登場。
20XX年6月。関東郊外。
開発途中に請け負い会社の不祥事が発覚し、そのまま野晒し状態の空き地ばかりがどこまでも広がる場所。
そこに突如!要塞めいた建物が出現する!
塀の高さ5・5メートル!張り巡らされた有刺鉄線!!!外からの侵入を防ぐというよりは、まるで内にいる何かを外に出さない為の代物ぉ!!そしてぇ、たったひとつの出入り口である堅牢且つ巨大な門!!戦車が並列してもゆうに3台はまとめて通れる広さ!!
そしてそして、何よりも巨大アンド巨大な本体である!!その大きさなんとぉ!東京ドーム4、5‥‥6個分くらいぃ!!!
その威圧感、まさに要塞!
その巨大さ、まさに一国!
この建物は何か!
ここは!
学・校!!
学校である!
ただし普通の学び舎に非ず!!
この学校の名は
「私立 超寵児学園」
時代に愛され、才能に愛された選ばれし寵児達が全国から集う超人学園!!
人呼んで!
「私立 超寵児学園」!!
そこに今、新たなる寵児が舞い降りた!!
「ここが超寵児学園か。ようやく辿り着いたぜ」
男の名は新堂一真!
身長178センチ!年齢17歳!一見華奢に見える身体つきだが、内に秘める本当の肉体は過酷な修行により鍛錬された強靭な鋼である!そしてイケメン!
「この学園のどこかに、親父とお袋を殺し、妹の京子を攫った奴がいる。奴を見つけ出し、この手で必ず償いをさせる。そして京子を救い出す。この命に代えても」
一真は手に一枚のカードが握られている。そこには、蒼く描かれた一匹の蝶ぉ!
「唯一の手がかりは奴の右腕に彫られた蝶の入れ墨。これは奴が、この超寵児学園内の荒くれ集団、「蒼生蝶」に属している何よりの証拠。必ず奴の正体を突き止めてやる。なんなら蒼生蝶の奴らを一人ずつブッ潰してやっても良い。その為に俺は、龍老師の下で地獄にも勝る修行を積んできたんだ」
たが言葉とは裏腹に、一真の表情は暗い。
「だが本当に出来るだろうか。たった独りで。700人を超える蒼生蝶に立ち向かえるだろうか」
炎が宿っていた一真の眼に、ほんの少し陰がさした。
しかしぃ束の間!また再び炎が灯る!
「いけねえ。こんな弱音を吐いてたんじゃ龍老師の孫娘で幼馴染の鈴鈴に笑われちまうぜ!待ってろよ京子。必ず兄ちゃんが助けてやっからな!龍老師から受け継いだこの能力、色即是空を使ってな!!」
盛大な決め台詞がキマった次の瞬間、不意に背後から現れた乗用車に突っ込まれ新堂一真は6メートルほどはね飛ばされた。
「ロンロウシィィーーーー!」
新堂一真ははね飛ばされた後、背の高い草むらに放り出され見えなくなってしまった。
一方新堂をはね飛ばした乗用車。
どうやらどこにでもあるごく普通のタクシー。はね飛ばした直後に急ブレーキを踏み、止まった。中からごく普通の運転手らしきオッさんが中から出てきた。
「あれぇ。なんか撥ねたかなあ。野良犬かなあ。そうだなあ。野良犬だよなあ。この辺多いもんなあ。すませーんお客さん。ビックリさせちゃって。着きましたよぉ」
運転手は車内にいるらしき客に話かけている。新堂一真にはまるで気が付いていない。
【新堂一真 :
乗用車との接触事故により再起不能。もしくは設定がありきたり過ぎた為、戦いの螺旋から離脱】
「それにしても参っちゃったよお客さん。お客さんがあんまりエロサイトのプレゼンが上手いもんだからさ。ついモニターに見惚れて野良犬ひいちゃったよ。まあ何処にもいないから生きてんだろうけどさ」
その時ぃ!!
おもむろにタクシーのドアは開かれた!
現れたのは天を衝くほどの大男!!
身の丈2メートルをゆうに超え!!
体重は余裕の100キロオーバー!!
その出で立ちもまた異様なり!!
漆黒の学ランに身を包み、ベルト代わりの荒縄とぉ!履き潰した下駄ぁ!!ギザギザに破れた学制帽、そして無精髭ぇ!!口に咥えたその辺の草ぁ!!
正に!!平成の世に蘇った!!
漢ぉ!!
バンカラ!!
である!!
「お客さん、本当に学生さん?幾らなんでもエロサイトに詳し過ぎない?」
巨漢はタワシの様に太い眉毛を一度、ピクリとだけ動かし運転手に向けこう言った。
「俺はかつて、エロサイト刑事。そう呼ばれていた」
巨漢はかなりのドヤ顔だったが運転手は完全においてけぼりだった。
「え?デカ?え?何?」
運転手の思いのほかのリアクションに巨漢は少しだけ頬を赤らめた。
「運転手。お会計を頼む」
「ああはいはい。4650円ですー」
巨漢は運転手に五千円札を渡し、お釣りを断る。
「なんかすんませんねえ。エロサイト刑事さん」
巨漢は運転手のその言葉に鋭い眼光を向けるぅ!!
瞬間、二人の間に戦慄が走るぅうぅ!!
(あれ、怒ったかな)
運転手が思った矢先ぃ!巨漢が口を開く!!
「時に運転手。頼みがある」
「はい!なんでしょ!?」
緊張!
運転手は心臓の鼓動が早くなるのを感じるう!!
ドンドンドンドンドンドンドン
加速する!!加速ぅ!!
ドンドンドンドンドンドンドン
「領収書、ください。手書きのやつ」
「え?」
「レシートタイプじゃなくて。手書きのね」
「あっハイ」
運転手が車内に戻り領収書を書いている。
「あーお客さん。宛名どうします?」
「宛名?」
「はい。お名前す」
その時ぃ!
にわかに空が曇り、突然の雷鳴轟くぅ!
「俺の‥俺の名は。」
稲光りぃ!
雷鳴ぃ!
歴史の動く瞬間を感じるぅ!!
「あっ、上で良いです」
「ハイ〜」
巨漢は足早に立ち去るタクシーを黙って見送る。
そしてただ!!馬鹿デカい校門に掲げられた看板を睨みつけているぅ!!
この漢は一体何者なのかぁ!!
この漢の名はぁ!!
続く?
【タクシー運転手:
後に生還した新堂一真による警察への証言。並びに車体に付着した血液によりあえなく逮捕で再起不能。もしくは轢き逃げと業務上過失致傷により収監】