09.A【訪問】
【アウターマウカー】
登場人物
①アイザック・グラディデンス
②シャリナ(アイザックの侍女)
③ディゼナ(アイザックの侍女)
④アルヴァロス・X・ラピッドマン
⑤アイザックのお得意様
4月
(※柊沢統一たち1年生が『日本魔法学部第七高校』に入学した時期と同じ時期の出来事である。)
アフリカ地域
【エジプト】
朝[カイロのある豪邸]
ハリー・ダグラスは既に新たな地へと旅立っていた。
ハリーが休んでいた部屋にて
アイザックとシャリナの二人が部屋にいた。
②「……」
①「…心配かい? シャリナ」
②「…アイザック様」
①「…彼を…」
②「…はい…まだ完全に治りきっていない…あのお身体でまた旅を…」
①「そうだな だが彼にはまだやらなければならない事があるようだ。」
②「そうですね 私はあのお方の無事をただ祈るのみです。」
①「……そうだな」
③「あっ いた! アイザック! お客さんだよ!」
ディゼナがアルヴァロスを連れて部屋にやって来た。
④「やぁ 久しぶりだな アイザックよ」
①「おお! アルヴァロスか 久しぶりだな!」
④「…うむぅ…」
①「ディゼナ アルヴァロスに紅茶を…」
③「あいよ」
ディゼナは部屋を出ていった。
②「では…私はこれで失礼します。」
①「…ああ…」
シャリナは部屋を出ていった。
①「それでボクに何用かな?」
④「ああ 最近…化物共が強さを増している様に思えてな。」
①「例の『悪魔ウィルス』とかでできた化物のコトかい?」
④「ああ その通りだ」
①「そう言えばアフリカの南部でも出現したと耳にするな。」
④「以前はテロが横暴していたが最早テロどころの騒ぎではない。 相手は化物なのだからな。」
①「皮肉な話しだな。 化物がそのテロをやっつけてくれるんだからな。」
④「いや 楽観できんな このままだといずれ世界は化物共に食い尽くされるかもしれん。」
①「……ふむぅ」
③「はい 紅茶を持って来たよ。 何だか難しい話しをしてるね。」
ディゼナが紅茶を持って部屋にやって来た。
④「…ありがとう」
①「…下がっていいよ」
③「あいよ」
ディゼナは紅茶をテーブルに置いて部屋を出ていった。
①「……」
④「…実は化物に新種が現れたと聞いている。」
①「…え?」
④「詳しくは解らないが背丈がお前位で全身灰色の人型の化物が現れたと報告を受けているのだよ。」
①「…何だと?」
④「もっとも真偽の程は定かではないがな。」
①「…まさか…化物が進化した…とでも…?」
④「ふむ あるいは『悪魔ウィルス』の方が進化したと言うべきか?」
①「…それは危険だな」
④「…ああ」
①「…で 世界はどう動く?」
④「…打つ手なしだ…ただでさえ…あの黒い大型化物を1体倒すのに苦戦する程に…今の魔法は弱い!」
①「……」
④「それに『ワクチン』の研究や製造にはやたら時間と資金が必要なのだ!」
①「……」
④「やはり おおもとである『悪魔ウィルス』を造っている工場を見つけて破壊するしかないようだ。」
①「…うむぅ…」
④「…しかし なかなか見つからないようだな。」
①「…造っている奴らも解らないのか?」
④「…ああ…」
①「…世界は意外と広い アフリカや欧州や中東だけではなくアジアや米国大陸などにもあるかもしれないよ?」
④「…そうなってくると見つけるのも至難の技だぞ…」
①「…そうか?」
④「ああ 何せ表に出てこないモノだからな。 下に潜られたらどうしようもない。」
①「…なるほど」
④「……」
③「あっ アイザック! 失礼するよ!」
ディゼナが部屋にやって来た。
①「…どうした? ディゼナ」
③「また お客さんが来ているけど…どうするの?」
①「…何? お客さん?」
④「……」
③「うん そーだよ!」
①「よし 別の応接室に案内して待って貰うように対応してくれ。」
③「あいよ」
ディゼナは部屋を出ていった。
④「…客か?」
①「ああ 予定はなかったんだが…お前 まだ時間は大丈夫なのか?」
④「ああ 大丈夫だ 行ってこいよ」
①「そうか じゃあ 少し待っていてくれ。」
④「ああ わかった」
アイザックは部屋を出ていき別の応接室の方に向かって行った。
応接室の室内に入ると男性が一人で椅子に座って待っていた。
①「お待たせしました。」
⑤「ああ アイザックさん!」
①「…!? あんたは…!」
⑤「た 大変だっ!!」
①「少し落ち着いて…どうしたんですか?」
⑤「俺の町に化物が出たんだよ!」
①「何!?」
⑤「しかも複数体が確認されているんだよ!」
①「…!?」
⑤「…け 警察も何とか対応しようとしているんだけど…全く歯が立たないんだよ!」
①「判りました! すぐに向かいましょう!」
⑤「あ ありがとうございます。」
①「少し待っていて下さい。」
⑤「わ わかったよ」
アイザックは応接室を出ていきアルヴァロスのいる部屋の方に向かって行った。
①「待たせたな 悪いが急用ができた!」
④「…どうした?」
①「…ああ」
アイザックはアルヴァロスに応接室での事情を説明した。
①「―――という訳ですぐに行かなければならないのだ。」
④「よし! 私も行こう! いい機会だ 調べたい事があるからな!」
①「おお そうか わかった」
アイザックはシャリナとディゼナの二人を呼んだ。
③「あいよ」
②「はい 何でしょうか?」
①「ああ 悪いが急用ができた。 少し出掛けるから留守を頼むよ。」
③「あいよ わかったよ」
②「はい 判りました。 どうかお気をつけて下さい。」
①「ああ では行くぞ アルヴァロス!」
④「ああ わかった!」
アイザックとアルヴァロスの二人は男性と共に化物が現れた町へと急行した。
そこでかつてない程の驚異を体験する事になる…
つづく
【魔法に関する規制法】
『世界魔法評議会』は「化物の横暴を許さない」為に4月から施行される『悪魔ウィルス』の研究や製造を禁止する法案が出された。
これにより『悪魔ウィルス』の研究や製造をした者は個人・法人に問わず処罰の対象となる。
処罰の詳細は国々によって違いがあり また未だに『悪魔ウィルス』の研究や製造を黙認する国も少なくない。(日本は禁止している)
『ワクチン』の研究や製造に対しては規制されていない。
『登場人物紹介』
【ディゼナ・モナパァルトン】
年齢:21歳
身長:162cm
3サイズ:B89/W59/H91
スペイン出身
(侍女 No.2)
普通の家庭で育った一般女性。
彼女が住んでいた町ではかなりの美人でありアイザックに口説かれてアイザックに興味を持ちアイザックのもとにやって来て侍女になった。
また当時では彼氏がいたが浮気をしていた事が判り別れている。
最近では魔法にも興味を持ち始めていて教えてもらっている。
性格はお気楽陽気で好奇心旺盛である。
喋り方に少し特徴がある。
《重要登場人物紹介》
【アルヴァロス・X・ラピッドマン】
年齢:?歳
身長:?cm
???出身
一切の素性は不明。
名前は偽名であり経歴も一切不明。
この世界に実際に存在しているのかも不明。
普段は黒いフードを被っていて素顔を見せる事はほとんどない。
そして彼の事を知る者も少ない。
瞳の色は漆黒色。
性格は一見不気味に見えるが無口で大人しい。
何を考えているのか解らないが凶暴性はあまりない。
あくまで身の危険に感じる火の粉を振り払う程度。
悪い人ではない様だ。
強い事はわかっている。
しかし戦闘方法は一切解らない。
何故なら彼と戦って生き延びた者はいないからだ。
【七聖剣】のひとつ
『デュランダル』(闇魔法)を所有している。
活動地点は欧州・中東・アフリカで移動している。
普段は昼夜問わず行動していて神出鬼没の印象を受ける為出身地は勿論住処さえも不明である。
彼のその印象と性質上隠密・暗殺に特化している。
『ゼロ』の称号を持つ世界最高の魔法の実力者にして『魔法覇王』とも呼ばれている。
最大四名に与えられる称号『世界魔法四天王』のNo.2。