おうちへ帰ろう
疲れに疲れた世俗からの帰り、俺は帰宅すべく自宅の玄関の前に立っていた。俺には帰る場所があるのだ。
…………。
自宅「ご飯にする? お風呂にする? そ・れ・と・も・私?」
俺「先ずはお前だな」
自宅「うふふ、知ってた」
ふふ、可愛い奴め。
俺はズボンの中から鍵を取り出して、焦らしつつも鍵穴に差し込む。
凶悪なギザギザを身に宿す硬く長さのある突起。それは使い込まれた光沢を放っていた。経験回数は数千を越えるだろう。
まさにヤリメタル。
それを刺された鍵穴がどうなるか? それは余程小さな子供でなければ経験があるだろう。
最奥まで一気に差し込まれた自宅は「ん゛っ……!」と言う金属音をひり出した。
まるで、そうなるようにピッタリとフィットした鍵と鍵穴は運命を物語る。
貝合わせの貝。目玉焼きに醤油。
かの様な“これしかない”組み合わせ。
最高の出会いに火花が飛んだ。
そして、正常位から松葉崩しに至る様にぐりんと体位を変換する。
「ずりゅっ」と音をたてて、中の機構のボコボコが艶かしく動く。するとその挿入が穴の中を刺激して、鍵内物質が発生し、その鍵内物質が鍵に作用する。
それにより硬く強張った扉はゆるみ、身も心も脚も優しく開いていくのだ。
自宅「あっ、軽く空いちゃったかも」
俺「じゃあ開けるね」
自宅のドアノブへと手を伸ばす。
自宅「ん……あったかい……」
俺「こんな遅くまで俺を待ってくれてたんだな」
自宅「寒くなってきたから早く入って、風邪引くよ」
俺「そうだな」
俺は玄関にドアを開けて自宅の中に入る。
そして、空間が螺曲がり、自宅もかの体内である自宅へと足を踏み入れる。
自宅「お風呂は食後にね!」
自宅は自宅の中をスリッパを履いて走っていき、リビングへと消えた。食事の準備に向かったのだろう。
いつもと違う日常。何故こうなった?
自宅の作った食事を自宅と2人で囲む。
いやに豪華な気がする。
箸が勝手に……。
俺「……うまい」
自宅「でしょ? 今日はとくべつ」
自宅「とくべつだからね」
大事な事なのだろう。
そして時は経った。
俺が自宅と自宅に囚われて20年。
幸せながらも無機質な自宅と送る生活は何処か虚しい。
普段はポイント見ないのですが、たまにはランキング乗りたいので御評価くださーいませ。少しだけ私のやる気が出ます。
世界に良い歯車です。




