表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/44

43:レオが悪い。

 



 晩餐会はある程度、滞りなく終わり、屋敷に帰った。

 レオは一泊して行けとグズったけれど、ミランダ夫人が全力で却下をしていた。


「じゃ、またね」

「軽いっ!」


 レオと一緒に寝ると鼻息が煩いし、変な唸り声も出すから嫌だと言うと、なぜかご機嫌になられた。


「ほぉぉぉぉん? ということは、リタは私と一緒のベッドで眠るつもりだっんだな?」


 ――――あぁ。


 なるほど、確かに。

 レオのニヤニヤ具合からするに、全力で煽ることにしたらしいけど、照れがほしいのかな?

 

「え、当たり前でしょ? レオは違うの?」

「っ――――!?」

「どうしたの? 顔が真っ赤よ?」

 

 とりあえず、煽り返して馬車に乗り込んだ。またね、と手を振って。


「貴女……末恐ろしいわ…………」


 なぜかミランダ夫人にドン引きされてしまった。

 レオの扱いなんて、あれくらいが丁度いいと思うのよね。




 婚約式から結婚式までは半年の期間が設けられている。

 それまでに妃教育を履修しなければいけないし、結婚式の準備も。

 トゥロさんやミランダ夫人に色々と手伝ってもらいつつ、式に参加される方々の顔と名前と経歴を覚えたりと、やることが本当に多い。


 時々は王城でレオと打ち合わせもあったので、寂しさとかは全く感じずに過ごすことができた。




「もう明日だな」

「んー…………ですね」

「ちょ、リタさん? 寝るな! 結婚式前夜だぞ!? もうちょっと語り合ったりとか、あるだろ?」

「うるさいです…………寝ます」


 結婚式の二日前から王城に住まいを移動させた。

 王妃の私室に荷物を移したりと、色々と大変だった。そして、前日の今日はリハーサルや最終チェックなど、本当にやることがいっぱいだった。

 だから、本気で眠い。しかも明日は早朝から準備が始まるのに。


 国王と王妃の部屋の間には主寝室がある。でも、王妃の私室にもベッドがある。

 夫婦の営みはまだしないし、レオと一緒に寝ると煩い。だから、私室で静かに寝たかったのに、レオが乱入してきた。


「端に詰めろ」

「んっ、無理に入って来ないで…………」

「っぐぅ…………表現がエロい!」

 

 なぜかレオが床に崩れ落ちて固まった。面倒な人だなぁ、うるさいなぁ、もうそこで寝てなよ。私は一人で寝たいの! と夢現で言ったのは、覚えている。


 まさか、朝起きたらレオが床で丸まって寝ているとか、思わないよね。

 しかも侍女たちに発見されて、『陛下が殺されてるっ!』的な扱いを受けるとか……思わないよね?


 床で微動だにせずに爆睡してるレオが悪いよね? ねっ?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜

☆ コミックシーモア様先行(限定SSあり) ☆

❄ 8/26(月) ❄

書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

※コミックシーモア様以外の電子書籍書店様は9/20 (金)になっております。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ