7話 入学試験
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ランレスト魔法学校に向かい始めた初日。
平原の真ん中に不自然に洞窟の入り口が盛り上がっていた。
「あれが何か知ってるか」
不自然な洞窟を指さしてリヒトに言った。
「あれはダンジョンだぜ。ダンジョンってーのはザックリ言うと一番深いところに基本魔法がある洞窟のことだ。ちなみにあのダンジョンはクリアされていて、記述魔法が眠っていたんだ」
ザックリとわかったのだが、
「あんた誰ですか」
そう知らない人だったのだ。雰囲気的にリヒトの知り合いってわけでもなさそうだが。
「俺はライム・フィシスお前らと同じランレスト魔法大学の推薦試験をする者だ」
なぜ俺らがランレスト魔法学校の推薦を受けてることが分かったのかは聞くまでもない、俺らが学校が楽しみと喋っていたのを聞いたのだろう。
「君らの名前はなんなんだ。これからよろしくな」
「俺はリヒト・ハイターだ。よろしく」
「俺はジャック・ブラウンだ。よろしく」
なぜ俺らが試験前なのに余裕を持って話しているかというと、試験は固有魔法が本当かどうかを確認する程度のことだからである。それほど推薦組の固有魔法はずば抜けて強い。推薦状は魔法学校をタダで入学できるものという認識だ。
「君らの固有魔法はなんなんだ。ちなみに俺は空間魔法だ」
「俺は闇魔法だ」
と自慢げにリヒトは言った。闇魔法は攻撃魔法では昔から1強らしい。さらにかっこいい。
「ジャックはなんなんだ」
俺がここで土魔法なんて言えば、苦笑されるかもしれない。されるに決まってる。なんて言おうか。
「ジャックは土魔法だよ。固有魔法の強さじゃなく、魔法の才能での推薦だよ」
ラオムは信じてないようだ。ここで俺は中二病シチュエーションを思いついた。
魔法学校についた。
門の前に校長先生っぽい人がいた。
「推薦状を見せてください」
「はい」
白い封筒を見せた。
「試験会場はあちらです。頑張ってください」
校長先生ではなかったようだ。
「皆さんはこちらに、ジャックはあちらに並んでください」
「お前だけはぶられてる」
ちょっと笑っていた。
「ジャックは試験が違うのかもね」
並んだのだがすごくみんなこっちを見てる気がする。
俺以外の試験が始まった。固有魔法を確認しているだけだった。リヒトも練習したのかうまくできている。
「ジャックこちらです」
固有魔法が弱いから失格とかないよな。ちょっと怖い。
「あなたは固有魔法が強いという理由での推薦ではないようなので実技試験を行います。闘技場で2年生で1番強いであろうアリスと戦ってください。有効打を入れた方が勝利です。勝つ必要はないですが、善戦してください。ちなみに闇魔法です」
「闘技場とはなんですか」
「闘技場は古代の魔術師が作った死なない結界が張ってある場所です」
「ありがとうございます」
古代からある人智を超えた結界。良いですね。
俺と観客(受験生)が闘技場に向かった。
闘技場はアニメで見た通りの作りだった。ここで戦いたいと昔から思っていた。試験官は負ける前提で話していたがここは勝つしかない。負けたら凡人だからな。
「良い勝負をしましょう」
相手も勝つつもりでいるらしい。
「本気で戦います」
審判が笛を鳴らした。
俺は追尾矢を5本撃った。アリスは闇魔法で打ち消した。
「そんなものかしら」
それと同時に3個の闇玉とストーンキャノンを撃った。
闇魔法の弾速が遅い。闇魔法は攻撃力が異常に高いのかもしれない。水魔法の沼で相手の足を縛ろうとしたが、応用魔法を使えることがバレたくなかった為やめなければならなかった。攻撃は自動防御魔法で受けた。
「これで終わりよ」
アリスは自分の足から闇を出し始めた。地面を全て埋めるつもりだろう。
「これで決めます」
ドリルライナーで攻撃し、アリスの足下にアンダースピアを撃った。ドリルライナーを打ち消していたアリスの右足をアンダースピアが貫いた。
「まっまだ」
「しょっ勝者、ジャック・ブラウン」
闘技場に歓声が響いた。
解説
ジャックが思いついた中二病シチュエーションは魔法を確認するときに最大火力のドリルライナーを打つことでした。
アンダースピア土の中に1メートルぐらいの針を飛ばし相手の足を貫く技