山小屋
【12月12日00:02】
山小屋の灯りが消えてあたりはすっかり暗くなった。今いる木陰にランプを置き、素早く山小屋に近づき扉の横に張りつく。すると、少し遅れて中の様子を探っていた部下が隣にきた。
「ターゲットが寝ているベッドの両隣のイスに護衛が座っています。右のやつは仮眠をとっていますがもう左はしっかり起きているようです。」
「護衛の武装は?」
「両方ともナイフのみです。防具も商人のフリをするため着けていないようです。」
どうやらこの極秘の逃走がバレたときの対策はしていないらしい。1番簡単な暗殺任務になりそうだ。
「わかった。お前は裏口から侵入して後ろから左のやつを殺せ。俺は右を殺る。」
「了解しました。」
「よし、お前にあわせる。行け。」
部下が無音で移動する。俺はゆっくりとナイフを抜き、ギュッと握りしめいつでも侵入できるように扉に手をかける。それから数秒後、中からかすかに液体が滴り落ちる音が聞こえた。今だ!素早く扉を開け、大股で、それでいて音のしないように侵入する。事前に間取りは調べた。暗闇に迷うことなくスピードを殺さずにベッドのある場所まで行き右のイスに座っている護衛の首をかき切る。液体が飛び散る音がした後、重量のあるものが倒れる音がした。
「起きたか?」
小声で暗闇に問うと
「いえ、のんきに寝てます。」
部下が答えた。
「さて、じゃあターゲットを仕留めるか。」
そう言って俺はベッドに近づきターゲットを断頭し、胴体から離れた頭を持ち上げる。
「よし、戻るぞ。」
「はい。」
部下とともに山小屋を出てランプのある場所まで戻り、ターゲットの頭を布で包もうとした時、俺は気づいた。どうやら部下も気づいたらしい、驚いた顔をしている。
「クソっ謀られたか!」
あたりが松明によって明るくなる。木々の隙間からはイースト王国の兵士の姿が見える。
「強行突破するぞ、しっかりついて来い。」
「了解です。」
ナイフを握り、断頭した頭を放り投げ、俺は走り出した...
どうもいっちーです。
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みなさんの暇つぶし程度に楽しんでいただける作品になったら嬉しいです。
この作品は異世界ですが時間、季節は日本と同じです。
大きな大陸を想像してください。その大陸には東西南北に国があり、そのほかの場所には村などがあります。自然は豊かで山、谷、川などもあります。大陸の周りは海で囲まれています。動物もいっぱいいます。それがこの作品の世界設定です。