表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/44

9:朝食を食べつつ。

 



 朝起きて、二人分のバターロールをトーストして、二人分のスクランブルエッグを作って、二人分のレタスをちぎって…………って、私なにやってんだっけな?


「サラダはレモンドレッシングがいい」

「ありません。オニオンドレッシングで我慢してください」

「む。はい」


 ――――素直だ。


 レオをチラッと見ると、慌てて頭頂部を隠された。……なんでだろうね?


「そうそう、今日なんですけどね」


 バターロールの真ん中にナイフを入れ、その切り目にスクランブルエッグを挟みながら話していたら、レオも真似しだした。


「聞いてます?」

「ん」

「私、今日はお休みなんですよね」


 バターロールにガブリとかぶりつき、もぐもぐ。


「うん?」

「食材の買い出しついでに、レオに必要そうなものを買ってきますね」


 必用なもののリストアップとお金をください、と言いつつバターロールの続きをモグモグ。


「私も行く!」

「却下」

「なぜだ!」


 レタスをフォークでドシュッと刺しつつ、顔がまるっきり国王だとツッコミ。


「しまった。ヒゲを剃るんじゃなかった。ちょっと離席する」


 レオがバターロールを慌てて食べて、うまっ! とか言いつつ、玄関の外に行った。そして数秒ほどで戻ってきた。


「なにしに出たんです?」

「影にすぐ来るようサインをな」

「ふーん?」


 玄関に何かをすることで、簡単なメッセージを伝えるようにしているらしい。

 鉢植えを室内に入れたら、王城に一度戻るから迎えに来い。

 ドアノッカーに造花を挿したら、超特急で来い。

 

「鉢植え、雨の日は室内に入れてますけど?」


 トレニアは多年草で割と放置してても平気だけど、雨の日は一応室内に入れている。


「ぬあっ!? メッセージを変更せねばならんな」

「まぁ、そのままでもいいですけど」


 影さんが迎えに来てくれるんなら、都合がいい。


「酷い!」


 そんな話をしながら朝食を終わらせ、お皿洗いをしているときだった。レオが。

 私は監視しつつ、お皿拭き。

 

 ドアノッカーが鳴ったのでハイハイと小走りで玄関に向かうと、知らない男の子が立っていた。

 ニコッと笑い、ペコリと頭を下げ、家の中に勝手に入ってきた。


「え? ちょ?」

「陛下、お待たせいたしました」


 少年がレオの足元で片膝をつき、頭を下げて命令を待つような姿勢だ。

 わー、本物っぽい! と思ったけど、そう言えば本物だった。


「変装セットを持って来てくれ。付け髭とかあるといいけど。ある?」

「ございます。十分ほどお待ち下さい」


 そう言うと少年は立ち上がり、また私に向かってペコッと頭を下げて、出ていった。

 十分で戻るってことは、すぐ近くに待機拠点かなにかあるのかな?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜

☆ コミックシーモア様先行(限定SSあり) ☆

❄ 8/26(月) ❄

書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

※コミックシーモア様以外の電子書籍書店様は9/20 (金)になっております。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ