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中二病は異世界では役に立つようです  作者: アイス
ランレスト魔法学校編
16/29

16話 日常と非日常

模擬戦が終わってから10日程が過ぎた。

最近は朝起きたらランニングをしている。学校の敷地は広く1周30分かかる。ちょうどいい距離だ。

別に太ったから走っているわけじゃない。太ったら異世界主人公ぽくないなって思ったわけでもない。

身力を身に着けるためだ。身力がどうやったら身につくのかは知らないが、筋肉系の能力は運動したら自然と身につくものが多いと前世で学んだので走っている。

最初は、せっかく異世界に来たんだし魔法で最強になりたい、と思っていたが、今はどちらでも最強になりたいと思っている。


走った後、部屋で魔法を使い汗を流している。ただ魔法を使うといっても、土で個室を作る、水で体を洗う、下にたまった水を圧縮して土の器に入れる、生成した水を消す、土の器を窓の外に出し生成した土を消す。なぜこんなに手順が多いのか、生成した水を消すとき汗や汚れは消えないからだ。最初に体を洗った時、水と土を両方同時に消したから、床に汗が染みた。ちなみに体は拭かなくていいし、髪も乾かさなくていい。


食堂でご飯を食べたのち学校に行く。今まで実技だけだったから、授業はないと思っていたが、しっかりあった。最近はほぼ授業だ。魔法、戦略の授業は全然いい。むしろもっとやりたいぐらいだ。数学は前世の小学生レベルなので暇だがまだいい。問題は歴史、政治、地理だ。もともと頭は良くも悪くもなかったが、そこは問題じゃない。問題は熱量だ。全員がクラスで1人いるかいないかレベルの優等生のように授業を聞いている。前世でも貧しい地域の学生は熱心に取り組んでいた。なんでかは分からないがそういうものなのだろう。俺は前世の影響で授業は退屈だ。それでも一応授業は聞いている。


学校は大体3時ぐらいまである。学校が終わったら学校の図書館に行く。別にちゃんとした友達ができなかったから図書館に来ているわけではない。本が好きだからだ。この図書館には冒険譚や論文、固有魔法の取説、子供の頃に読んだ詠唱が書いてある本などがあった。いつ見ても詠唱内容の意味がわからない。


図書館でお腹がすくまで本を読んだら、食堂に行きご飯を食べる。そのまま自分の部屋に戻る。

部屋では圧縮して重くした土でダンベルや剣を作り筋トレをする。

魔法で体を洗ったのち寝る。


次の日いつも通り図書館に向かっている。図書館に向かう途中にある渡り廊下でガラスのない窓に向かって新たに考えた魔法を撃つ。2,3日に1度は思いつくので、その魔法の威力によって場所を変えている。今日は拷問用の魔法でやすりのようにざらざらした土の球を高速回転して相手に押し付ける魔法だ。

名前は「ファイルラ、、、」

ファイルラックと言う前にミリスがリンチにあっている光景が目に入った。

「もうやめてください」

「辞めるわけ無いだろ」

「今まで推薦組には腹を立てていたんだ。貴族じゃないお前らが俺らと同じ環境で授業を受ける。そんな不条理になぁ」

転生系主人公としてはすぐさま助けてヒロイン枠を確保するのが定番だが、俺は中二病だ。中二病はいかなる時も冷静沈着でクレバーでなければならない。

俺にもまだ情がある。だが真の中二病になるには情を捨てなければいけない。ここはかわいそうだが、情を捨てる訓練のため、見なかったことにさせてもらう。


次の日

今日は昨日のファイルラックを火魔法で高温にした魔法を試す。名前は「ファイヤーラ」

ファイヤーラックと言う前にミリスがリンチにあっているところを目撃した。

今日も情を捨てる訓練のため、見なかったことにした。何かが情に訴えていたが気にしない。これも真の中二病になるためだ。


次の日

今日もミリスがリンチにあっていた。ストーンキャノンを撃ちかけたがなんとか情に勝った。


次の日

ミリスは学校に来なかったが、同じ場所でリンチにあっていた。今まで俺の情に訴えかけていたものが何かわかった。これはリンチじゃない。いじめだ。

俺も前世ではいじめにあっていた。何日も何日も受けていた。俺はいじめだけは許すことはできない。俺はミリスを助けに窓の外へ飛び出した。




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