表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

よくある日常

「よーしじゃあ4月の長期休み開けテストを却す!」

そういった理科の先生に対する反応は、皆同じ様なもんで。

「ええぇぇぇぇ⁉︎」

「今回のテスト、絶対悪い」

「神様仏様…」

みんながそんな事を祈る中、私は表面上落ち着いていた。

全然余裕なのかって?ううん、違う。


"十二使徒、降臨せよ。

我に希望を与えよ

我敵「テスト」を打ち負かす力を!

我に与えよ!"


心の中でいい終わり、ふぅ、と溜息をつくと、後ろの席の女子______桃由(もゆ)が後ろを振り向いて言った。

「なに、自信たっぷりって感じじゃん」

私は、えへっ、と笑って答える。

「たしかに桃由よりはいいって言えるけどさぁ…」


そうこうしている間に、テスト返却の順番が回ってきた。

草加部(くさかべ)徠奈(らな)ー。_____今回もいい点数だ。弛まず努力する様に。」

98点。いい感じじゃない。

私は緩む気持ちを極力抑えて席に座った。

「徠奈ー。_______おおっ。流石徠奈だね」

「それほどでもないよ」

私が答えると桃由がほおを膨らませる。

「あたしなんか51点。_______あああ、あたしも徠奈みたいな点数とってみたいやぁ」

「桃由も頑張ったらできるよ、こんな点数とったって毎日は変わんないし。

というかさっき十二使徒_______ペテロ・アンデレ・ヤコブ・ヨハネ・ピリポ・パルトロマイ・トマス・マタイ・アルバヨの子ヤコブ・タダイ・シモン・イスカリオテのユダに祈ったからさ。」

「徠奈、あんたそこ直せば良いのに…」


打ち明けよう。

私、草加部(くさかべ)徠奈(らな)は二次オタ…つまり二次元オタクだ。

とあ○シリーズとか(だから聖書好き)、ボカロの〇〇プロとか…毎日〇コ〇コにいってるとおもう。うん。


でも。


まぁ自分で言うのもなんだが、体育以外成績は5_______優秀な子。

定期テストでは一位か2位しかとったことがない。


クラスでは、真面目子って思われていて、なかなか友達も出来なかった。

そんな私に声をかけてくれたのが桃由だった。

桃由はオタクでもなんでもない_______いや、アイドルに興味のある中2。

よくあるよくある、ふつうの中学生。

中身を知らなければ、私だってそうだ。


「くーさかべー。おお、98点かー。一回そんな点数取りたいわー」

「邪魔。うっさい。人の点数勝手に見んな。」


ほら、クラスの男子たちがまた点数をききにくる。

一年の時と変わりない。

なんなんだこの日常は。


誰か。

「私を非日常に放り込めよっ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ