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第三十三 出会い


どうも、みづどりです。


そろそろコメントの数も結構な量に増えてきたのですが、その中でステータスに関する質問が多数ありました。

いつもは質問などには出来る限り答えていたのですが、毎回毎回、前書きや後書きで説明するのも何か違うと思うのです。


元々、勢いで書いているので色々と詰めが甘かったりしたのですが、特にステータス辺りがかなり適当な部分が。龍モドキのあのデタラメなステータスとか、今思えば結構やり過ぎな気がしなくもないのです。


なので、ステータス関係の設定さっくりと修正して、書き直していこうかと思うのです。

設定はちゃんと考えろとか、十万文字程度で書き直しとかすんなとか、色々と言いたい事もあるかもしれません。

ですか、どうかそんな言葉を飲み込んで、読者の皆様にはステータスで疑問に思う所があればコメントとして書いて欲しいのです。


それらを踏まえて、ステータスの設定を考えていこうと思います。


更新停滞などのご迷惑を掛けると思いますが、何卒よろしくお願いします。


色々とすみません。




十月三十一

色々と修正しました


ギルドでそんな会話がされている時、コオリとライラは街を見ながら宿に向かっていた。


「いやー、何度見てもこの光景は心踊る物がある」


中世の様な街並に人間とは違った種族、正しくファンタジーと言えるその光景は、何度見てもコオリの心を高鳴らしていた。


「出来る事なら、エルフや獣人の女の子と仲良くなりたい」

「………何を言ってんだか」


そんなコオリの邪念混じりの願望を、冷めた目で見つめるライラ。


「コオリ、ハーレム作る気無いって言ってた癖に」

「いやいや、それとこれとは別だ。俺はただ単に仲良くなりたいんだ。恋仲になりたい訳じゃない!」

「似た様なモノでしょそれ」

「断じて違う。仲良くなるってのは、エルフだと耳を触らしてもらったり、獣人だと頭や尻尾を撫でさしてもらう程度だ。恋仲という訳じゃない!」

「だから似た様なモノだからそれ!ボディタッチ求めてる時点でアウトだから!」


ライラの指摘はもっともではあるのだが、サブカルチャー大国である日本に住んでた身としては、コオリにも譲れない物があった。


「別に力尽くでそんな事しようって訳じゃないんだ。普通に仲良くなって友達付き合いしたいんだよ。耳や尻尾を触らしてくれれば尚良しだけど」

「コオリ、君は色々と自覚しよう………」


ダンジョン内でも言った様に、コオリにハーレムを作る気は無い。と言うより、作れると思っていない。容姿普通で身長も低い。そして何より、コオリ自身に備わった化け物じみた力が周囲から恐れられると思っている。

この考え方は、地球という平和な世界で、ある種の閉鎖的な日本という環境にいた事が原因だ。

この世界と違い、地球では人間が持てる力などたかが知れていた。ステータスという概念が無い地球では、銃などに対抗出来るのは一握りの達人のみで、どんなに頑張っても戦闘機や戦車には生身で勝つことは不可能だ。もし、想像を絶する努力と天賦の才によってそれ等と対抗する事が出来たとしても、今度は民衆の弾圧という障害が立ちはだかる。人間の限界が決まっている地球からすれば、突出した力はどうしても槍玉に挙げられやすい。

それは特に日本が顕著である。日本という国では平等という言葉の下に、突出した才を持つ者は妬み嫉みによって足を引っ張られ、才に劣っている者は更に踏み付けられる。出る杭は打たれると言うが、ことこの面に関しての日本という国は、出る杭は埋まるまで打たれ、出ない杭には蓋をされるのだ。

そんな環境の出ない杭として扱われていたコオリは、過ぎた力も劣っている力も人を遠ざけるという、ある種の固定観念に近いものを持っているのだ。

とは言え、この世界は異世界であり、危険の多い世界の中での突出した戦闘力というのはどうしよもうなく魅力的だ。見てくれなど、安全という存在の前では遥かに霞むのである。更に、コオリは力があるが故の傲慢や尊大さを持ち合わせていない。むしろ穏やかというか間抜けているというかなので、女性からみれば凄まじいギャップを感じるのである。

本人は気付いてないが、コオリはこの世界でも破格の優良物件だったりするのである。


「大体、獣人の場合は種族によっては撫でられたりするのが求愛行動だったりするんだよ?」

「マジで!?うわー、そっか。種族によっては行動の意味も違ったりすんのか。くそう、それじゃあ迂闊に触れれないじゃないか」

「だから触れようとするなって言ってるんだよ理解しろバカ!」

「どわ!?」

「っきゃ!?」


ライラが考えが甘い部分を色々と教えて尚、獣人やエルフに触れ合う事を諦めないコオリ。その姿が流石に頭にきたのか、割と強めの力でコオリの事を叩く。

予想よりも強めの力で殴られたコオリは、多少よろけて近くに居た人とぶつかってしまった。


「あ、すいません。大丈夫ですか?」

「あ、はい」

「ごめんなさい!ぶつかるとは思わなくて」


直ぐにコオリとライラは謝る。今のは全目的に二人が悪い。


「クスっ。大丈夫ですよ。でも、もう少し周りを注意した方がいいですよ?相手によっては難癖つけられちゃいますから」


ぶつかった少女の方は軽い笑みを浮かべながら、そう優しく注意してくる。


「うゎ………」

「おぉ………」


その笑みは同性であるライラが見惚れる程に、とても美しかった。

こうして向かい合ってみれば、目の前の少女の美しさが良く分かる。流れる金糸の如きプラチナブロンド。しかし決して派手ではなく、その髪の輝きは美しくもありながらも慎ましい。

そんな夜明けの日差しを彷彿とさせる髪とは対照的に、その瞳は黒。それも純粋な黒ではなく、夜を連想する様な深く複雑な色だった。見つめていればゆっくりと沈んでいく様な錯覚にとらわれる、そんな神秘的な色。

可憐。目の前の少女は、その言葉を体現したかの様だった。その美しい容姿も、主張し過ぎない程度に均整のとれた身体も、全てが可憐であり淑やかであった。


「それじゃあ、今度は気を付けて下さいね?」


少し茶目っ気を含んだ笑いすら、少女の可憐さを損なわない。

軽やかに人混みを歩いていく少女を、二人は呆然と見つめていた。


「凄く、綺麗な人だったね」

「ああ。流石に驚いた」

「羨ましいなぁ。ボクもあんな綺麗になりたいよ………」

「………いや、お前も十分に美少女の括りに入るからな?」

「コオリ。その言葉は嬉しいけど、あの人を見た後だとちょっとなぁ」


そんな事を言ってはいるが、ライラもベクトルが違うだけでさっきの少女に劣らずの美少女である。

先程の少女を綺麗と称するなら、ライラは可愛いと呼べる少女だ。蒼穹の如く蒼い髪と群青の瞳。幼さの残る顔立ちだが、天真爛漫なライラには良く似合っていると言える。それに、今でこそ天真爛漫であるが、静かに佇んだ姿は全く違う印象を受ける。幼さを残る顔立ちに神秘的な蒼い髪色。起伏の乏しい華奢な少女の肢体は、幻想的な儚さを持っているのだ。

これで自分の容姿に自信が無いなど、世の女性にどの口がほざくと問い詰められるだろう。


「自信を持て。お前も十分だから」

「………」


ライラの頭に手を起きながらコオリが言うと、彼女は無言で俯いた。どうやら恥ずかしいらしい。


「さて、ちょっと変わった事は有ったけど、取り敢えずは宿に向かおう」

「そうだね」


未だにライラは俯いたままだが、返事がきたので歩き出す。


「ん?」


そこでふと、コオリは誰かの視線を感じた。さっきから向けらてくる、ライラと居る事に対する視線とは違う、見透かす様な変わった視線だった。


「何だ?」


辺りを見回し視線の主を探す。すると、遠くの方にコオリを見つめる人物が見えた。普通の人間だったら人混みも合わさり個人を特定出来ない距離だったが、コオリのおかしな視力はその人物を捉えていた。


「さっきの人か?」


コオリに視線を向ける主。それは、さっきぶつかった少女だった。


「………いや、似てるけど違う?」

「コオリ、どうしたの?」

「え、ああいや。ちょっとな」


コオリが動き出さない事を不思議に思ったライラに声を掛けられ、一瞬少女から視線を外してしまう。次に視線を向けた時には、その先には少女は居なかった。


「………何でも無い。行くか」

「え?う、うん」


ライラは不思議そうにしていたが、特に言う事でも無いので教える事はしなかった。


(にしても、何で俺の事を見てたんだ?それにあの違和感。あれは同一人物か?)


先程の少女に感じた違和感。それは、さっきの可憐さとは違う、僅かに瞳に艶やかな光が浮かんでいた事だ。

全くと言っていい程に知らない相手だが、コオリにはそれが酷く歪に感じた。


(いや、考えても仕方無い事か。何かあるならその内くるだろ)


あの少女の目的などどう考えても分からないのだ。だったら考えるだけ無駄だろう。

そう己で結論づけて、コオリは考える事をやめた。

そして、今度こそ宿へと歩き出した。









「彼がアーサーの言ってた後輩候補ね。……はてさて、彼はどんな選択をするのかな?」


その呟きは、人混みの喧騒に消えていった。



前書きでああは言ったけど、内面ではかなり戦々恐々としてたりします。


私、豆腐メンタルなんです。

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