表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/44

15:寝室にて。

 



 お風呂から上がって新しいソファにダイブ。

 モフンモフンと身体が跳ねる感じ、最高すぎる。


「気に入ったのか?」

「はい!」


 柔らかに微笑んだレオに勢いよく返事すると、レオがフフッと楽しそうに声を出して笑いながらお風呂に向かった。片手に新しく買った着替えを持って。

 新しいものを使う日って、なんかワクワクするよね? それは国王も同じみたい。


 お風呂上がり、それぞれでソファに寝転がり、本を読みつつ、アイスティーとクッキーをもぐもぐ。

 休みの夜って最高だ。

 明日も早いから、もうちょっとだけ読んでから眠ろうかな――――。


 って、そういえば、寝室を一緒にしちゃったんだった。サウルが気を利かせて二つのベッドの間にパーテーションを用意してくれたのは、めちゃくちゃありがたかった。


「ほんじゃ、おやすみなさい」

「うむ。良い夢を」

「はーい……」

「……」

「…………」


 ――――眠れない。


 よくよく考えたら、他人と同じ空間で眠るのって初めてだった。

 家が没落して、少しの間だけ両親と同じ部屋で眠ったこともあったけど、わりとすぐに個室に眠れるくらいには収入が出来たし、今は独り立ちも出来ている。

 友だちは、ほとんどいない。わりとぼっち。

 友だちが泊まりに来たら、こんな感じなのかな? 相手は国王だけど。ってか男性だけど。

 

 そもそも、友だちとだったらパーテーションなしで、夜通し話したりとかするものかも?

 

「レオ、起きてます」

「…………」


 プスーッと寝息が聞こえる。

 レオ、寝てるね。完全に寝てるよね?

 地位のある人って、こう、人の気配に敏かったりとかないのかな?

 いや、あるんなら人の家に転がり込んでリビングで寛いだり、寝たりしないか。

 

 ――――寝よ。




 昨夜はあのあとわりとサクッと眠れた。

 そしていつも通りに起きて、朝食の用意をした。

 

「ん…………はよう……」


 あふあふと欠伸をしながらレオが起きてきた。

 目をこしこしと擦っているのは、なんだか幼く見えて可愛かった。

 

「朝食出来てますよ」

「ん。ありがとう」


 ダイニングテーブルに着き、二人で食べながらちょこっとおしゃべり。

 レオは新しいベッドになってあまり眠れなかったと言っている。


 ――――あれ?

 

 でも昨日の夜は直ぐに寝てたよね? と聞くと、寝入りは良かったが、夜中に何度か目が覚めたらしい。


「ソファはソファで寝てるという興奮からか、よく寝れたのに」


 興奮で寝れるってどういうことだと聞いても、理解はできなかった。よくわからないけれど、古い方のソファラブすぎる。


「じゃ、いってきますね」

「ん、留守は任せろ」

「はーい」


 王城に向かって歩き出したところで、ふと思った。

 レオって一人のときってなにやってるんだろう? 留守を任せろって言ったけど、家のことってたぶん何もしないだろうに。

 いやまぁ、家に人がいるってだけで防犯の役には立つのかも? 反国王派とかいたら、家を襲撃されそうだけど。ありがたいことに、かなり平和なこの国。そんな事件はほぼ起きないと思っていいから、結局はありがたい。


 そんなことをつらつらと考えながら歩いていたら、仕事場に到着した。


 ――――さて、頑張って働きますか。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜

☆ コミックシーモア様先行(限定SSあり) ☆

❄ 8/26(月) ❄

書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

※コミックシーモア様以外の電子書籍書店様は9/20 (金)になっております。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ