90.D【凶夢:13】
皆さん、お久しぶりです。
今回のは、少し危険な内容になっているので、ご注意ください。
◎【13】◎
〔オシリスとアイシス〕
非常に重要な場所の早朝で
翡翠色のとても綺麗な長い髪をなびかせて、あの〈アウターマウカー〉(ステージ4)こと『佐々崎理緒』と言う名前の女性が、新品の黒い女性用のスーツを着て、今日もとある場所まで早く歩いている。 またその隣には、あのアルヴァロス・X・ラピッドマンが低空飛行で飛びながら、彼女のあとをついて来ている。
どうやら、この二人は誰かを待たせているようで、待ち合わせ場所まで向かっているようだ。
そこで佐々崎理緒が急いで早く歩きながら、アルヴァロス・X・ラピッドマンに話しかけてきた。
「……」
「果たして本当にいるのですかね?」
「一応、約束は取り付けている。 たぶんいると思う。」
「では急ぎましょうか。 あまり待たせても悪いでしょうし」
「ああ、そうだな。 もう少し急ごうか」
「はい、判りました。」
そこで佐々崎理緒が小走りで目的地・待ち合わせ場所まで急いで向かい、アルヴァロスもそのあとを追っていた。
◆◇◆
日本の大阪府の某所
ある日の早朝、ある古いアパートの一室にて
その四畳半の部屋の真ん中に布団を敷いて、ある茶髪の男性Bが一人、静かにぐっすりと眠っている。
その茶髪の男性Bは、とても奇妙な恐怖の夢を見ている。
普通に彼が起床して、いつもの紺色のスーツに着替えて身支度を整えて、仕事ができる準備をして、そのまま部屋を出ていった。
自分が働いている会社へ普通にいつも通りに通勤していく。 ここまでは全くもっていつも通りなのである。
だがしかし、会社に向かう途中で……今日は普通ではない出来事が起きていた。
なんと、会社に向かう途中にあるはずの某警察署が突如として、爆発していたのだ。
「……えっ!?」
すると、爆発・崩落した某警察署の建物の大きな破片・瓦礫が、物凄い速度で、その茶髪の男性Bの所まで向かって飛んできた。
「……うっ!?」
だがしかし、最も重要な事は……そこではなかった。
するとなんと、その茶髪の男性Bの背後から突如として、謎の黒い人影が現れて、その謎の黒い人影の右手が鋭い刃に変形して、その茶髪の男性Bの胸部を後ろから一突きで貫いた。
「ぐあぁっ!!」
その茶髪の男性Bの胸部からは、大量の血液が放出されていて、地獄の致命傷を負った彼は、そこで意識を失った。(失血死?)
◆◇◆
「うわあぁーーっ!!!」
その茶髪の男性Bが、自分の叫び声で目が覚めて飛び起きた。
ここはいつもの自分が暮らす古いアパートの四畳半の部屋の中央に敷いてある布団の上である。
「こ、ここは……俺の部屋……」
彼が周りを見渡す。 だが…間違いなく、ここは自分の部屋である。
「い、今のは…夢か……?」
彼の身体中は汗でぐっしょり濡れている。 今のは悪夢か…予知夢か……?
その茶髪の男性Bは明らかに凄く動揺している。
「お、俺は…死ぬのか……? いつ…死ぬのか……?」
彼が今見た夢の内容を必死になって思い出そうとする。 すると、だんだんわかってきた。 まず日時は今日から四日後の早朝の通勤途中の某警察署の近くの通りで、その某警察署の建物が突然爆発……爆風と爆発の衝撃による大きな破片・瓦礫が、その茶髪の男性Bの方に向かって、物凄い速度で飛んでくる。
それが彼の凄惨な悲劇の死の運命の最初となる。
「お、俺は…人生の敗者ではない! 絶対に…死んでたまるか! そうだ、死なんぞ!!」
だがしかし、この悪夢・予知夢を見た者は、例外なく…誰も助からない。
彼もそのデスリストに載ってしまい、果たして本当に助かるのか……?
ちなみに、この長身の男性Aとは、全くの別人であり赤の他人であるが、同じ日時・同じ場所・同じスイッチで殺されることが、既に決定されている。
次回に続きますが、また機会があれば投稿・更新します。




