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求血記  作者: 香双狐
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第二十話 リベンジ

それぞれに様々な悩みを抱えるクザスら蚊人(ぶんじん)幹部達。悩んだ末、各々次の行動に出る。

また盛弥達も、協力を渋る常長を説得し、オニコと共に強化体を救うための次への一歩を踏み出す。

そんな中、盛弥達のパトロールとブドラの行動が重なり、夜の公園で衝突する。果たして、どのような結果になるのか?

 オニコは、必殺技を会得すべく、訓練で使う空き地に来ていた。

「魔力を剣に乗せたらどうなるかな?」

魔力の流れが、剣に向かうようにイメージすると、オニコの中の魔力が剣に乗る。すると、いつもは黒い刀身が紫色を帯びる。その状態で試しに藁人形を斬ってみると、まるで豆腐を包丁で切るように滑らかに斬れた。

「おおぉ…すごい!けど、魔力をだいぶ持ってかれる…セーヤに貰っても足りるかな?今まで以上に枯渇しそう…。」

この斬撃は、刀身から魔力を少しずつ放出する事で、対象を斬りやすくする為、魔力自体は放出しっ放しということになる。どれほどの消費ができるか考えていると、盛弥がやってきた。

「オニコ、ご飯にしよう。どうした?」

考え込むオニコの様子に、盛弥が問いかけてくる。

「ん?セーヤ、魔力ってどれぐらい吸ってもいい?」

盛弥にしては、唐突な質問で頭がこんがらがるが、とりあえず答える。

「あんまり持ってかれると、俺も戦えなくなるな。具体的な量までは分からんけど。」

とりあえず、ご飯を食べながらにしようと家に戻る。盛弥の作ったチャーハンを食べながら、話の続きが始まる。オニコは、考えて試してみた事を話す。それを聞いた盛弥は、とある案が浮かんだ。

「オニコの剣ってさ、それだけでも幹部の岩を砕けるぐらいの性能は持ってるから、強い相手とやる時に、雷で加速しながら魔力を剣に乗せて斬るといいんじゃない?斬る時だけ魔力を流せば短時間で済むと思う。」

それを聞いたオニコは、確かにという顔になると、満面の笑みを浮かべた。

「ありがとうセーヤ。今度やってみる。」

 その今度は、意外と早かった。翌日の夜、駅に集まったのは、これまでのメンバー4人に加えて2人。記録担当の彩子と常長だ。2人は、ビデオカメラを持参し出来るだけ目立たない格好で来ていた。盛弥達が戦っているところを、隠れながら記録してもらうためには、この方が都合がいいだろうという眞利の提案だった。全員集まったところで、戦闘班と記録班に分かれて行動する。戦闘班の4人がしばらく進んで行くと、駅前の商店街を抜けた広場にさしかかったところで、先頭のオニコが歩みを止めた。

「来るっ!」

オニコは、反応を察知した方に跳ぶと、上空で先日戦った強化体Gのドリルを受け太刀する。双方一旦間合いを取ると、強化体Gの弾丸が飛んでくる。するとオニコは、ローブで防御し大太刀を握り直してポツリと言葉を発した。

稲妻強斬撃(ライトニングパワー)!」

雷の力で加速したオニコは、弾丸の間を縫って瞬時に間合いを詰め、魔力を乗せた斬撃を繰り出す攻撃を何度も浴びせた。強化体Gは、攻撃されてる間は手も足も出なかった。

「やべぇな、あいつ。」

盛弥が感想を漏らす後ろでは、奥野が唖然としている。その時、2人の左手に人影が降り立った。

「また貴方達なのね。ちょうどいいわ。私は、蚊人(ぶんじん)幹部のブドラよ。前回は痛み分けみたいな形になってしまったけれど、今回は全員潰してやるわ。」

「いきなり名乗ったと思ったら、流暢に喋りますね。」

後ろから奥野が小声で話してくる。

「まあ、喋らせとけ。俺が必要最低限だけ話してみる。」

同じく小声で返すと、ブドラに向き合って正面から相対する。

「あら?やる気かしら?いいわ。前回とは違う事、教えてあげるっ!」

盛弥の態度にイラっと来たブドラは、手をピストルのような形にすると、指先から水の弾丸を連射してくる。どうやら会話は不要なようだ。盛弥は、腰に巻いたホルダーから左手で銃を抜き取ると、ブドラに向かって引き金を引く。すると、緑色のペンキのようにも見える塊がブドラめがけてとんでいく。盛弥が新しく習得したのは、剣を投影する延長線上で銃を投影し、そこから魔力自体を弾丸として放つ魔法である。魔力投射と名付けた魔法は、魔力を放つという行為の割に魔力消費は少ない。盛弥が放った魔力の弾丸は、ブドラが連射した水の弾丸を全て吸収して爆ぜる。その現象にブドラが驚いている間に盛弥が距離を詰める。右手に片手剣を投影し、ブドラの左肩から斜めに斬りかかる。しかし、それで簡単に斬られるブドラでもなく、手から水流を出して盛弥の周りを囲む。

水流障壁(ハイドロバリア)。」

水の壁に囲まれた盛弥の攻撃は、壁に阻まれて届かなかった。その様子を後ろで見ていた奥野は、手にした刀を握りしめると、深呼吸で心を落ち着かせ、魔法発動の機会を伺った。目の前では、ブドラが盛弥を閉じ込めた水の壁に穴を開け、手から出した針で攻撃を繰り出そうとしている。

「ここだ!」

自分が確実に攻撃を当てるタイミングだと感じた奥野は、盛弥を囲む水の壁とブドラの間に駆け寄ると、大きく振りかぶった刀を振り下ろす。

氷破壊(アイスブレイク)!」

急激に凍り付き、氷の刃となった刀でブドラの手を切り裂く。ブドラは、左手を斬り落とされた痛みに顔をゆがめる。障壁の維持が途切れ、盛弥が解放される。盛弥は、ブドラに銃口を突きつけると、表情一つ変えずに引き金を引いた。

「散れ。」

盛弥の魔力がブドラに当たり、体内を駆け巡って心臓に達する。盛弥が魔力のコントロールを破棄すると、ブドラの心臓内で魔力が爆散し心臓が体内で破裂する。

「うっ・・・!」

ブドラは、口から少量の吐血をすると、倒れこんで息絶えた。

「やったのか?」

「みたいですね。どうしますか?」

奥野が、絶命を確認して盛弥に尋ねる。

「血だけ抜いておこう。役立つかもしれない。それよりオニコだ。」

盛弥の視線の先には、いまだ強化体Gを圧倒するもいまいち決めきれていないオニコの姿があった。

お読みいただきありがとうございます。

引き続き、本作を気に入っていただけた方は、ブクマや評価等よろしくお願いします。また、感想も感想欄や作者名のTwitterで受け付けていますので、宜しければお聞かせください。

それでは、今後とも鋭意更新していきますので、よろしくお願いします。

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