22.滅亡させよう!
“やり直しませんか”
それはある日のこと。地上はゾンビたちによる楽園と化し、見守る私が虚無感を覚えた頃です。
作ってしまえば壊したくなる。創造とは作って壊すの連続ではありませんか。私が作りたかった星は、そもそもゾンビの星でしたか?
※このお話は、
「神様わたしの星作り chapter One」の続きの物語です。
前話を読んでいなくてもお楽しみ頂ける内容ですが、
もし、よろしければ、そちらの方も読んでみて下さいませ。
↓では、続きをどうぞ↓
秘書的な位置にいる言神さんは頷きました。
“良いんじゃないでしょうか”と。
夜を見守る夜神さん。愛を司る愛神さん。彼女らもまた許可をくれます。
前者は“好きにすれば”と。
後者は“やっちゃえ~”と。
テンションの違いはあれど無責任さが似通う二人。結構相性は良いはずです。
日の出の地上を見守りながら私は息をつくのです。
灯台やら船やら教会やら遊園地まで。ゾンビさんたちは協力して色々作りましたね。
私は気まぐれに風を吹かせたり、時々嵐を起こして、もてあそんだだけですよ。
それでもゾンビさんたちは大怪我をしながら学ぶ。大きな病院を建てよう! などの前向きな進歩。それを発展に繋げたのです。
転んでもタダでは起き上がらない。
創造神である私は、彼らが怖くなりました。
不死身であることも奇妙でした。
子孫も増えていくばかりでそれも恐ろしい。
“やり直すというのは具体的にどうしましょう?”
言神さんが賢く全体に問いかけます。
私の頭にはもう悲惨な制裁しか思い浮かびません。不死身なゾンビさんを全滅させるには、生半可な手段では効かないと思うからです。
“水に流しちゃえば?”
それは愛神さんの提案でした。地上では、私の次に崇拝される人気のある女神です。『愛』の象徴なんですから。
“……い、良いんですか?”
“やっちゃお、やっちゃお”
愛の女神……さっぱりした性格、嫌いじゃないですよ。初対面では動揺したけど、もう慣れたし。
こうして神様わたしは再始動します。
いざ殲滅。新しい世界を作ろうではありませんか。
(((次話は明日の朝5時に投稿します
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