・・こんなところに柱なんてあったっけ?」

「幽鬼、一体こんなところで何やっているのですか?」

「おお~、鬼丸!ちょうどお前に会いたかったぞ!」


俺は腹筋を使って体を起き上がらせる。と、そこには座っている俺と同じくらいの大きさの鬼の女の子がいた。

・・・・・なんだ、コレ?


「私もです。幽鬼、彼らが例の人間たちです。さあ、自己紹介を」

「おお~、分かったぞ!あたいの名前は幽鬼ゆうき、鬼の長の一人だ。よろしくな、人間共!」

「一応年は皆さんより上なのであしからず」


幽鬼さんは鬼丸の紹介を聞くと胸を張った。そんなないモノを張ったって・・・・・。

幽鬼さんの髪は軽いウェーブがかかった茶色のセミロング、もちろんその髪の間には金色の角がある。しかしそれよりも目を引くのは髪に結んである大きな真っ赤な赤いリボン、とても似合っていてかわいらしかった。

・・・・・・俺はロリコンじゃないぞ!


しかし俺の一番気になること、それは大きさ。さっきも言ったが俺と座高くらいの大きさって・・・・・・。しかも俺より年上なんてありえねえだろ・・・・・。


「で、幽鬼、貴方の用事とは一体何なのですか?」

「おお~、そうだった!さっきな、身体測定してもらったらな、なんと二ミリ伸びていたんだ!」

「・・・・・な、何ですって?・・・・・」

「ふっふ~ん!すごいだろ、鬼丸!」


だからない胸を張るなって・・・・・。

それに鬼丸、何でこの世の終わりみたいな絶望の表情になっているんだ?


「そんな二ミリ程度で・・・・・」


その瞬間、場の空気が固まったんだ・・・・・。

驚愕の表情、羨望の眼差し、そして明確な殺意・・・・・逃げようとしたけどもうそのときには遅かった。


「死ね、このデカブツ!」

「―――――ぐぼっ!?」

「うわあああああん!よっちゃあああん!いじめられたよおおおおおお!!」


幽鬼が放ったのは回し蹴り、それは見事に俺の腹に命中した。しかもその威力は半端ない。なんだコレ?・・・・・桃太郎と同じくらい強くないか?

しかも回し蹴りを放った後、俺達を残して走り去っていった。

・・・・・いい年した大人が泣くんじゃねえ。泣きたいのはこっちだ!


「な、なんつう怪力だ、あの幼女・・・・・」

「すみません、キンタ。幽鬼は鬼の中でも屈指の馬鹿力の持ち主でして、彼女にかかれば石の壁など紙同然。キンタが退魔師でなければバラバラになっていましたよ」

「バラバラ・・・・・まあ、何とか大丈夫だな」

「ところで、キンタ・・・・・先ほどの言葉はいただけませんね・・・・・」


殺気・・・・・。俺の目の前に鬼がいる、色んな意味で・・・・・」


「貴方の182センチという身長も二ミリによって出来ているんですよ・・・・・・ふふふ」

「す、すみませんでした・・・・・」


俺は謝るほかなかった。だって、怖いんだもん。



   ▽   ▽   ▽



「で、ここが図書館ですか?」

「ええ、そうですよ」

「ここが図書館、ねえ・・・・・」

「図書館、なのか?」


みんなが疑問に思うのも無理はない・・・・・。だって何だか扉の前からでも分かるくらい不気味な雰囲気、まるで悪魔の巣窟みたいなそこに俺たちは圧倒されていた。


「学校の怪談に出てくる理科室みたいだね~」

怪鬼かいきさん、いますか?」


・・・・ん?何かデジャヴ・・・・・


「・・・・は~い、鬼丸ちゃん。お久しぶり・・・・・」


やっぱり出やがったな!不気味な鬼火!

・・・・・ってアレ、鬼六さんにそっくり?


「紹介しましょう、怪鬼さんです。この図書館の管理人であり長の一人でもあります。そして・・・・・」

「鬼六の妻でもあります・・・・・どうぞお見知りおきを・・・・・」


あっ、なるほど。夫婦だったのか~。どうりで雰囲気が似ているわけだ。

怪鬼さんは本当に鬼六さんそっくり、帽子をかぶっているかかぶっていないかだけだ。本当に夫婦って言うのは似るもんだなあ。

・・・・・・鬼丸、かぐやには似ないでくれよ・・・・・。


「鬼丸ちゃん、そういえば貴方が借りている“世界の毒全集”、まだ返してもらってないわよ・・・・・」

「ああ、すみません。今度持ってきます」


なんつう不気味な本借りてんだ・・・・・

鬼丸の用事も終わり、俺たちが自己紹介をした時、図書館の扉が勢いよく開かれた。入ってきたのは二人、男の鬼だった。


「怪鬼!妖鬼ようきはここにいるか!?」

「ユ、ユウちゃんが暴れまわって大変なんだけど・・・・・」

「あら、暗鬼あんき一鬼いつきいらっしゃい・・・・・」


図書館に入ってきたのは二人の若い鬼。

一人は背が高く、前髪で右目を隠している。服も着物なのだがあんな派手なモノは見たことがない。なんだかナルシストっぽい鬼だな・・・・・

もう一人はおかっぱ頭の小さい鬼、小さいといっても隣に比べればの話なので人間からすれば平均以上。しかし何故か表情は不安に溢れており、オドオドしている。


ナルシストっぽい方がこちらに気づいたようだ。鬼丸は何故かいやそうな顔をしている。何で?


「おっ!鬼丸もいるじゃねえか!?何でこんなところにいんの?」

「・・・・・私の仲間を紹介しようと思いまして。彼らが私の仲間です」

「えっ!?・・・・・じゃあこの人たち人間なの?怖いなあ~・・・・・・」

「一鬼、そんなにオドオドすんなよ!俺様の名前は暗鬼、鬼ヶ島の長の一人だ。・・・・・・ほら、一鬼、オメエも挨拶しろ!」

「う、うん・・・・・僕の名前は一鬼、よ、よろしくお願いします・・・・・」


なるほど、ナルシストが暗鬼さんで、オドオドしているほうが一鬼さんね。

・・・・なんだか暗鬼さんの目線がかぐやに向かっているんですけど・・・・・。


「君、かわいいねえ~!名前はなんていうの?」

「・・・・・四方院かぐや。気安く触らないでください」

「おっと、厳しいねえ!でも俺様、気の強い女の子、大好きよ!」


・・・・そういうことか。暗鬼さんは女たらしだからかぐやに会わせたくなかったていうわけか。

その証拠に鬼丸の手にはいつの間にデザートイーグルが・・・・・・。長を殺すつもりですか?


「暗鬼、そこまでにしなさい。彼女も嫌がっているでしょうに・・・・・ところで貴方は何でここに来たの?・・・・・」

「おお、そうだった!なんだかユウのヤツが誰かに背のことでいじめられたらしくて、よっちゃん探して走り回っているんだよ」


・・・・・・すみません。その犯人俺です。


「そ、そのせいでモノが壊れたりと大変で・・・・・怪鬼さん、妖鬼さんいるかな?」

「私ならここにいるわよ~」


うわっ!びっくりした!天井裏からいきなり鬼が現れるもんだから・・・・・

その鬼は自分の髪をなびかせ見事に地面に着地した。

・・・・・というより髪なげえ。地面につきそうだぞ。


「話は全て聞かせてもらったわ。要はユウちゃんがまた暴れまわっているんでしょう。困った子ね・・・・・」

「う、うん。妖鬼さん、ユウちゃんをとめてあげて」

「でも幽鬼はこっちの居場所分からないだろ」

「心配ないでしょ、もうすぐ来――――――」

「――――――うわあああああん!!よっちゃあああああん!」


現れたな、怪力幼女!

図書館の扉はまるでそこにはじめから何もなかったかのように消え去っており、みんなも特に心配していないようである。日常茶飯事か・・・・。


「うっ・・・・よっちゃん、探したよ~・・・・・・えぐっ・・・・・」

「はいはい、ユウちゃん。落ち着いて。そんなに泣いてしまっては折角の髪が台無しよ」


・・・・・・ん?そこは髪じゃなくて顔じゃないのか?


「鬼丸君、この人は?」

「鬼ヶ島の長の一人、妖鬼さんです。あの幽鬼を慰められる唯一の存在であり、比較的まともなほうです」

「よろしくお願いしますね」


比較的?・・・・・・

妖鬼さんは微笑みながらお辞儀をする。その行動も様になっていて、思わず見とれてしまった。かぐやが“かわいい”なら、この人は“美しい”という言葉が似合う。

俺がそんなことを考えていると妖鬼さんと目が合った。


「あら、そこの殿方。少しいいかしら?」

「あっ、はい・・・・・・」


妖鬼さんが俺に近づいてくる。次第に近づき、ついに俺の体との距離がゼロとなる。女性特有のいいにおいが俺の鼻をくすぐる・・・・・・。

やべえな、今の俺の顔は真っ赤っていうことが自分でも分かった。


「なんと美しい金色・・・・・コレは染めたのかしら?」

「いえ、コレは地毛ですけど・・・・・・」

「ほう、本当にすばらしいですね、貴方の髪は・・・・・・うふふ」


ぞくっ!

突然悪寒が・・・・・。しかも何が本能に訴えかけている、“今すぐ逃げろ”と。


「す、すみません。用事を思い出し――――――」

―――――ザクッ!――――――

「―――――へっ!?」

「坂田さん、貴方の髪、切らせていただけませんか?」


もう切ってんじゃああああん!!

どっから取り出したかは知らないが妖鬼さんははさみで俺の髪を切った。それも大胆に。


「キンタ、妖鬼さんは俗に言う“髪フェチ”というものでして・・・・・」

「はあ!?」

「綺麗な髪を見かけると一種のトランス状態になってしまいます。かく言う私の髪がこんなにも長いのはこの鬼のせいです」

「うふふ・・・・・。金髪といえば、ツインテール?ポニーテール?それとももっと複雑なのを・・・・・うふふふふふふ」


あの、妖鬼さん・・・・・俺はそんなに髪は長くないのですが・・・・

そして笑っている妖鬼さんがとてつもなく怖い。コレがトランス状態なのか?


さらに俺は五人の長と会ってみて分かったことがある。“何故鬼丸は年齢より大人びて見えるか”ということだ。

・・・・こんな変態達、いや個性の強い鬼たちに囲まれて育ったら、誰でも精神年齢は上昇するはずだわな・・・・・・。


「怪鬼さん、ここに鬼ヶ島の構造について書かれている本はあるかな?」

「ええ、あるわよ・・・・・・。来なさい、年齢詐称君・・・・・」

「へえ~、かぐやちゃんって言うんだ~。どう、これから俺とどっか食べに行かない?」

「行きません。というか触るな、下種が」

「暗鬼・・・・・貴様、余程死にたいらしいな・・・・・」

「おお~、お前はさっきのデカブツ!ボッコボコにしてやる!」

「だ、だめだよ、ユウちゃん!・・・・・キンタさんを殺しちゃ・・・・・」

「そうよ、ユウちゃん。キンタさんはこれから私がカットをするんだから・・・・・・。あっ、逃げちゃだめですよ~」


「誰か助けてエエエエエエエエ!」







いかがだったでしょうか、番外編。

鬼ヶ島の鬼たちについて触れてみました。彼らも本編に出すつもりですのでかれらのこともよろしくお願いします。


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