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第二十九 冒険者登録

やっと冒険者登録。長かった


十月三十一

色々と修正しました


「いやー、二人がコオリ君に喧嘩売ったとか最初は肝が冷えたよ」

「だから酔ってたんだって!じゃなきゃあんな事しねーよ!」

「酔ってたで流して良い問題では無いと思いますよ?普通の冒険者志望だったらカインの攻撃に対処なんて出来る訳無いんですから。そうなれば殺人罪ですよ?」

「逆に腕が立つ相手にやっていれば、殺されても文句は言えないからねー。良くても腕は落とされてたかもよ?」

「「っぐ!」」


どうやら、絡んできた二人は烈火の獅子達と知り合いらしく、セイムとクルトの指摘に二人、カインとジョンは言葉を詰まらせていた。


「今回は偶々コオリが穏便に済ませただけだからな」

「一応言うが、最初の会話が無かったら多分反撃してたぞ」

「………反撃ってどれぐらいだ?」

「流石に殺す事しないけど、ちょっかい掛けてこない程度に痛めつけるな。後は、二人の武器を壊す」

「「「「「「うわぁ………」」」」」」


コオリの返答にドン引きする冒険者一同。前者は兎も角として、後者はかなりえげつない。

冒険者というのは戦闘を主にしている職業である。当然危険も多く、必然的に装備というのは冒険者達が命を預ける存在となる。

そんな存在を破壊しようと言うのだから、コオリは容赦が無い。冒険者が命を預けるという事は、当然装備はその冒険者のスタイルに適した物となり、装備という複数の選択肢の中でも優良な物となっている。特に、ドイラン達の様に中堅と呼ばれる辺りになると、オーダーメイド装備や新人では買えない高級装備の場合が多い。なので、破壊などされたら赤字もいい所なのだ。


「あ、危ねえ………」

「依頼ですら無い状況で装備が壊れるとか洒落になんねえよ」

「二人のって高いのか?」

「まあ、魔法付与が付いたそれなりの代物だからな。金貨数枚した」

「コイツを手に入れるの、すっげえ大変だったんだ」

「………壊した方が良かったか?」

「「ヤメろ!!」」


ちなみに、この世界の通貨は石貨、銅貨、銀貨、金貨である。単位はギルで、銅貨一枚が一ギルとなっている。一ギルは大体百円ぐらいだ。

銅貨は十枚で大銅貨となり、大銅貨が十枚で銀貨となる。銀貨も似た様な感じになっており、金貨だけは十枚で白金貨となる。石貨は、端数の処理などに使われていて、十枚で銅貨一枚だ。単位はギルン。

大体、この世界の一般家庭は金貨があれば数ヶ月は生活出来るので、二人の武器は一般家庭の数ヶ月分の収入以上の価値がある事になる。


「そういえば、何であんなに飲んでたんだ?普段はあそこまで飲まないだろ?」

「あー、割と長期の依頼が終わって帰ってきたんだけど、それで飲もうぜってなってな」

「そう言えばそんな依頼に行ってたな」

「本格的に飲むのは夜にしようとしてたんだが、他の奴等とつい盛り上がっちまってなあ」

「それで絡んで負けちゃ世話ねえな」

「いや、だってあの見た目だぞ!あんなヤバいな奴だなんて分かんねえよ!」

「んなんだといつか死ぬぞお前等」


いつの間にか、ドイランが二人に説教を始めていた。


「ドイランはああなると長いから、二人は登録してきちゃいなよ。確かまだ登録してないでしょ?」

「………あ、そう言えばそうだった。忘れてたわ」

「何で忘れてんのよ!君の目的それでしょ!」

「コオリ………」


クルトの指摘を聞いて、何だかんだで未だに冒険者登録をしていない事に気付く。


「おーし、とっとと登録しちまおう」

「ねえ、外に出てから駄目人間になってない?」

「気のせいだ」


ライラの疑問を軽く流しながら、コオリ達は冒険者登録をする為に受付へと向かっていく。


「冒険者ギルドにようこそ。本日はどのような御用件でしょうか?」

「知ってると思いますけど、冒険者登録をお願いします」

「冒険者登録ですね。畏まりました。ではこちらの紙に必要事項を記入して下さい」


何事も無かったかの様に対応する受付嬢に、コオリは遠回しな嫌味を言うが見事にスルーされる。冒険者ギルドの受付をしているだけあって、この程度の嫌味は慣れているらしい。

受付嬢から渡された紙には、名前、使用武器、取得スキルなどの項目が有った。


「スキルって全部書かないとダメですかね?」

「いえ、その項目は無記入でも構いません。記入するにしても、一部のスキルのみで問題無いです」

「じゃあ何で有るんですか?」

「主な理由としては、特殊なスキルが必要な依頼の時にスキル持ちの冒険者を探し易くするため、冒険者同士でパーティを組み易くするためですね」

「そういう事ですか。スキルレベルって書いた方が良いですか?」

「スキルレベルは記入しないで問題無いですよ。あまり冒険者の情報を広めるのは推進しませんので」

「分かりました」


受付嬢の言葉に納得しながら、コオリとライラは登録用紙を書いていく。コオリは剣術と索敵と、風属性魔法のスキルを書いた。ライラの方は、短剣術と火、水、風、土の四属性の魔法スキルを書いた。

登録用紙を記入し終え受付嬢に渡すと、彼女は少し目を丸くした。


「あら、お二人とも優秀なのですね」

「そうですかね?」

「はい。コオリさんはさっきの騒動を見てたので言うまでも無いですけど、ライラさんも中々に優秀ですよ」

「え?ボクもですか?」

「ええ。魔法使いのスキルは一つか二つが一般的ですから。基本四属性の全てを使えるって事は、かなりの才能があると思いますよ」


ライラは受付嬢の言葉を聞いて納得するが、コオリには聞き逃せない言葉が混じっていた。


「さっきの騒動って、やっぱり見てたんじゃないですか!だったら助けて下さいよ!」

「それについては謝罪します。まさか剣を抜こうとするとはギルドとしても思って無かったので、対応が遅くなってしまいました」

「本当に面倒だったんですよ………」

「………」

「どうしました?急に黙り込んで」

「………いえ、面倒の一言で済ませるとは予想外だったので」

「酔っ払いに絡まれるのは面倒以外の何物でも無いでしょう」

「普通は中堅冒険者に絡まれたら、面倒で済まないと思うんですが」

「あー、コオリはちょっとズレてるんです。気にしないで下さい」

「人を変人みたいに言うな」

「でも、色々と抜けてたりするよね?」

「まあ、否定はしないな」


コオリ自身、周囲よりも色々と変わっている自覚は有るのだ。特に戦闘関係は、ダンジョンでの戦闘が経験の殆どを占めている為、どうしてもダンジョンを基準にしてしまいがちになっている。その為、地上に慣れるまでは、何かやらかしそうで内心で不安になってたりする。


「………取り敢えず、コオリさん大物になりそうだという事で納得しておきます」

「そうですね。コオリの事は考えるだけ無駄です」

「中々に辛辣な事を言うな………」


ライラのまとめに苦笑するしか無いコオリ。恋人になって遠慮がなくなってきるのは彼女もらしい。


「では、こちらが冒険者カードになります。このカードに、お二人の血を一滴程垂らしせば登録完了です。カードでは階級の他に、ステータスや、さっき記入して頂いた事を表示する事が可能です」

「なんか無駄にハイテクだな………」


クレジットカード程度の大きさなのに、付いている機能は中々に豊富である。


「次に、冒険者ギルドについての説明です。冒険者ギルドは冒険者に依頼を斡旋する組織です。

冒険者には十から一、更に特級という階級があり、数字が小さい程に階級が高いとされています。

依頼は、自分の階級までの依頼しか受ける事は出来ません。例外としては、特定の冒険者を名指しで依頼する指名依頼や、特殊なスキルを要求される依頼の場合は、自分の階級よりも高くても受注が可能です。

パーティを組んでいる場合は、パーティリーダーの階級までの依頼を受注可能です。

階級の昇格は、原則として依頼を規定数こなした上でギルドの昇格試験を受けてもらい、試験に合格したら昇格となります。

素材など買取は、あちらのカウンターでやっています」


ここまでは、馬車の中でドイラン達に聞いたのでコオリ達も知っている。


「また、一定以上の階級の冒険者は、災害級の魔物の出現といった有事の際にギルドに協力する義務があります。これは、通行税の免除などの、冒険者の特典に対する対価と考えて下さい。この義務を放棄した場合、降格や除名などの処分が下されますので注意して下さい」

「一定以上ってどれ位です?」

「八級以上になります」

「何で八級以上しか駄目なんです?」

「それ以下の実力しか無い場合は居ても邪魔なだけですので」

「あー」


つまり、冒険者は有事の際の予備戦力という事だろう。


「後は、依頼の失敗には報酬の半分の違約金を払う事と、ギルドの評判を著しく下げる行為をした者には罰則が下る事でしょうか。以上で、冒険者ギルドの説明を終了させて頂きます」


受付嬢の話しが終了し、冒険者登録は終了となった。


「これで俺達も冒険者だな」

「そうだね」


取り敢えず、これで目的の一つは達成した事になった。

今回は説明が多かったですね

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