拠点
【12月7日10:46】
味方の部隊との連絡が突如途絶えた。その調査を我らホークス騎士団、グリフォン騎士団、ベアーズ騎士団が行うこととなった。
敵領地にある自軍の拠点へ向かうため馬を走らせていると突然前を走っていたグリフォン騎士団が止まった。
「おい、目標までまだまだだぞ。いったいなんだ?」
隣にいるゼスがぼやいているが俺もよくわからないため聞こえないふりをしておく。
「この丘を越えた所に山賊共の拠点がある!我々は山賊狩りに来たわけでわないが誇り高きサウス王国騎士として!これを見過ごすわけにはいかん!総員!戦闘準備!」
グリフォン騎士団の団長が全員に伝わるように叫んだ。
なるほど、止まった理由はそれか。
するとあちこちで鎧を整えたり、深呼吸をする音が聞こえた。俺も剣の鞘の紐をきつくしておく。
「準備はいいか!」
「おお!」
自分を鼓舞するように叫ぶ。周りのヤツらも同じだ。
「抜刀!!」
グリフォンの団長の命令に従い長年使い込んでいる愛刀を抜く。
「突撃ぃぃぃぃぃ!!」
それを合図にグリフォン騎士団が一気に丘を下る。それに続くように我らホークス騎士団も丘を下る。馬の足音が地鳴りのように響く。前方には既に山賊と交戦しているグリフォン騎士団が見える。前を走っていたホークス騎士団の団長であるドグマ団長が右にずれた。山賊の脇腹を突くためだ。俺達もそれに続きそして山賊共に突っ込む。ベアーズ騎士団は左から仕掛けたため乱戦状態だ。「うわっ」だの「ぎゃぁ!」だの悲鳴が聞こえそれに合わせて鮮血が四方八方で飛び散る。見なくても山賊のものだとわかる。俺も負けじと目の前の山賊の首をはねる。次はその隣のやつの顔面に剣を突き刺す。頭蓋骨を貫通するように力を込めると鈍い振動が腕に響きそしてずぷっとした柔らかい脳の感触が伝わったのでそこで剣を引き抜く。剣には血と脳味噌が混ざったものが付いていたので振り払う。するとこの2人の後ろにいたやつが怯えた顔で後ずさる。弱い。弱すぎる。周りを見ると山賊が次々と倒されている。信念もなく、訓練すら受けていないものはやはり雑魚だ。それを再確認した俺はその山賊にゆっくりと近づいて剣を振り下ろした。
結局山賊は全滅。我々は死者0人、軽傷者数人だった。楽な戦いだったので少し休憩し、またすぐに拠点を目指した。
【12月7日14:25】
山賊を始末してから数時間は経っただろうか。だいぶ日が昇っている。俺達は拠点に到着した。ところどころ荒れているが最前線でこれは綺麗な方だ。しかし、そこに兵士は1人もいない。今の今までここにいた痕跡があるのに辺りにはここにきた騎士団しかいない。おかしい。他の奴らも困惑気味だ。いったい何があったんだ...
ひとまず調査を終え王国にこの事を伝えるため帰る準備をしていると突然地面が大きく揺れた。くっなんだこの地震は!あまりにも揺れが激しい!
「狼狽えるな!地面に頭を伏せてじっとしてろ!」
ドグマが叫ぶ。
地面に伏せようとした瞬間、目の前にあった柱が倒れてきた。
どうもいっちーです
この作品は長くなるのでご注意ください。
では、また。