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001 Hello World!

3話目です。

ようやくスタートした感じが出てきましたね。

 新世界歴1万9286年、ラースアルメ大陸、レグリア地方、アルクケーデ王国………っとあったあった。


「アルクケーデ王国は、ラースアルメの南東に位置する国家であり、世界最大の図書館を有する事で有名である………か」


 ここはアルカンシェ、

 まぁ何やかんやあって俺が転生した先の世界だ。

 普通に人類は生息してるし、

 俺が危惧したような事も無かった。

 転生してから10年くらいの月日が経ったがアイツはまだ見つけれていない。

 というか、本格的に探し始めるには10年ではまだまだ遅すぎるというものだ。

 俺が転生したこのアルクケーデ王国はこのアルカンシェでNo1の蔵書量を誇るアルクケーデ大図書館という図書館が存在する。

 そのお陰で俺はこの星、ガイアについての知識をかなり知ることが出来た。



 奇妙な事に単位は地球と殆ど同じ単位が使われている。

 例えば1秒だと「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移により放射される電磁波の周期の9192631770倍に等しい時間」だし、1メートルは「真空中の光が1秒間に進む距離の299792458分の1に等しい距離」だ。

 まぁ、恐らく地球からの転生者か転移者かのどっちかが広めたのだろう。

 賢者とか言われる人物クラスでない限りセシウム133の意味すら知らないのでこの世界で産み出された説は限りなく低い。

 さらに、この星の1日は28時間12分13秒なんて言うクソ微妙な数値だ。

 この星で単位が生まれていたら間違いなくこんな数値にはしない筈だと思う。



 ちなみに、月という考え方は存在しない。

 季節は1年を通して暖かく季節なんてないし、

 夜には月どころか星1つさえ登る事は無い。

 一年は451日らしいがこれも恐らくこの星の人類が調べたわけではないだろう。

 この星の人類にとって太陽、つまりアルマは「神」らしい。

 地球上でも似た考え方は有るが太陽そのものを神として崇める宗教なんてものは極々少数だろう。

 地球から来た俺にとってアルマは神ではなくただの恒星だ。

 時々、人間の姿に化けて地上に降りて来るらしいが誰も姿を見たものは居ないそうだ。

 そりゃ、当然だな。


「ルシェ様、そろそろご夕飯の時間です。

 お戻りになられた方がよろしいかと」

「ありがと、ウルル」


 そうそう、俺のこの世界での名前はルシェリエス=リッデ=アルクケーデという名前だ。

 大層な名前だと自分でも思うがが実際に大層な身分で、公爵家の次男なんて言う俺には勿体ない立場だ。

 多分、あの光の球が便宜を測ってくれたのだろう。

 平凡な村人とかに生まれるよりは断然こっちの方がいい。


「父様、お仕事お疲れ様です」

「おお、ルシェよ……どうやらまた図書館に行っておったのだな?

 勤勉なのは結構だが、年相応に遊んでいても良いのだぞ?」

「僕は将来魔導学を専攻するつもりなので今のうちからやっておくといずれ役に立つと思います」


 魔導学というのは、新たな魔術の理論を構築したりする学問で魔術系の学問の中で最も難しい学問らしい。

 確かに、難しい学問だが魔術や異能の類がない異世界から来た俺にとって魔術はロマンの塊だ。

 普通の勉強をしろと言われてもお断りだが魔導学だけをやれと言われるのであれば話は違う。


「アルアもルシェのように勤勉だったら良かったのだが………」

「兄さんは、兄さんですからね」

「お疲れ様です、父さん………俺の話ですか?」

「お前も遊んでばかり居るのではなく、ルシェを見習って勉学に励むように」

「う、うへぇ………でも俺も最低限はやってますよ」

「本当かどうかは怪しい所だな……」

「し、信じて下さいよ」


 アルア兄さんは前世の記憶を持つ転生者では無い純粋な人間だ。

 そんな人物が現世の記憶というチートを持っている俺と比べられるのは少し同情するがまぁ、仕方がないというものだ。

 それに、俺も前世の記憶を使いまくって文明を急速に発展させることなんて出来ないからむしろ窮屈さを感じている。

 この世界の覇者はあくまでも「ドラゴン」なんだ、人間がどれだけ束になろうともドラゴン一体狩るのが限界だ。

 そんなドラゴンが数億と居る世界がこの星なんだ。



 この世界では科学を発展させることは禁忌とされている。

「ドラゴンは高度な文明を嫌う」これはドラゴンに着いてのありとあらゆる事を記してある有名な本、「全竜大全」の最初の1ページ目に書かれている1文だ。

 今までの発展して、高度な技術を手に入れた全ての文明をドラゴンは例外1つ無く完全に滅ぼしている。

 神話時代の超科学文明も、超魔導文明も全てドラゴンによって滅ぼされたというのが定説だ。

 俺がもしも、この知識を手に入れる事が出来ない様な普通の村人とかに生まれていた場合は科学を広めて投獄されていた筈だ。


「ご馳走様〜、じゃあ俺もルシェに習って政治でも勉強するかなぁ………父さん、図書館の閲覧許可くれませんか?」

「おお、もちろん構わんぞ。ウルル、着いてってやれ」

「かしこまりました。アルア様どうぞこちらへ」

「それと、少し話があるのでルシェは残りなさい」


 話? 父さんがなんか真面目にしてる時は大抵録な事じゃない。

 また、何か面倒臭い事が起きるに違いない。


「父様、なんの様です?」

「勉学に励むのは良いのだが、少し別な事もやらせて見ようと思ってな………今月からお前に小遣いをやる事に決めた。

 既にお前は、10歳という若さながら大学でやる様な事まで手を付けていると聞いた。もう無理に勉強をせずとも良いと判断した為だ、少しは年相応に遊ぶが良い」


 お、おおお?

 面倒臭い話かと思ったら寧ろその逆じゃねぇかよ!


「具体的にはどのくらい貰えるので?」

「アルアと同じく、1週間に10万ルル程度で考えている。

 最初のうちは無駄遣いして金の使い方を覚えるが良い。

 そうだな、最初は自分専用の奴隷でも買って見てはどうだ?」


 10万ルル………10万?マジで?

 日本円にするとだいたい、300万円か?

 それだけあれば夢にまで見ていた錬金術が始められるぞおい!


「は、はい……分かりました、ありがとうございます」

「うむ、話は以上だ。明日の朝ウルルから受け取るが良い」


とりあえず、父さんの言う通りに奴隷買うか………

俺は星一つ無いこのアルカンシェの夜空を見上げながら自分の部屋に戻って行った。

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ノベルバにも連載中で、こちらの方が更新が早くなる予定です。 こちらから飛べますのでもし良ければよろしくお願いします。
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