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第四十五 食事会準備 ギルドの酒場にて

深夜のテンションで書いたので誤字脱字の可能性大。

最近どうしても更新が遅くなってしまうのが悩みです。もう一つの作品と交互に書いてるので、一週間近く間が空いてしまいます。本当は、四日に一回ぐらいの頻度で更新したいのですが。

二足の草鞋はツライっす。

コオリとライラが初めての休日を過ごした翌日の朝。宿の部屋の中には、肩を震わせるライラと、鼻提灯を浮かべているコオリの姿があった。


「昨日ちゃんと言ったのに………!」

「すぴー………」

「寝坊するなって言っただろこの馬鹿!!」

「あ痛っ!?」


時刻は朝の七時。ライラの黒翼によってコオリは叩き起こされた。


「ほら!さっさとギルドに行くよコオリ!」

「いや、まだ朝飯が………」

「文句言うな!寝坊したコオリが悪い!!」


コオリの首根っこを掴まむライラと、ライラに引きずられるコオリ。

こうして、二人の一日は始まった。







「本当にすいません!」


ギルドの中にライラの謝罪の声が響く。その横では、コオリがライラに強制的に土下座させられていた。

二人が謝っている相手は待ち合わせをしていたシェリルである。彼女は強制的に土下座させられたコオリを見て目をパチクリさせていたが、直ぐに我に返ってコオリの事を起き上がらせる。


「私もさっき来たとこなので大丈夫ですよ。だから土下座なんてしないで下さい。ね?」

「いやでも、待ち合わせに遅れたのは事実ですし………」

「別に待ち合わせには遅れてませんよ?私は朝としか言ってないですしね」

「いや、でも………」

「それに、さっき来たとこっていうのは本当の事だから。お茶飲んでるから勘違いさせちゃったかな?」


二人がギルドに駆け込んで来た時、シェリルはギルドの酒場でお茶を飲んでいたのだ。その所為で、ライラは彼女を大いに待たせてしまったと思い、元凶であるコオリを土下座させ、ライラ自身も謝罪したのだ。


「まあそういう事だから、そんなに謝らないで、ライラちゃん」

「………分かりました」

「いや、本当にすいません」

「コオリ君ももう謝らないで大丈夫ですよ。土下座までしたんですから」


穏やかに笑いかけるシェリルに、コオリついつい癒されてしまう。元々の容姿が整っている事もあるが、それ以上に彼女から溢れるオーラの様なモノが心を惹きつけるのだ。口に出す事は無かったが、ここまで優しそうな人が二級中位の冒険者などとは、コオリにはとても信じられなかった。

それはライラも同じ様に感じているらしく、軽く首を傾げて不思議そうにしていた。


「もしかして、冒険者っぽくないって思ってます?」

「え!?いや、そそ、そんな事ないですよ?」

「………ライラ、分かりやす過ぎ……」

「ちょっ!?コオリ!」


コオリの呆れ気味な声にライラは慌てるが、コオリとシェリルの生暖かい視線に恥ずかしそうに俯いてしまう。


「やっぱりライラちゃんは可愛いですね」

「少し素直過ぎますけどね」

「うー!うるさいうるさい!コオリだって最初と違って今は間抜けなじゃないか!」


からかわれたライラはコオリにそんな文句を言う。それを聞いたシェリルが興味深そうにライラに問うた。


「へー、そうなんですか?」

「そうですよ。初めて会った時はボクの事を引っ張ってくれて凄く頼りになったのに、今じゃ大体のほほんとしてるんですよ!今日だって、何度起こしても起きてくれないし!!」


不満を爆発させるライラに、コオリはたじたじになりながらも言葉を返す。


「いや、シェリルさんも言ってただろ?朝ってだけで明確に時間は決めてないって………」

「だからって寝坊して良い訳じゃないでしょ!………まったく、最初のコオリは何処に行ったんだか……」

「いや、あれは場所が場所だったから常に警戒してたってだけで、俺ってコレが素だぞ?」

「だったら今でも警戒してて」

「理不尽!?」


ライラの一言は中々の無茶振りである。戦闘や生産など、ステータスが生きる行動では頼りになるコオリだが、精神面で見ればかなりの駄目人間なのだ。面倒事を嫌うマイペースな自由人。時々真面目になるが、基本的に行き当たりばったりで自分の気の赴くままに行動するのがコオリである。そんな人間相手に、何も無い日常で終始真面目に行動しろというのは酷だろう。


「………あの、二人って何処で出会ったんです?」


ライラの無茶振りに無理だとコオリが叫んでいると、横からシェリルが不思議そうに聞いてきた。どうやら先程のコオリのセリフが気になったらしい。

さてどうしようかと考えるコオリ。内容が内容の為、流石に真実を話す訳にはいかない。かといって、話す内容を考えてたら不審がられるかもしれない。なので、事実に少しだけ嘘を混ぜる事にした。


「ダンジョンだよ。俺が転移系の罠で跳ばされたら、そこで怪我してたライラに会ったんだ」

「へえ、そうなんですか」


良く言われている事だが、人を騙すには真実の中に嘘を混ぜるのが良いそうだ。実際、その例に漏れずシェリルは簡単にコオリの言葉を信じていた。


「それにしても、二人は結構ロマンチックな出会いをしてたんですね」

「……うん、まあ、そうですね………」

「ロマンチック………?」


シェリルのキラキラと輝く瞳を見て、二人はつい歯切れが悪くなってしまう。

それをシェリルが首を傾げて聞いてきた。


「怪我していた所に颯爽と現れて助けられるって、結構ロマンチックじゃないですか?」

「いや、普通はそうだと思いますけど………」

「あの時はそんな色気のある状況じゃなかったと言いますか………」


確かに二人はダンジョンで出会い、一緒に行動をしていく中で互いに恋をした。これならば、何か物語みたいだろう。だが、出会いという場面にのみ焦点を当ててみると、二人はロマンチックなんて言葉とは無縁の出会いをしている。

コオリの場合、初めて見たライラの姿は水晶に封印されていた姿だった。初めて彼女を見た時にはつい身惚れてしまったコオリだが、その直ぐ後には、常人ならばかするだけで肉塊になりかねない攻撃の雨に晒される事になった。攻撃の雨をなんとか止め、やっとの思い話し掛ければ返ってきたのは的外れな言葉。ライラの第一印象はアホの子になった。

逆にライラの場合、コオリは不思議な少年という認識だった。一見すれば何処にでもいる一般人なのに、封印を容易く解く魔法の腕を持ち、近接戦でも無類の強さを誇る少年。かと言って、容姿に優れている彼女を力でどうこうする事なく、強者独特の傲慢さも無い。実に不思議な少年だとライラは思っていた。

つまり、互いが互いで第一印象が「何だコイツ?」と思っていたのだ。そこにはロマンの入る余地など無い。


「まあ、出会い頭で色々会ったんですよ」

「はあ………」


随分とザックリした結論が返ってきた。シェリルは何だそれと言いたくなったが、二人が話そうとしないのならば、これ以上聞くのは無粋だろうと納得する事にした。


「あ、それで本題ですけど、食事会の場所が取れました。日時は向こうの都合で勝手に決めちゃいましたけど、大丈夫でしたか?」


かなり話が脱線していたが、今日シェリルと待ち合わせした理由は食事会の場所についてだ。ようやくその事を思い出した三人は、とっと話を済ませてしまう事にした。


「問題無いですよ。準備はもう出来てますから」


コオリの魔法であるストレージは、入っている物が劣化しないという特性を持つ。その為、場所さえあれば何時でも食事会を始める事が可能なのだ。


「そうですか。それで食事会の場所ですが、定食屋『ヘカントケイルの豪腕』で、日時は三日後の昼過ぎから日暮れまでです」

「了解です。………所で、その店って本当に定食屋ですか?名前がどうも戦闘関連にしか聞こえないんですけど……」

「ヘカントケイルって百の腕を持つ巨人ですよね?確か天災級に認定されてた気が………」

「ああ、やっぱりそこツッコミますか………」


コオリがこめかみを抑えて疑問を唱えると、シェリルが苦笑しながら由来を語る。


「なんでも、オーナーの料理を作るスピードが速過ぎて腕が百本に見えたとかって逸話から取ったそうですよ。後、オーナーが元上位冒険者で、その強さを巨人に例えたとか」

「………何も言うまい」

「あはは………」


色々とツッコミたい衝動に駆られるコオリだが、話が進まないとスルーを決めた。シェリルも乾いた笑みを浮かべるまでだ。


「………あ、でもコオリ。参加する人達の予定が合わなかったらどうするの?」

「ん?それは御愁傷様だろ」

「鬼か………」


ライラの疑問をバッサリと切り捨てるコオリ。コオリとしては、発端となったユルと会場を整えてくれたシェリル、招待しているルアンとその仲間達がいれば特に問題無いのだ。それ以外の予定が合わなかった参加者は、運が悪かったな程度にしか考えていない。


「まあ、予定が合わない事なんてそうそう無いだろ。クルト達は長期の護衛依頼から帰ってきたばっかだし、ユルもギルド職員だからこの街から出る事も無い。マッチョ二人は知らんが」

「いや、最後の二人も考えてあげなよ………」

「あの二人なら遠出もしないでしょうし、大丈夫だと思いますよ?………というより、今日は既に酒場に居ますし」


二人が視線を向けるとカインとジョンが酒場の机で眠っていた。どうやら昨日の夜に酔いつぶれて放置されているらしい。ギルドでは度々ある事らしく、誰一人として気にしていなかったが。


「あれなら、起きた時に言っておけば大丈夫だろ」

「同感かな」


酔いつぶれた二人を呆れを含んだ視線で一瞥した後、コオリはおもむろに立ち上がった。


「それじゃあ、俺はちょっと失礼しますね」

「あれ、コオリ何処行くの?」

「いや、会場が決まったからルアンに報告しに行こうかと」

「ルアンって、確か前に言ってたスラムの子だっけ?」

「ああ」


ルアンには予定が決まったら教えに行くと言ったので、今からスラムに向かおうとしたのだ。必然的にコオリは今日も休む事になるが、生活費はまだまだ余裕があるので大丈夫だろうと判断する。


「ライラはどうする?」

「うーん………ボクは遠慮するよ。いきなり行ったら警戒されるだろうから。ボクはギルドでユルさんとかに予定を教えとくね」

「そっか。それじゃあ頼むわ」

「はいはい」


結果、二人は別行動を取る事になった。

最近、小説を書いてる時の悩みが出てきました。主な三つがこれです。


一つ、部活の所為で書く時間が無い。


一つ、三人称と一人称が混ざりそうになる。


一つ、スキルが多過ぎて書くのが面倒。後見にくい。


三つ目に関して自分で言っちゃダメだとは思ってます。けど言っちゃうんです、だって人間だもの。

また改訂しようかなと密かに思ってたり………スキルだけですけど。

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