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UW側と島田たちの話し合い(前編)

 桐生や弥生たちUWの活躍は人の力を超えている。深沢の目にはCGを駆使したアクション映画を見せられたに等しい。ところが、動きは非現実的でありながら、話している姿を目にすると、何故かそこらの住民と見えて親近感を覚えてしまう。少なくとも敵と思えない。


 彼らとの話し合いを買って出た島田は、生徒たちのいない教室へと桐生たちを案内し、先ほど島田と口論になりかけた数学教師の池田も加えて会議を設ける。そこに、島田に信頼されているのか、深沢も立ち会えと呼ばれる。UW側は桐生隊の三人に研究所の宮下、そしてヴァイスが同席して、宮下の部下は廊下で気絶した先生の介抱を任される。助手は一通り済ませて途中から入ってくる。


 一緒に話を聞くことになった深沢は、どうして自分が、と己の器量を過小に捉えて卑屈な疑念を抱く。望みながらも参加させてもらえない口惜しさに、嫉妬が燃える目で睨んでいた羽田たちに少々悪い気もする。が、気がするのは一瞬で、それほど頓着もない。深沢の関心は、手前勝手に行動して教師に煙たがられる同級生よりも、いま目の前にしている異様な力を持ったUWの人たちにある。特に若い四人、おそらく大学生くらい、中には自分よりも幼い顔をしたものもいるが、それらを静かに眺めて、人間を超越した技でモンスターを一掃したあの光景を思い出し、重ねて彼らは何者なのかと推測を試みる。人並みに漫画や映画、テレビゲームなどを嗜むその知識から、信じられないが、つまりは超能力者や魔法使いの類だろうと彼なりに結論付けると、人知れず胸のうちが波立つのであった。


「それで、あなた方の考えでは、これからどうしようと?」と島田が訊ねた。


「具体的な作戦についてはまだこれから考えなければならないです。俺たちとして、はっきりと伝えておきたいことは、たとえ自分たちで戦えるからといって、自分たちだけでアナウンスが言うゴールのあるあの塔に向わないでほしいということです。この先、どんなモンスターが出てくるともわからない。仮に向うとしても、俺たちが護衛しながら、という形にしたいんです。人命が最優先ですんで」と桐生が代表して答えた。


「そうですか、それを聞いてちょっと安心しました。その点に関しては私たち教師が何とかします。生徒たちの勝手は許しません」


 島田は桐生を前に毅然と言ってのける。チラリと池田を横目にすると、図らずも目が合って、池田は自分と同じ教師に窘められているようで面白くないのか片頬を膨らませる。そして居心地悪くなったのか、一旦教室を出てしまう。廊下には中に入れてもらえなかった他の教師や、深沢と同じように桐生たちに興味、関心を持った生徒たちが何十人と聞き耳を立てている。本来、校長先生や教頭先生でもいれば話はしやすく、教師や生徒もまとめやすい。それが叶わないことも島田は桐生たちにすでに伝えてある。教頭先生の件から、あのアナウンスの人物がこの学校に潜んでいる可能性も口にする。


「我々は同時にこの世界を作ったという犯人も追っている。詳しい話を聞くためにその教頭との面会を希望したいのだが」と宮下が口を挟む。


「おそらくまだ目を覚ましていないと思います。何人か生徒たちをつけていますので、何かあると知らせに来てくれると思うのですが、それもいまのところ…」


「何か、というと、それは助からないということもあり得るわけですな?」


「そんな、縁起でもない…」


「いや、あくまで可能性の話だ。どちらにしても我々は一旦教頭が寝ている保健室に向おうと思う。処置に関しても我々のほうが適していると思うのでね」



続きます

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