「密書と暗雲」
森の奥、倒木の陰に奇妙な箱が埋まっていた。
罠設置用の針金を探していた最中、ふと地面の土がわずかに盛り上がっているのに気づいたのだ。
慎重に掘り起こしてみると、中には風化した革のケース。そしてその中に、**厳重に封印された密書**が入っていた。
「…宛名入り、か。」
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### 【密書の宛先】
* ヴァルグラッド帝国
- オダ・ノブグラム
- トヨヒデ・モンキネス
- ウシロカラ・サスヒデ
### 【差出人】
* 神聖混成国メサイア
- **ザヒンシスコ・ハゲテル教皇**
内容は明白だった。
> 「三帝に告ぐ。我が神聖混成国は、
> 精霊を信奉し神に背く【耳長種族シルヴァリオン】への粛清を決定す。
> 汝らの軍勢と共に聖戦の旗を掲げんことを願う。」
他国、特に**エルフ国家シルヴァリオン**への宣戦布告の書状。
しかも、それを提案しているのは**神の代行者とされる宗教国家の教皇**だ。
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「……マジかよ。」
自分の姿を確認する。
若返った肉体、長く尖った耳。
この世界での自分は、どう見ても――エルフ(耳長族)だ。
> 「渡りに船、ってヤツか。
> これは――エルフに知らせる“べき”だろ。」
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### 【選択】
手元の密書。これをどう扱うか。
・焼却し、関与を断つか。
・自分が動き、エルフ国家に警告するか。
・または、このまま偵察し続け、三国の動きを見極めるか。
主人公はひとつ息を吐き、
密書を再びアイテムストレージに格納した。
「まだ、情勢が見えない。けど……」
「**もしも戦争が始まるなら、俺は――もう“人間側”じゃねえな。**」