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第三話 「歓喜の歌の始まり」

フロイデ!!フロイデ!!

 周りに転がっているのは原形をとどめない機械類と、肉塊。

 わずかに残る残留思念からは無念さと感謝が読み取れるがそれらの読み取りは後に回し、周りの安全を確認しながら現在の状況を死体に含まれる魂としての概念から読み取る。


 基本的に概念的な存在である私・・ハイゲラーは物質化された脳の能力と概念的な存在に宿る本質的な情報処理能力が変わらない。

 つまりは一世代前のスパコンsummitを常時所持している状態と等しい情報処理能力をもっているのだ。

 すぐさま状況確認をすると周りの武器を選択。持つのはゾロターン S-18/100のような対物ライフルであるウェルダン20と魔磁銀(ミスリル)でコーティングされた盾。


 ちなみにだが魔法による優位性のない魔族が人族の超巨大かつ残忍な魔法に対抗する物質の一つとして有効な鉱物、魔磁銀(ミスリル)は魔力による事象改竄の時空波を読み取り関連する物質情報を消去する。


 壊れた塹壕を転々としながら全速で残存戦力が集まる戦場へと向かう途中、おかしなものを見た。

 火縄銃である。


 敵である人間族の主力的な武器は火縄銃なのである!!

 何たる驚き、桃ノ木、山椒の木。たしかに魔法さえ発達すれば遠方に対しての点攻撃しかできない銃は必要なかろう。だが魔族の主力武器は第一次大戦末期のものが大半である、下手すれば海軍は二次大戦末の大和型級の戦艦を保有しているというのに・・・


 そんなどうでもいいことを考えていると概念的な情報波を感知した。これは走馬灯などを見る際に物質的な脳の能力では足りない部分を間もなく完成する魂という概念の本質的な情報処理能力で補っている証拠である。


 すぐさまスコープを除きあと100メートルと迫った残存戦力の奥を確認する。

 あったのは巨大なカタパルト、まあカタパルトとはいっても近代空母に積まれているような蒸気や化学反応を応用した高い技術のものでなくテルマエロマエとかそこらの時代にGのように出てくる「ローマ帝国」時代のものだがな。


 そこから発射されたのは死をつかさどる神代魔法、まあ地球でいう環境にやさしい核爆弾が詰められた砲弾。これによって残存戦力は走馬灯を見るぐらい絶望しているのだろうが・・・


 大丈夫だ、問題ない。

 微調整を0.07秒で終了し発射、偏差に関しては300回計算したのでほぼ問題ないだろう。


『ガァァァァァァン!!!・・・・・キンッ!!ドーン!!』


 鳴り響く守護神の雷。

 せっかく助けてやったというのに残存戦力は全員ぽかんと上を見上げて死を待っている。

 ここまで来て自分の予定を崩されるのは耐え難いので大声を出して知らせようとしたが届くわけがないと気がついたので持っていた増幅器(これは偵察指揮所にて拾ったものだが識別信号を搭載している方向にのみ音波を増幅させる伝達専用の優れものだ)で


「馬鹿め、狙撃して術式を破壊しても基礎術式の爆裂式は来る。全員!!身体強化及び盾構えろ。衝撃による砂煙が立っている間に伏せながら統制射撃!!」


 と叫びながら敵陣地を観察する。


 どうやら今さっき打ち込んだ神代魔法によって敵軍が崩壊したと見た人族の阿呆共は安全確認もせずに塹壕の中から飛び出してくるようだ、これだから近代的な武器を持たない軍隊は全滅しやすいのだ。


 

 残念ながら残りの処置は私がやらないほうが良いようだ。先ほどまでの悲観的な雰囲気などどこにもなく今魔族の士気は最高潮に上がっている。

 残存兵力約9万はここに守備隊として残すとしても隊長や兵からの政治的支持はこれから魔族の国を整えるための重要な布石となるだろう、演説を繰り返し頭に愛国心を刷り込むことから始めたいな。


ーーーーー3日後ーーーー

「わが魔族がこのまま蹂躙されるべきではない。永遠なる帝国はそなたら帝国臣民の自由と安全と永続的な幸せをもたらす。今こそ私を支持したまえ!!貴様らは弱虫ではない、負け犬でもない、不死鳥のごとくよみがえる永遠的な神獣なのだ!!」


『パチパチパチパチパチパチ!!!!』


 ここはハイリン最終防衛ライン軍駐屯基地。

 3日前まで逃げ隠れし、塹壕の中に形式として残っていた各部署は今や鉄筋コンクリート製の地下空間にてそれぞれが精力的に活動を開始していた。

 なんてことはない、あの後神代魔法によって破壊された旧駐屯塹壕に戻りそこに開いた大穴にふたしただけのおてがる地下空間である。


 今や兵士の命を救ったことと悪魔的な才能を持つ私の演説によってハイリン最終防衛ライン軍は練度が高い私直属のss(親衛隊)と化し、本国からの支援者も今日来る予定であるため今回の演説が最後だ。

 しかし、ヒトラーとしての私もそうだったが初期より自分を辛信望ていた部下は扱いやすく将来優秀となりやすいので時々ここを訪れるのも良いかもしれぬ。


「総統閣下。

 つぎにやることは国内の整備ですか?それとも反抗作戦を?」



「いや、レーヴェルくん。つぎは国内の軍事産業のご機嫌取りをしなければいけない。

 あと3時間後に臨時政府のものどもが祭り上げのために来るのだろう?きみも一時的に首都に移る準備をしておきなさい。」


さあ、千年帝国樹立に一歩近づいた。

シュテート フォア ゴッド!!


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