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気が付いたら君に出会った。
気が付くと、私は少女の前に居た。
紺色の和装に、腰には刀を下げている。
額には、右側に片角があった。
濃い桃色の目と目が合う。
私は、ひとつ、瞬きをした。
「こ、こんにちは。」
その子がぎこちなく挨拶をするので、
「こんにちは。」
と、私も挨拶をする。
よかった、言葉は通じるようだ。
「あの、あなたは誰ですか?」
控えめに聞いてきた彼女に、
「綺凜。」
と、名乗れば自分は慈々だと教えてくれた。
「変わった名前やな。」
と、思ったことを言ってみれば、私の名前も変わっていると彼女は笑った。
笑うと可愛い子やな、なんてのんきに思っていると、ふと力が抜ける。
膝から崩れ落ちるなんてよく言うけど、まさか自分が体験するとは思わなんだ。
「ちょ、大丈夫!?」
ウン、全然大丈夫やないよ。
答える前に、意識が途切れた。
ゆるゆる連載。