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仲間

『お姉さん、私たちの言葉が分かるの?』


「えぇ、ギフトの力なの。対話って言ってね、全てのものと対話ができるんだ。頑張れば多分植物とかとも話せるよ、もちろん魔物ともね」


そう。魔物との会話もできてしまうこの能力。魔物をこの世の悪だと信じているこの国では、汚らわしいと言われる。だからこそ、私は家から追い出されたのだ。


『すごいギフトだね!私たち人間と会話したのなんて久しぶりだよ!』


「そ、そう⋯⋯?ありがとう」


白い猫叉はニコニコと褒めてくれる。

あぁ⋯⋯可愛い。癒される。

その可愛さに癒されていると、黒い猫又が話しかけてきた。


『⋯⋯怪我を治してもらったことは感謝する。だが、お前は無防備すぎないか?怪我が完治した今、オレたちがお前をここで攻撃する事だってできるんだぞ』


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯はっ!確かに!」


バリアは使えるが相手は猫又。希少種であり、その力は未知。けれど私ごときのバリアなど簡単に破られるだろう。攻撃魔法もまともに使えない私が勝てるわけがない。


「あわわわわ⋯⋯えっと、えーっと、た、助けてあげたから、食べないで?ください」


『私たち人間は主食じゃないから食べないよ?』


「じゃあ襲わないでくださいっ!私攻撃魔法使えないの!」


『そこで敵になるかもしれない相手に自分の弱点を教えてどうする。余計に死ぬ確率が上がるだけだぞ』


『むぅ⋯⋯ちょっと!これ以上お姉さんの事いじめちゃダメ!助けてくれたんだから!』


『それには感謝しているが、だが、それにしたって無防備すぎるだろう。のほほんとしすぎなんだ』


はい、おっしゃる通りです⋯⋯。敵なんて無縁の生活してきたので大分頭がお花畑なんです⋯⋯。よく言われました⋯⋯。


『ほらぁ、お姉さん悲しそうな顔してるよ!』


『い、いや、泣かせようと思ったんじゃなくて⋯⋯一応、恩人だからこんなに無防備だと心配で⋯⋯すまない』


黒い猫又はしょんもりと耳をへたらせ、頭を下げた。


「い、いやいや!心配してくれてありがとう。確かに自分の身の安全について考えてなかった」


これからは1人なのだから、自分の身は自分で守らなければならない。平和ボケしている場合ではないのだ。


『ねぇお姉さん、お名前は?』


「あ、私はフェリシア。フェリシア・ハーノルド」


『フェリシア⋯⋯いい名前だねっ!』


「うん、私もこの名前は気に入ってるんだ」


『どうしてフェリシアはこんな夜中にひとりでいるの?』


フェリシアは今まであった事を全て猫又達に打ち明けた。

この子達はなんだか不思議な感じがする。


「って感じで⋯⋯」


『何それー!酷すぎる!』


『馬鹿のする所業だな。対話というスキルについてはあまり知らないが、少なくとも並大抵のものではない。それをたかが魔物が嫌いだという理由で国から追放⋯⋯呆れるな』


うにゃー!と怒る白い猫又。冷静にバカにする黒い猫又。正反対な二匹だ。


『私たちがその場にいたら、けちょんけちょんにしてやったのにー!』


「そう言ってくれるだけで十分だよ。ありがとう」


『それで、お前はどこに行く予定なんだ』


「隣国のラーン王国に行こうとしてたの。あそこは魔物を毛嫌いしていないから⋯⋯」


ラーン王国。アルベルト聖教国に隣接する王国だ。

ラーン王国では従魔術師も珍しくない。というか、本来ここまで魔物を毛嫌いしているこの国が異常なのだ。


『なら、私たちもついていく!』


「⋯⋯え!?い、いやどうして?あなた達は自由なのよ?」


『猫又は誇り高き種族だ。受けた恩は返す。お前が無事ラーンに着けるまでは護る。ただ、そこまでだ。それ以降は俺たちの気分次第だな』


『私は普通にフェリシアが気に入ったから着いてくよ〜!仲良くしようね!』


猫又の強さがどの程度かは分からないが、護ってくれるのはありがたい。結界だって無限に展開していられる訳ではないから。


「⋯⋯なら、お願いしようかな。ありがとうね。えっと⋯⋯」


そういえば名前を聞いていなかった。⋯⋯というかそもそも魔物に名前はあるのだろうか。


「あなた達に名前ってあるの?」


『あるよ!私はサクラで、こっちがコムギ!』


そうか、猫又は確か東の国にしか存在しない魔物。名前もその国由来なのか。どうりでこの辺りでは珍しいサクラが名前になっているんだな。


「よろしく!サクラ、コムギ!」


『うん!』


『ああ』

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