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37:ギリギリアウトらしい。

 



 寝室に行き、自分のベットに入ろうとしたら、後ろからレオに抱きつかれた。


「えっ、何?」

「ん? こっちに来い」


 (いざな)われたのは、レオのベッド。

 ともに寝ようと言うけれど、昨晩と今朝のことを思い出す。


 ――――無理じゃね?


 あれだけ興奮して眠れずにいたくせに何を言うんだと、ちょっと呆れてしまった。

 本当にこの人は、もうっ!


「嫌です!」

「チッ」


 キッパリ断ると、レオは舌打ちしつつ素直に諦めてくれた。後頭部を押さえているのは、なんでか知らないけど!




 朝、出勤したら、王城の内部はかなりの騒ぎになっていた。予想通りではあるけれど……今回はなんだか申し訳無さを感じる。


「おはようございます」

「リタさん、おはようございます」


 サウルくんがじっと見つめてくるけれど、特に何も言わないのは、また彼だけは知っているパターンなのかな?

 

「おや? リタくん出勤してくれたのかい?」

「……はい」


 トゥロさんの反応がどっちなのかわからない。柔らかな笑顔なのが余計に謎い。

 一昨日の私から導き出された反応なのか、アレが家にいるのを知っているからの反応なのか……。

 

「んー、仕事はほぼないから、家でお世話しててもいいよ?」


 ――――あ、知ってるのね。


「嫌です」

「ブフォッ」


 トゥロさんが表情を変えずに吹き出した。

 いろんな意味で凄いというか、器用というか。


「あれ? ねーねー、相思相愛なのかと思ってたけど違うの?」

「ギリギリアウトラインです」

「えー!? そうなの? それなのに同棲するとか息巻いてたの? やばいねあの人」

「アホなんですよ」


 トゥロさんがサウルくんにコソコソと話掛けていたけれど、普通に丸聞こえ。

 二人の話をぼーっと聞いたら、ふとレオを拾った時のことを思い出した。


 泥まみれの髭モジャ、もさもさ頭で道に倒れていた。空腹で死にかけているように見えたのは、半分は本当だろうと思う。

 家に居座ろうと、あれやこれや画策したり、駄々捏ねてみたり。


 今思うと、正体を隠す気なんて、更々なかったんだろうなぁ。

 かなり堂々としていたし。


「えっと……拾った責任で餌やりはちゃんとしてます」

「「餌やり」」


 なぜか声を揃えて復唱された。

 



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◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜

☆ コミックシーモア様先行(限定SSあり) ☆

❄ 8/26(月) ❄

書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

※コミックシーモア様以外の電子書籍書店様は9/20 (金)になっております。

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