表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/44

8:チョロい国王。

 



 お風呂を溜めている間に、お皿洗い。

 国王――レオは、またゴロゴロ。


「暇そうですね?」

「ん、暇だな」

「ちょっと働きません?」

「……国王だが?」

「王城に帰っ――――」

「さて! 何か手伝おうか!」


 物凄い早さでソファから起き上がり、真横に走ってきた。

 国王、チョロくない? 大丈夫?


「お皿、洗えるか地味に不安なんで、今日は洗ってるところを見るのと、お皿を拭いてください。拭くくらいはできますよね?」

「うむ。扱いが酷い!」

「あ?」

「なんでもない!」


 ちょっとドスの効いた声を出したら、レオが真剣にお皿を拭き始めた。そしてお皿洗いもしっかりと見ている。何気に出来るタイプかな? とか考えたところで、そもそも国王陛下をやっているんだから、そもそもが有能じゃなきゃ無理じゃない? って結論に至った。


「はい、ありがとうございました。お風呂どうぞ」

「ん? リタが先に入らないのか?」

「立場的にレオが先でしょ」

「乙女がおっさ――おにいさんの使ったあとの湯でいいのか? 普通嫌がらないか?」


 いま、自分でおっさんって言おうとして慌てたよね? 割とおっさんだって自認してるんだ?


「確かに、おっさんの後は地味に嫌ですね。じゃあ、先に入ってきます」

「おにいさんっ!」

「大きい声を出さないでください。近所迷惑です」

「ぬぐぐぐぐ……」


 レオの扱いは雑にすると決めた。

 だって勝手に居座ってるし。


 お風呂に入りつつ、今後のことを考えた。


 とりあえず、週ごとで食費とかは請求しよう。

 王都は水にお金がかからないから助かっているけれど、ランプオイル代や薪代は馬鹿にならないのでそれも請求しようかな。

 家賃は、うーん。悩ましいところだけど、私より家にいるって考えたら半分くらい請求してもいい気がしてきた。


 お風呂から上がり、服を着て髪を乾かしながらリビングに向かう。

 一人暮らしするには十分な広さで、リビングとダイニングは一緒になっているものの、四人掛けのテーブルと三人掛けのソファを置いても多少余るくらいには広い。

 個室は一つしかないけれど、個室もまぁまぁ広い。実はベッドは二つ置ける。

 なぜなら老夫婦用に作られた家だから。

 

「お風呂どうぞ」

「うむ。着替えは?」

「……知りませんよ。持ってきてないんですか?」

「ああ」

「じゃぁ今日もワンピース着てください」

「パンツは?」

「あるわけないじゃないですか」

「チッ」


 このあと、レオが床にうずくまってたけれど、なんでだろうね?


 レオに必要そうなものを買い揃えなきゃかな?

 明日休みなんだよね。

 一緒に出掛ける? 嫌すぎるなぁ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜

☆ コミックシーモア様先行(限定SSあり) ☆

❄ 8/26(月) ❄

書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

※コミックシーモア様以外の電子書籍書店様は9/20 (金)になっております。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ