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カレカノ疑惑


「さくらちゃんとリクって...付き合ってるの?」


「けっほ、けほ、こほこほ...」

「ハハハハ...おっもしれぇ」

黄先輩の言葉にむせる私と笑うリク。

...ちょっと待ってくださいですよ。

「なぜそうなったです!」

「え、付き合ってないの?」

驚いて言えば桃ちゃんが思わずといった感じで言った。

「付き合ってないのです。リクの事は好きですけど、それはないです」

「...すき、なんだ...」

「その好きじゃないですからね!勘違いしないで下さいです」

「でもやけに親密そうに見えるのだが」

「それとカレカノはイコールで結びつかないのです。リクもなにか言って下さいです」

「あー、オレら付き合ってねーぞ」

「短いですっ。そんな雑に言うんじゃないです、ちゃんと否定して下さいですよ、リク」

「って言われてもよぉ。っつーかオレとさくらのどこがカレカノなんだ?」

「いやいやいや、膝に女の子乗せちゃってる時点でそうだからね!?」

「?そうなのです?確かに人前でやるのはちょっと恥ずかしいですけど当たり前なのですよ、これ」

「えーー!」

「さくちゃんやっぱり付き合ってたんだ。お似合いだよ、おめでとう!」

「勘違いですからね?違うですよ?リクとはそんなんじゃないです」

「それじゃー手繋いだりー、お姫様だっこしたりー、キスしちゃったりとかしないのー?」


たちまちここは大混乱。皆さん信じてくださいです。

「それくらいならするなぁ」

「「「「ええっ!」」」」

「なにか可笑しいです?いつもの事ですよ?」

「大丈夫だ。頬にだぜ?ほお」

「それでも十分バカップルだからねー」

「そう言われてもなのですよ」

困る。だってリクとは本当にそんなんじゃないし。

「それじゃあ...なに...?」

まゆを下げて聞く銀くん。かわゆす!

「リクは私のパパです!」

「「「「パパァ!?」」」」


「はいです」

「違うだろ!オレはこんなに真っ黒な子供いないっつの」

「真っ黒ってなにがです~?」

「「「...そこが(だな/だよ/...。/だっつの)」」」

「あ、確かにリクの子供なら髪は茶色ですね!」

そうそう。髪の色ね!盲点盲点。

「わざとらしーわ」

とんっと軽くリクにチョップされ...そうになったので避ける。

「受けろよ」

「やーです」

「やっぱり付き合って...」

「「ない!」」

「息ピッタリすぎて説得力ないよー」

「だから、リクはパパなのです!」

「本人は否定しているようだが」

「リク、いい加減に認めるです」

「いや、おめーがからかうのよせっつの」

「...からかって...たの...?」

驚くような表情の桃ちゃんと銀くん。

...気付かなかったんだ。全員の心はひとつであった。


「で?本当のところはなんなんだ?」

「幼馴染み?です」

「「「「幼馴染み?」」」」

「強いていうならな」

「でも...じゃあ...水樹、は?」

「水樹は小さい頃のダチっつか、兄?んで、さくらは水樹が引っ越したあと会ったヤツでまーなんつーの。友達とか彼女とかじゃなくてなー...」

「娘だな」

「娘ですね」

「娘...じゃないかなー」

「...娘」

「娘みたいな感じかぁ」

ほっとしたような顔をする一同にそう言われる。どうやら納得した模様。

「娘じゃねー!」

「...そこまでの溺愛、過保護っぷりでよく言うな。水樹もそうだがさくらもとは。リクは腹黒に好かれやすいのか?」

「なにか仰いましたでしょうか、武津会長?」

「聞き間違いじゃないか?」

「そうであればいいですね」

おおう。すごい。二人とも真っ黒だ。真っ黒たちが仲良く会話してる...!

変なところに感動を覚えてしまう、私。


「リクは面倒見がいいですしオカン体質なのです。でも流石にこのかおにオカンは合わないですし、パパです」

「...パパも合わない」

「確かに性格はちょっとアレですが顔はイケメン爽やかパパですよ?」

「アレってなんだ、アレって」

「昔の行いを振り替えるです」

「お前にゃいわれたかねぇよ、ったくなんだあの犬」

「ちょこっとだけ打ち込んじゃったらああなったです」

「どこかで聞いた気ィするぞ、それ」

「似てるですよね」

「あれは絶対カズの方がましだっつの」

「反論出来ねぇのが怖いです」


「そういえば、昨日千酷と仲良くしてたよね?あと、今回の事件のことも聞きたいなー。オレらさ、ちょっと廊下歩いただけで前までキャーキャー言われてたのにさー、いつの間にかファンクラブのカースト上位者達がなだめにかかってたんだよー。もう、びっくり。いっつも張り付いていたのに急にどうしたのかなー?ね?」

「チャラ黄先輩には残念な事だったですね」

「えー、逆に嬉しいぐらいだよー?オレ探してるヒトいるしねぇ。でね、ちょっとお礼がいいたいんだー。でもね、昨日どこかでそんな感じの事をチラッと聞いた気がするんだよねー」

「 沢山の女渡りご苦労様です。噂話を聞きすぎて疲れたのでしょう。どうぞ横になってお休みくださいです。永遠にお眠りになって結構ですよ?ベッドは用意しておくです」

「クス、そうなの?オレ女渡りなんてしてないよー?そこまでダメ男じゃないからね。参考がてらにそのベッドってどんな感じなのー?」

「永久に老いることなき涼しげなところです。寂しくなることはないですよ?チャラ黄先輩の顔を見に来てくださる人は沢山訪れるです。良かったですね~。ボッチ免れたですよ」

「?、それなーに」

「冷凍保存しておまけに観賞させて金とるってゆーことだな。さくらに腹の探りあいはやめといた方がいいぜ?」

「...そだねー。なんかもうさくらちゃんってホントすごいよ」

「褒めてもなにも出ないです」

黄先輩!美形にそんなに見つめられて微笑まれたら流石に照れるのです。恥ずかしいです。


「今回の件について話して貰いたい」

真面目な質問ですね。

「メリットは?」

「お前は今生徒会に逆らえる立場にない」

その言葉にからからとリクが笑う。

「ちょっと、リク...」

「武津先輩、ちょっと忘れてるっスよ?さくらはチャーム持ちだ」

「しかし二家では生徒会に勝ちようがないな。愚問だ」

「オレいったっスよ?厄介なヤツ敵に回したって。今の先輩達じゃ勝ち目ないっスね」

「それはどういう...」

「リク、静かにしているです。赤先輩、兎に角現段階で私は退学にならないです。それにやろうと思ってもいないことをやろうとしても脅しにはならないです」

「そうか」

「メリットがないなら私が話す必要は...」

「貴女が話していたことが本当ならば、貴女は生徒会に貸しを作ることができます。...今回のことは私達が本来ならやらなければならなかったところでしょう。しかし貴女は自らが悪者になってまでそれを解決した。貴女の事でしょうし証拠も取ってあるのでしょう。それならば、貴女の語学力で私達を納得させ借りをつくるのはいかがでしょう」

流石藍先輩。それはとても魅力的。今の私がほしいもの。でも、これだけははっきりさせておきたいの。

「それは、個人としてです?生徒会としてです?それとも次期当主としてです?」

貴殿方は、なんという存在として私に借りをくれるのかしら。それを教えてほしいの。

...少しだけ、意地悪な質問だったですかね。



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