08.A【油断】
【アウターマウカー】
登場人物
①ハリー・ダグラス
②暗殺者
③アイザック・グラディデンス
④シャリナ(アイザックの侍女)
3月
アフリカ地域
【エジプト】
朝[カイロのある豪邸]
ハリーは既に起きていてシャリナも起きてきた。
①「…おはよう」
④「あっ お おはようございます。」
①「……」
④「はっ! もう起きて大丈夫なのですか?」
①「…ああ おかげでだいぶ良くなったよ。」
④「どうかご無理をされない様にして下さい。」
①「…ああ」
③「……起きたか?」
アイザック・グラディデンスが現れた。
①「…!?」
③「…どうだ? 調子は…」
①「…ああ だいぶ良くなったよ…」
③「そうか それでこれからどうするつもりなのだ?」
①「……」
③「…また 奴が襲って来たら戦うのか?」
①「…ああ」
④「…!? そんな! その身体ではとても無理です!」
①「…だが戦わなければ殺される…相手はプロだ…話し合いが通じる相手ではないし…逃げても必ず追ってくる。」
③「ああ…その通りだ」
④「…そ そんな…」
①「戦うしかないのだ シャリナ」
④「アイザック様…何とかなりませんか?」
③「ふむ…奴の居場所さえわかれば…な…」
①「……」
③「取り敢えず…身を隠すか?」
①「いや……この『カイロ』で見通しが良い場所を教えてくれないか?」
④「…え?」
③「……」
①「…奴を…迎え撃つ!」
ハリーは立ち上がった。
【エジプト】
昼前[カイロ某所]
「義手が届いた」
②「よし! 繋げてくれ!」
「ああ わかった」
暗殺者の斬られた両腕に義手を繋げた。
②「ほう……なかなか使えそうだな この義手」
「…そうか…」
②「これで任務遂行ができそうだ。 覚悟しろ! ハリー・ダグラス!」
【エジプト】
昼頃[カイロ郊外某所]
ハリー・ダグラスは立っていて暗殺者を待ち構えていた。
①「さぁ こい!」
暗殺者は建物の屋上に隠れていてハリーを見張っていた。
②「…なんだ? あいつ…?」
①「どうした! かかって来ないのか!?」
ハリーは隠れている暗殺者の方を向いて話し掛けてきた。
②「ちぃっ!」
暗殺者は魔法を発動した。
【攻撃魔法】
《デスショット》を使用
ズバァーン!
小型の光弾がハリーを襲う。
サッ!
ハリーはその攻撃魔法を避けた。
②「ちぃっ!」
暗殺者は場所を移動した。
①「なるほど…こういう戦い方をするのか…!」
ハリーは魔法を発動した。
【攻撃魔法】
《ドラグーンシステム》を使用
暗殺者に攻撃した。
②「くそっ!」
暗殺者はダメージを受けた。
①「いまだ!」
ハリーは暗殺者に急接近した。
②「ぬおう?」
ハリーは聖剣『ロンギヌス』を取り出した。
①「喰らえ!」
ハリーは暗殺者を斬り裂きにかかる。
②「ちぃっ!」
ガッキィーン!
暗殺者の左義手で『ロンギヌス』を防いだ。
①「…な 何!?」
②「…ふふふ…」
暗殺者の右拳がハリーの顔面を捉えた。
バァキィッ!
①「うがぁっ!」
暗殺者の右蹴りがハリーの左頬を捉えた。
バァキィッ!
①「うわぁっ!」
ハリーは倒れた。
②「おい 立て!」
①「……くっ!」
ハリーは立ち上がった。
②「ふん!」
暗殺者は右義手から剣が出てきた。
②「行くぞ!」
暗殺者の剣とハリーの『ロンギヌス』が交差した。
ガァギィーン!
両者の剣術戦が始まり互角の勝負を見せた。
①「ちぃっ!」
②「でぃやー!」
両者は間合いをとった。
暗殺者は魔法を発動した。
【攻撃魔法】
《デスショット》を使用
ズバァーン!
小型の光弾がハリーを襲う。
ハリーは魔法を発動した。
【攻撃魔法】
《風鳴砲》を使用
ズゥーン!
風属性の小型弾丸が《デスショット》を迎撃した。
ドカァーン!
相殺した。
①「くそっ!」
②「むう…!」
暗殺者とハリーの実力は拮抗していた。
①「こいつ 本当に強いぞ。」
②「さすがは米国の英雄だけの事はある。」
①「こうなったらこのボクの本気を見せてやる! 行くぞ!」
②「…!?」
暗殺者は左義手をハリーの方に向けて照準を合わせて義手に内蔵されているマシンガンを発射させてハリーに撃った。
ズガガガガァーーッ!
ハリーの身体に弾丸が命中した。
①「ぶぁっ がぁはぁ…!」
ハリーは倒れた。
②「どうした? さっさと立て!」
①「ぐはぁっ!」
ハリーは吐血していて立ち上がろうとするがなかなか立ち上がれない。
②「…ふふふ…」
①「…くそっ 油断した…」
②「さぁ とどめだ!」
暗殺者の右義手の剣でハリーに斬りかかった。
①「イギィッ!」
ハリーは『ロンギヌス』で防いだ。
ガァギィーン!
②「ははは どうした! 手も足も出ないか?」
①「ぐっ!」
ドカッ!
ハリーは暗殺者の腹部を蹴り飛ばして…何とか立ち上がった。
①「はぁ はぁ はぁ」
暗殺者も立ち上がった。
②「…ふん!」
ハリーがふらつく。
①「ぐっ もはや…ここまで…なのか…?」
②「…喰らえ!」
暗殺者は魔法を発動した。
【攻撃魔法】
《デスショット》を使用
ズバァーン!
小型の光弾がハリーを襲う。
①「…か 身体が動かない…? 畜生が…!」
③「そりゃぁ!」
バァキィーン!
アイザックがハリーの前に現れて聖剣『カグツチ』を使用して《デスショット》を弾いた。
②「…何!?」
①「…あんたは…」
アイザックがハリーの前に威風堂々と立っていた。
①「はぁ~」
ハリーは再び倒れた。
②「き 貴様! どういうつもりだ!?」
③「無論 ハリー・ダグラスの応援だよ。」
②「何だと!? 無関係の貴様が何故!?」
①「……うっ!」
③「無関係なんて事はないんだよ 彼女に頼まれたからね。」
①「…え?」
③「『シャリナ』にね…」
①「……」
②「?」
③「さぁ 君はどうするつもりだい?」
②「お おのれ~ だが二度も退く訳にはいかない! 俺様には既に退路がないのだ!」
③「じゃあ 死ね!」
アイザックは暗殺者に急接近して右手を暗殺者の方に向けた。
アイザックは魔法を発動した。
【攻撃魔法】
《爆舞陣》を使用
ブアァーー
暗殺者の身体が炎に包まれた。
②「な! うぎぁあぁがあぁーーっ!」
ドッカァーン!
暗殺者は爆死した。
③「…ふん!」
①「…す 凄い…」
③「さぁ 帰ろうか……いずれにしても その身体ではどうする事もできない。」
①「……」
③「彼女も待っているし 君の用をまだ聞いていない。」
①「…わかった…」
アイザックはハリーを担いでアイザックの家に帰った。
ハリーは負傷した身体を癒す為にアイザックの家でしばらく養生していてアイザックとシャリナの二人で看病していた。
④「お身体の具合はどうですか?」
①「ああ だいぶ良くなったよ。」
④「ご無理をなさらない様にして下さい。」
①「…ああ ありがとう…」
③「それでこれからどうするつもりだい?」
①「また『あいつ』を捜すさ」
③「…そうか…」
①「元凶を叩かない限り軍には戻れない……のだ!」
④「…そ そんな…!」
③「…そうか…」
①「……」
こうしてハリー・ダグラスの復讐の旅は続く。
つづく
『登場人物紹介』
【シャリナ・リードン】
年齢:20歳
身長:158cm
3サイズ:B87/W58/H89
ドイツ出身
(侍女 No.1)
両親が多額の借金をして路頭に迷っていたところをアイザックに助けられて借金を肩代わりしてくれた事に恩を感じてアイザックの侍女となり奉公している。
性格は温厚で心配性である。
親孝行でもあり稼ぎ金を両親に仕送りしている。
【義手】
暗殺者の両腕に装着させた鉄製の義手。
右義手には剣が内蔵されていて左義手にはマシンガンが内蔵されている。
【攻撃魔法】
《爆舞陣》
(元素:火&破壊魔法)
右指輪(WCD)が点火の役割を果たし体内の魔法力を火薬に見立てて周囲に大爆発を起こして敵を爆撃する。
魔法力が尽きるまで使用できる。
(アイザックの通常魔法)