11話 模擬戦2
11話ありがとうございます。
ベンとライムだ。
ベンは強化魔法だ。
強化魔法は何を強化出来るかによって強さが変わってくる。強化魔法自体を強化できたら最強格だろう。この世界で出来るかは知らないが。まあ長期戦にはならないだろう。
「はじめ」
ベンがライムに向かって走っている。肉体を強化したのだろう。速さはシュバルトより少し遅いぐらいだ。
ベンがライムを殴るあと一歩のとこでベンが地面に沈んだ。いや空間魔法で10メートル上空に飛ばされた。ベンの下には空間魔法が残っている。20回くらい落ち続けたのち、地面と衝突してベンは死んだ。
次はレオとリヒトだ。
レオは充璧魔法だ。この魔法は強いから推薦をもらえたわけじゃない。初めて授かった魔法らしい。その魔法を研究するために推薦が与えられた。つまり被験体ってことだ。
ルトも被験体で世界魔法だ。
「はじめ」
リヒトは黒い霧を出した。中でレオの悲鳴が聞こえた。霧の中からリヒトと血溜まりだけが出てきた。
あれが闇魔法か。ダークミストで相手の視界を奪い、ダークマターで相手の体を消し去る。やはり強いな。闇魔法が昔から強い理由の半分はダークマターにある。あれは触れた物質を無条件で消す。対抗するにはエネルギー系の攻撃をする必要がある。つまり、闇魔法には剣士はおろか魔法使いでも触れることが難しい。
闇魔法が強いもう半分の理由は入学試験の時に見た闇玉通称ダークボール、弾足が遅いがトップレベルに威力が高い。ダークミストが霞んで見えるほど闇魔法は強いのだ。
あの状態からでもレオは蘇生できるのだろうか。肉体がほぼなくなっている。あるのは血溜まりだけだ。
今までシャルのように切れている状態ならくっついて蘇生がされ、ティアのように1部が跡形もなく消えていたら生えるように蘇生された。レオはくっつけることもできず、生やそうにも生やす元がない。
そんなことを考えていると今まで死んだ人を蘇生していた魔術師が虚空に手をかざした。心臓を中心にしてみるみるレオが現れた。リヒトもほっとした顔をしていた。
次はミナとフローラだ。
ミナは斬撃魔法だ。
フローラは動力硬化魔法だ。火や雷などのエネルギーを物質に変える魔法だ。
「はじめ」
ミナは斬撃を飛ばし、ワンテンポ遅れてフローラが硬化した雷を放った。先に雷がミナに着弾し左手が弾け飛んだ。フローラは雷の硬化を解除し、斬撃を防御魔法で防ぐ。雷で痺れているミナの心臓を硬化させた雷で貫いた。
次は俺とシュバルトだ。
シュバルトの速さは厄介だが、刀を召喚してすぐ間合いを詰めてなかった。
ここから考えられる可能性は3つ、ただ慎重なだけか、身力は思考を加速できず弾が見切れないか、身力の強化を足だけに使っているかだ。まあ、どれにしてもすぐに詰めないことだけ分かれば十分だ。
「はじめ」
シュバルトは3本の刀を召喚した。1つは自分で持ち、2つは俺に向かってきている。少し予想外だがシュバルトは待ちの構えで、刀はあまり速くない。俺はドリルライナーを撃つ素振りだけ見せている。
「土時雨」
今の言葉を合図に無数の小さいストーンキャノンがシュバルトに向けて放った。1度避けたが曲がる時の減速時に弾が当たりシュバルトは蜂の巣になった。足だけは穴が空いていなかった。
次はエリナとリアだったが、エリナが魔力切れで棄権したため、不戦勝でリアの勝ちになった。
次はライムとリヒトだ。
リヒトはダークミストを出した。その黒い霧の上でライムが落ち続けている。
周りから「あいつ何やってんだ」と言われている。俺は1人で何やってるんだと思っている。
黒い霧が晴れた瞬間に空間魔法の出口が横向きになっている。落下して貯めたエネルギーでリヒトに殴りかかった。がダークマターが間に合う。
「見えてるよ」
その瞬間ライムは後ろにいた。
「フェイントだぁーー」
拳がリヒトにあたり吹っ飛ぶがそれと同時にライムの体が半分消滅した。
みんなが興奮して「すげー」と言っている。
この試合は天才を主人公が戦略で1撃入れたが惜しくも負けてしまう。そんな熱い戦いだった。
だけどさっきの俺の試合もこれくらい盛り上がれよ。強者を真の強者が圧倒するみたいでカッコよかったじゃん。
「人気か、これが人気者とそうでないものの違いか」
そう1人でつぶやいた。
解説
サンドアーム 右手の動きに合わせて動く砂の手を出す。大きさは変えられる。
土時雨 発動中は小さなストーンキャノンが常に生成され対象の半径1メートルをランダムに乱れ撃ちにする。
(完全ランダムにはできなかったので、1発目は対象のここに飛んでいくって感じに設定されている。)




