プロローグ 勇者召喚
新作書いてみました。更新停滞しない様に頑張ります。
目指すは10万文字突破
バキッ!!
「ッぐ!!」
俺は学校の教室で殴られていた。喧嘩という訳では無い。俗に言うイジメだ。
何故イジメられているのか。理由は簡単だ。俺が弱いからだ。
外見は少し小柄で、筋肉もあまりついて無い。顔に関しても普通で特に優れていない。親の職業もただのサラリーマンと、社会的にも普通だろう。
その点、俺をイジメている首謀者は、容姿端麗、文武両道、親が有名な代議士と、非の打ち所がない(性格はクズだが)所謂勝ち組だ。
何故そんな奴に俺はイジメを受けているのだろうか?理由は、弱い奴をいたぶるのが好きだからだそうだ。
なんて酷い理由だろう。普通だったら、こんな理不尽は許されない。ましては俺が住む日本は法治国家だ。そんな事は認められない。だけど、運が悪い事に俺の場合は普通じゃ無かった。
イジメの首謀者、田所タクミは猫を被るのが異様なまで上手く、そこらの詐欺師など足下に及ばない程に話術に長けていた。更に、自分は人目がある場所では暴力は振るわず、自分の取り巻きに殴らせる為、イジメの首謀者が田所だとは思われていない。
最初は止めていたクラスメイトも、いつも間にか田所が流していた俺の根も葉もない噂によって、今ではイジメを黙認している。学校側もそうだ。有名代議士である田所の親を恐れ、教師達は見て見ぬ振りだ。
社会的にも強者で、クラス中が敵と言っていい、周りには味方の居ない孤立無援。そんな状況で刃向かうのは、流石に無謀だ。
だから俺は、この理不尽を受け入れる。足掻いても無駄だから。イジメを跳ね除ける力が無い弱者だから。感情を押し殺して受け入れる。
「オイオイ。これで終わりじゃ無いぞ、クズの木!」
クズの木。これは俺のあだ名だ。楠木氷だからクズの木だそうだ。安直だな。
あだ名について考えていると、腹に衝撃がくる。蹴られたのだ。蹴ったのは林という奴だ。種類は知らないが格闘技をやっている。そんな相手に蹴られて、小柄な俺は抵抗出来ずに転がった。そこに更に、周りの取り巻きから追撃が入る。
これが俺の日常だった。学校に登校したら、陰湿なモノから直接的なモノまで、ありとあらゆるイジメを受ける。それは下校まで続き、翌日になると同じ事が繰り返される。
だが、今日は違った。
「うっ。………なんだ?」
最初に気付いたのは俺だった。転がった床から何か音がしたのだ。それは、耳障りな様で何処か澄んだ音だった。疑問の声を上げるが、それは林達に掻き消される。
「オラオラァ!!誰が喋っていいって言った?」
「ま、待ってくれ!何か変だ!」
「アぁ?」
しかし、その答えは帰ってこなかった。その瞬間、俺は光に包まれた。
作者は主人公最強大好きです。
この作品ももちろん強くなります。