25話 強者の集い
ダンジョン探索の同日の昼、とある場所で会議が開かれた。
腰に短剣を携えた二十代後半の男が扉を開けた。
目の前には脚を組んで座っている男がいる。右に魔術師の女、左に剣士の男が立っていた。
真ん中の男が威厳のある声で話し始めた。
「半年ぶりだな。今回は何を伝えに来たのだ」
A「いつも言ってるけど、話しづらいって、もう飽きたよ」
「こっちもいつも言ってるけど、そろそろ付き合ってくれてもいいんじゃない。他の人は付き合ってくれるよ」
A「自分より強い人が威圧しながら喋りだしたらビビって指摘するどころじゃないでしょ。君死神でしょ」
「俺はこの組織のボスだよ。威厳があったほうが、、、もういいよ」
死神は落ち込みながら言った。
A「今回伝える情報は二つ。一つガリス·レイヤが王族から除外する事がほぼ決定になった。つまり、もうガリス·レイヤは年を取らない」
「あれだけ実力があれば国のために一生死んでほしくないよな。なぜ王族は時間魔法の超越した人生を使って不老になってはいけないんだ?」
A「王国法に記述されていると言ったらそれまでだが、王の交代を止めないためだろうな。古い知識を持った王のままだと新しい事柄に対応出来ないのだろう。二つ目だ。光魔法の新たな使い方が見つかった。詳細はまだ分からないが、今までの速度は速いが威力が低いものと違い威力と速度が他の魔法と比べ物にならないくらい高いものだ」
「ちなみに威力はどれくらいなんだ?」
A「正確には分からないが俺でも当たったらただじゃ済まないな」
「正確な威力が分かったら教えてくれ」
A「分かってるよ。ところで俺との契約はどうするんだ。俺が待つのは今日までだ」
「あぁわかってる。契約は結ぶことにした。」
A「ありがとう」
「俺は契約を結ぶ意思を持っているが破らないとお前に証明する事は出来ない。どう契約を破らないと示せば良い?」
A「お前を信じる、て言うほど俺は馬鹿じゃない。ちゃんと考えてる。お前は知らないだろうがこの世界には契約魔法という基本魔法がある」
「はぁぁ、それはないだろ。この世界には防御魔法、探知魔法、解析魔法、記述魔法、圧縮魔法の五個しかないだろ。ダンジョンがクリアされたなんて知らないぞ」
A「君が知らない所の魔法だ。詮索しないでくれるとありがたい」
「お前が持ってくる情報はどこの筋からのものかいつも分からないが信じる事にしてる。だから詮索はしないし、その契約魔法の存在も信じる事にする。お前は俺を信用していないみたいだがな」
Aは苦笑いをした。
「では契約を始めるぞ。右手を前に出してくれ。」
死神とAは向き合って右手を前に出した。
「今から契約で俺が果たす内容を言う。次にお前が契約で果たす内容を言う。その後契約を破ったときのペナルティを二人で言う。最後に右手で握手をしたら契約完了だ。分かったか」
「分かった」
A「カトウ・ジュンヤは死神がこの島の四大国を征服するまで情報を提供する」
「死神はカトウ・ジュンヤの国をこちらから手を出さない」
二人は目を見つめた。
A「せーの」
「契約を破ったらその後一生魔力、身力の使用を禁止する」
二人は右手で握手した。
「これで契約は終わりか?」
A「これで終わりだ」
「じゃあまた半年後な」
A「ああまたな。一つ言うことを忘れるところだったよ。ジャック・ブラウンはならべく殺さないで欲しい」
「なぜだ?」
A「たぶんだが同郷なんだ。同郷には死んで欲しくないだろ」
「分からんな、だが分かった。心に留めておこう」
A「ありがとう。じゃあまたな」
ここで登場するAは模擬戦で登場したAと同じ人です。




