14:ソファとベッド。
お昼のお皿洗いとドレッシング作りを終え、ソファでダラダラしようとしたけれど、レオがすでに寝転んでいる。
おい、私の居場所がないぞ、と思ったけど、ソファはレオのベッドでもあるし、うむむむむと悩んだけど、素早く諦めた。
「レオ、ベッドとソファの手配をなる早でよろしく」
「ん? わかった」
私は、ソファでダラダラしながら、おやつを食べたり飲み物を飲みたいのだ。そして、それは譲りたくないし、ベッドでは流石にしたくない。
つまり、ソファをもう一脚用意すればいいだけなのよね。
ちょっと狭くは感じるだろうけど、過ごしやすいほうが断然いいもの。
あと、買うのは私じゃないし! ココ大切!
レオ経由でサウルくんにお願いしていたら、夕食後に三人掛けのソファとベッドが届いた。
しかも、もともとのソファとデザインを揃えてくれていた。
――――早すぎない?
サウルくんに無茶振りさせてごめんねと伝えると、諦めたような表情で微笑まれてしまった。どうやらいつものことらしい。
「それから、ベッドはレオ様のものと同じものをリタ様にもご用意いたしています。もし、もともとの方が良ければ――――」
「ありがたく頂戴いたします!」
ボロボロでギシギシ鳴っていた使用歴十五年の前住人から譲り受けたベッドなんて、なんの感慨もなくおさらばできる。
しかも、『迷惑料』でベッドの代金も何もいらないと言われれば、前のめりにもなるってものだ。
「では、また何か御用がありましたら、お呼び出しください」
「んー」
臣下の礼をして出ていくサウルくんに手を振って見送っていたんだけど、レオは古い方のソファに寝転がったまま。酷い男ね。
あと、なんで古い方に転がったままなのよ。
「レオ、新しいソファに……」
「嫌だ!」
「は?」
レオが古いソファに抱きついて、ここから動かんぞ! な主張。
――――いや、なんでよ?
「これは私のソファだ! 私にぴったりフィットしてて、最高のクタり具合なんだ!」
クタッてるって言うなや。あと、クタらせたのは私だ。いやまぁ、そっちでいいなら新しいソファは私が使うけどね。
ぽふりと座ると、弾けるような弾力。アームレストは程よい高さで頭を置くのにも丁度いい。
なにこれ最高じゃん! と寝転がってひとしきり堪能してからお風呂に向かった。