桃由の指摘
「ねぇねぇ。ねぇ。…徠奈ったら!」
桃由が私に話しかけている。
「今トー◯きゅんがかっこいいところだから私に話すことは認めん。」
「徠奈って街鹿が好きなの?」
「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
クラスのみんなが一斉にこちらを振り向く。あ、すみませんナンデモナイデスって顔をして、桃由に向き直る。
「ちょっと、桃由それどういう魂胆からそんなこと言えんのよ」
「魂胆って…」
桃由はちょっと苦笑して、本日5回目のため息をついていう。
「目で追ってるよ((「うゎあああああああああああん」
「どうした、徠奈!またキャラ揺れてんぞ!」
いや、そりゃ揺れますわ。
「それはない!追う様な覚えは…」
桃由は本日6回目のため息をついていう。
「無意識って…あんたもう観念しなさい、落ちちゃってる。」
確かに、私が好きなクールキャラではあるが。
「どー考えても、違う!違うったら違う!」
「あんたツンデレだもんねー」
「何その棒読み!ツンデレキャラはこのシリーズで言うところの◯琴ちゃんだぞい⁈」
「それは知らんが、まぁ応援する。」
「勝手に解決すんな!」
私が好きなのはこのとあ◯シリーズでは男子キャラは一◯通行サマとか土◯門にゃーとかが好きなんだ!断じて…断じて…!
あぁもう腹がたつ!
なーんてさ。
わかってたよ。
目で追いかけてるのも地味に気づいてた。
気づかないふりしてただけ。
でも、私オタクだもん。
オタクだよ?
現実に恋するって、ん〜。
でも、認めた方が良いかもしれない。
あの涼やかな瞳や、
サラサラした前髪とか、
クールかと思えば私に少し絡んでくるSな性格とか、
声とか、
–––––––もうこの時点で弁解はあきらめたほうがいいのかも、と私は思った。
だってだってだって、この気持ちに名前がついてしまった。
わからない様に目を背ける様にしてきたのにさ。
「言っちゃったら、意識してしまうじゃないですの…」
「そういう言葉遣いで言われると、本気かどうかマジでわからない。」
言われちゃったら、意識しちゃって困るんだが…
次は、明かされる真実です。