11:買い出し。
市場で食材の買い出し。
小さな氷冷蔵庫しかないので、なまものは週二回で二日以内に食べると決めている。
二人分だから――――と考えながら買っていると、レオが少なくないかと言い出した。
そういえば、レオには私よりちょっと多めくらいで出していたけれど、もしかして足りなかったのかな、と思い聞いてみると、そうじゃないと言われた。
「えぇ?」
「いや、休みは週一なのだろう?」
「あー。そうですけど、買い物は週二です」
いつ買い物に行くんだと聞かれたので、仕事帰りに夜市に立ち寄って帰るのだと説明した。
レオ的に、そこまでの危険性はなくとも、淑女が一人で来るには危ないと言い出した。
「そんなこと言っても、買いに来ないと生きていけませんし」
「ならば、次から私が来よう」
――――おお、なるほど!
買い物をレオに任せてしまえば、随分と楽ができる。
「その案、採用!」
レオがニコニコとしているので、採用されて嬉しかったらしい。
一回じゃお店のことがわからないだろうし、次の買い出しまでは念のために一緒に来ることにした。
「玉ねぎ、じゃがいも類は結構持つので、多めに買っても大丈夫です。あ、卵がなくなりそうなので買っておきましょう」
いろんなお店をめぐり、作りたい献立を頭に浮かべつつ食材を選んでいく。
持っていた買い物カゴが重たくなってきたのでここらへんで終了だと伝えると、レオが慌ててカゴを持ってくれた。
「む、すまなかった」
予想外に重たかったらしく、普通に謝られてしまった。
こういうところは、本当に紳士なのよね。
市場から戻る途中にある衣類店で、レオに合うサイズのものを何着か選び、下着は自分で選ぶように言った。
「寝具もどうにかしなきゃですよね」
ずっとソファで寝てるから、そろそろベッドか布団だけでも調達はしないといけない。
「どこに置くんだ?」
「んー、リビング? 百歩譲って、寝室に置いてもいいですけど……」
「うむ。家具類の調達はサウルに任せよう」
確かに、私たちだけで運んだりするのは、ちょっと大変だし、ぶっちゃけ配達の手配とかも面倒。レオの提案に頷きつつ家に向かって歩き始めた。
ある程度揃えたとは思うけれど、足りなかったらまた買いに来ればいいかな。
「レオ、帰りますよー」
出店のいい匂いに釣られ、立ち止まってしまっているレオに声を掛けると、串焼きが食べてみたいとのこと。
お財布から小銭を取り出して二本買った。
流石に食べながら歩けないので、近くに座る場所がないか探した。