88.D【凶夢:11】
◎【11】◎
〔オシリスとアイシス〕
日本のとある地方の某所
ある日の夜のこと
とある高級ホテルで宿泊している一室にて
ある一人の男性Aが、就寝前に全裸でシャワー室に入り、シャワーを浴びている。
「…ふう…」
そこで一息つくと、シャワーを止めてから、白いバスタオルで身体を拭いていて、その後で黒いバスローブを着てから、その男性Aがシャワー室から出てきた。
「…ふーう…」
その男性Aが、広い部屋の奥の方にある大きな窓まで歩いて近づき、途中でガラス張りの透明のテーブルの上に置いてある白ワインを右手で持ち、大きな窓の前まで来ると、窓の外の夜景を眺めながら、一口飲んだ。
「…やれやれ…ハリー・ダグラスめ…」
ここで男性Aが白ワインをもう一口飲んだ。
「…また厄介事を増やしおって、奴め! まさか…あの〈アクナディオス〉から仕事を依頼されていたとは…!」
さらに男性Aが白ワインをもう一口飲んだ。
「…だがしかし…ふふふ、ここで『保険魔法』とはな…。 これはこれは…なかなか凄いモノだな…。」
そこに男性Aが窓の側に置いてある、木でできた椅子に座って、また白ワインをもう一口飲んだ。
「ふっ、この世界に住む人間には、そんなことなど知るよしもないはず。 現在でも何も知らずに、平和に暮らしている人間どもには…神が魔法を手に入れたら一体どうなるのか、本当に戦争が起きたら、とても対応・対処できないだろう。」
この男性Aが不敵な笑みを浮かべながら、また白ワインをもう一口飲んだ。
「もしかしたら、本当に人類も終わりかもな。 ふふふ」
そして、白ワインが入ったグラスを眺めながら、最後に一言。
「ふふっ、人類絶滅か……」
その男性Aが椅子に深く座っていて、窓の外の夜景を眺めながら、白ワインを飲み続けていた。
ここは地球の地下にある中心部の某所
そこは何処までも続く、何もない暗闇の世界。
そこに "核" と呼ばれる強大で強力なコアエネルギーを蓄積させてるシステム装置があり、そのコアエネルギーで地球という惑星を動かしてる。 この中心部とは、普通の人間などでは絶対に行くことが出来ないほどに、過酷で残酷な所である。
だがしかし、少し考えてほしい。 地球という惑星を動かすのに、どれだけのコアエネルギーが必要なのか? まさか…コアエネルギーなど無しに動いているのか? 否、そもそも…自転・公転・重力・引力などの動きに、コアエネルギーは必要ないのか?
否! コアエネルギーは絶対に必要である! ……と推測する。 ならば…どうやって、そのコアエネルギーを抽出・補給・注入・放出……などと、コアエネルギーを蓄えたり、使用したりするのか? この地球の "核" とはいえ、決して無尽蔵ではないはず…いつかは尽きる…。 また地球自体が自力で、コアエネルギーを蓄えたり、使ったりすることが出来るのか? いずれにしても、必ずいるはず……その仲介役が……。
その仲介役こそが、50億年以上も存在し続けたと称する、地球の護り神〈アクナディオス〉なのである。
だがしかし、彼らが一体何の目的で…コアエネルギーを蓄積させたり、地球に補給・供給させたりしているのか、またどんな方法で、そのような芸当が出来ているのか、いまいちよく解らない。
そして、ここで最も重要な事は、地球の護り神〈アクナディオス〉が、もし…居なくなってしまったら、この地球は…否、この世界は一体どうなってしまうのか? その仲介役が居なくなり、地球に補給・供給されるはずのコアエネルギーが蓄積すらされず、やがて…地球は荒廃と凍土の死の惑星になってしまうのか?
それに人間が作るエネルギーは、あくまで人間の為のただのエネルギーであり、地球の為のコアエネルギーを用意できるのは、地球の護り神〈アクナディオス〉だけである。 さらに…その事実を知る者は、地球の護り神〈アクナディオス〉以外に、誰もいない…という真実。
そういう意味では、確かに…〈アクナディオス〉は地球の護り神なのである。
この何もない暗闇の中で、地球の護り神〈アクナディオス〉たちが話し合っている。
「…おう、どうやら…」
「我々は次の新たな段階に入ったような気がする。」
「…ハリー・ダグラスは…遂に『保険魔法』に関する重要な情報を入手した。」
「既に…ハリー・ダグラスをはじめ、関与したとされる実験台、科学者、資料や書類などを転送する準備ができた。」
「そうか、すぐに回収したいところだが、まあ…いいだろう。 では開始してくれ」
「ああ、了解だ」
「…おう、ところで…」
「あの建物の中にいる、他の者たちは一体どうするつもりなのだ…?」
「…そうだな…」
「………」
「とりあえず…誘拐したり、武器を持ったり…と、悪いことをしたヤツらは皆殺しにする。 まあ…口封じにもなるし、一石二鳥だろう…?」
「それとあとの、その他の者は放置する。」
「なるほど、では…その方針で進めよう。 いいか?」
「ああ、了解だ」
「ああ、問題ない」
「……ん」
「よーし、決まりだな!」
その後も地球の護り神〈アクナディオス〉たちが、なにやら話し合いを続けていた。
地球の何処かにある島の某所
ある日の夜のこと
その島は無人島であり、人間はおろか、動物も小屋も井戸なども何もなく、あるのは砂浜と森林だけである。 また地元の人たちも、あまりこの島には近寄らない。
この暗闇の森林の奥深くに、複数の〈アウターマウカー〉(ステージ3)が集まって話し合っている。
「…みんな、集合したか…」
「…〈アクナディオス〉め…一体何を考えているんだ…?」
「まったく、我々以上に不気味な存在だな。」
「おそらく、我々の行動を牽制しつつ、例の『保険魔法』とやらを入手するつもりなのだろう。」
「…幻の魔法…『保険魔法』か…〈アクナディオス〉が唯一使用できるとされた…詳細不明の魔法のことか…」
「それで我々はこれから一体どうすればいいのか?」
「当然だが、あの〈アクナディオス〉から入手される前に、その『保険魔法』とやらを奪取して、これ以上…強くさせてはならない。」
「ならば早速、アラスカまで行って…その『保険魔法』を奪いにいくか?」
「いや、残念ながら…もう間に合わないのでは…? これから行っても無駄な気がするのだが…?」
「………」
「…そうか?」
「ならば…これから一体どうするつもりなのか…?」
「我々には、あの〈アウターマウカー〉(ステージ4)という力…いや、切り札がある。 それをいかに、うまく使いこなすかが問題となる。」
「ああ、そうだったな。 それに賭けるしかないのか?」
「………」
「いや、あの力が我々にも手に入れば、我々こそが最強・無敵となれるはずなのだ!」
「…なるほどな…」
「…ちっ、『保険魔法』か…」
その後も〈アウターマウカー〉(ステージ3)たちが、なにやら話し合いを続けていた。
新年、明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いします。




