27話 時には俺が考えた最強の作戦を話したい
「ティアはどういう作戦を考えたんだ?」
「まず距離を取りながらスロウ弾を撃ち続けます。当たったらクロウ弾を撃ちます。当たったら私の勝ちです」
「一つ良いか。距離はどう取り続けるんだ?」
「そこがどうすればいいか分からなくて、、、そこをどうするべきかを聞きたいんです」
ティアとミリスが期待の目でこちらを見てくる。俺の口から正解のさらに向こうの解答が出てくるのを期待されているようだ。
「まず、今回の戦いで距離を取りながら戦うのはほぼ無理だ。遠距離戦は諦めたほうがいい」
「相手は近距離戦が得意でティアは近距離戦が得意ではないです。遠距離で戦うのが得策ではないのですか」
「わ、私もそう思います」
「確かに、近距離戦が得意な相手に遠距離戦を仕掛ける事は正しい。だが今回の場合は正しいとは言えない」
二人は困惑していた。
「ティアの作戦は根本的な所が間違っている。相手と距離を取る、言うのは簡単だけど行うのは難しい。距離を取るのに必要なことは三つある。一つ相手の位置を常に把握する。二つ相手の進行方向を遮る。三つ相手の行動を読む。一つ目は常に探知魔法を使うと考えていい。二つ目は自然物を使う事も出来るが今回は自分の魔法で行う。ここで注意する事は相手の進行を邪魔するのではなく進行を遮るということだ。ティアが今使っているスロウ弾、クイック弾、クロウ弾はすべて線の攻撃だ。相手の進行を遮るには面の攻撃が必要だ。三つ目は、まあ経験だな。これらを動きながら行う。一応聞くが、ティアはこれが出来るか」
「出来ないです。、、、私の作戦は最初から間違っていたってことですか?」
「そうだな」
「ジ、ジャックさんならどういう作戦を立てますか?」
「俺ならわざと隙を見せて相手の攻撃を誘い、クロウ弾を確実に当てる」
「相手に先手を譲るってことですか?」
「魔法の利点を捨てるのですか?」
「二人同時に質問をするな。俺は聖と」く太子ではないと言っても分からないか。「相手に先手を譲るのに意味はあり、魔法の利点は捨ててない。相手の動きを読んで魔法を撃ち続けるのは作戦にはならないし確実ではない。ただ一回だけ戦闘経験がなくても相手の行動が読める時がある。それは相手の攻撃時だ。」
ミリスはハッとした表情をした。ティアはまだ困惑している。
「具体的な作戦はこうだ。こちらがバックステップをしながら低出力で魔法を撃つ。相手との距離が10メートルくらいになったら転ぶふりをする。相手は一気に距離を詰めてくるはずだ。その進行方向にクロウ弾と防御魔法をタイミングよく放つんだ。相手は死ぬ」
「なるほど、確かに行けそうですね」
「作戦は分かったんですけど、魔法の利点ってどこにあるんですか」
「魔法の利点は遠距離攻撃だけではない。どんな体勢であろうと頭さえ動いていれば正確に発動する、そんな利点が魔法にはあるんだ」
ティアはすべて腑に落ちたようだ。
「私、合格出来そうです」
「そうか、良かったよ。作戦の練習をしたかったら教えて。付き合うよ」
「ありがとうございます」
俺は今日が良い日だったと感じた。
ミリスとティアは試験に合格した。まあクラスで試験が不合格な人は居ないのだが。俺は合格、不合格を気にするギリギリ学生ではない。当然クラス順位は一位だ。二位はリヒトだった。学年で四人闘技大会に参加できる。推薦クラスから二人、他クラスから一人ずつ選ばれる。俺とリヒトは闘技大会へのチケットを手にしたのだった。




