ふみぶみ
踏み場がなくなったと告げられた。
太陽が首を不思議そうに傾ける、13時ちょっと前。
私なりに考えてみた。きっとこれはそう、ガラス破片を踏まないように配慮されたまで。
だって、私の目の前にはまだ踏み場が続いて見えている。
だから気に留めるようなことではない。決して。
無駄な感情ですり減らすぐらいなら、試しに一歩分踏んでみればいいんだわ。納得できる痛みが感じられるはず。
ぱっと裂けて赤黒い血が少量出たら、私はそれで良かったなと思っていたかな。見つめた。分かる。何ともない足は、そのまま硬いものの上を踏みしめた。掌で壊れ物を握り込むみたいな、呆気ない感じ。
足元に落ちる影がもうあそこに在る。太陽がこくりと頷くように傾ぐ、刻の切り替わり時。踏み場がなくなったと告げられた先を、本物らしくする為に、私は自分の片足の裏を傷付けた。滴り流れる量まで、嘘をつかれ続けた。




