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The End

その日を境にOと会うことはなくなった。

彼女からの連絡が無くなったのだ。初めのときを除いて、基本的に私から彼女に連絡することは殆んど無かった。しかし、長く連絡がないのは心配には感じていた。最後にあったときの彼女のことを思えば尚更に不安に思っていた。

今考えれば連絡をするべきだったのだ、しかし、当時の私は彼女に固執するのが怖かったのだ。正直に彼女を愛していたし、側にいたいとも思っていたのに。きっと私は感触のない彼女に惚れていたのだろう。それは神秘とミステリアスのロマンを助長させていたのだ。

 私は順序が違うのであろうが、父親に彼女のことを尋ねた。

「国へ帰ったんだよ。若い子だからうちの会社に居続ける理由もなかったのだろうよ」

国?違和感のある単語だった。

「彼女は何処の国の人だったの?」

「ルーマニア」

ルーマニア?いったい其は何処であろうか?

父は続けた

「元々彼女はルーマニアのために働きたいと言っていたから、ほら、あの国は混乱しているだろう?元東側の国だからね」

彼女がルーマニアであれチェコであれ国のため、世界のために働いているような人間には私には思えなかった。彼女はあくまでも自分の人生のために生きているのだと私は感じていたのだ。やはり感触もない。私は彼女についてなにも知らなかったのだ。

「もう彼女はルーマニアへ帰ったの?」

 「さーな、でもなんでそんなに彼女のことが気がかりなんだ?」

 「お似合いだったからね」

そう、親父と彼女の不埒な関係は、一定の不純な世界においては完成されていたように思う。

私と彼女の関係はもっと純粋で神秘的なものだと私は祈っていた。

 「バカいうなよ」

親父はそういい、私は最後に気がかりな質問を投げ掛けた?

「彼女はもしかしたら、妊娠でもしてなかった?」

父親は

「そういうのはちゃんとしていたよ、今は便利な時代だろ」

 私は 父親の発言に些か無責任を感じた。

そして、煙草に火を着けた。

「おい、家で煙草吸うなよ。

 お母さんに知れたらどうするんだ」

父親の口調は強めだった。

「もし、彼女が妊娠していたとすれば僕の子かもしれない」

父親は一様驚いた風だった。

 「お前、もしかして?」

「僕は貴方がなにも知らなかったとは思っていませんよ」

 そして私は煙草を灰皿に強く押し潰した。強く強く憎しみとよくわからないものを込めて。

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