71.C【滑稽】
【19】
●化物島
◎アトロポス町 (第五の事件)
『滑稽と復讐の男たち:1』
※また…新たな事件が始まろうとしていた…?
【アウターマウカー】
[M32/8月]
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配している化物島にあるアトロポスの町の警察署では真夜中になって数人の男(警察官)が署内某所にある部屋に集合していてなにやら滑稽かつ不穏な会議をしていた。
「おい どうだ? 準備は?」
「ああ あともう少しだから……もう少しだけ待ってくれ」
「ああ 急いでくれよ。 もうあまり時間がないからな。」
「ああ わかっている。」
…ガチャッ!
部屋のドアが開く音がしてさらに数人の男が部屋の中に入ってきた。
「…どうだ? 首尾は…?」
「…いや…まだ駄目だ…まるで要塞だよ。 あれでは…とてもこちら側からでは入れないようだ。」
「…何? それは本当なのか…!?」
「…ああ そうだ…」
「ちっ 畜生ぉー! もう打つ手なしなのか!?」
彼らの行いはまさに滑稽な男たちであった。
すると そこに―――
「…いや…まだ打つ手…ありだよ…」
―――と突然 部屋の隅の方であまり聞き慣れない声が聞こえてきた。
「……っ!!?」
「なんだ!!?」
「…誰だ!!?」
部屋の中にいた滑稽な男たちが一斉に声が聞こえてきた隅の方を向いて見ていた。
なんと! そこにいたのは……あの〈アクナディオス〉であった。
「な…何っ!? バカな!?」
「き…貴様っ!? どうやってここに…っ!?」
滑稽な男たちが拳銃を取り出して一斉に〈アクナディオス〉の方に向けて構えていた。
「くふふふ 今更そんなモノが私たちに通用するとでも思うのかね? それにここは警察署だよ? 撃てば大事になるよなぁ~!」
「…うぅっ…」
「…ぐぅっ…」
「…一体何が目的なのだ?」
「くふふふ 何か勘違いしていないか? 私たちはむしろ…君たちの味方なのだよ。」
「…ふ…ふざけるなっ!! そんなこと…っ!!」
「くふふふ ふざけてなどいないさ。 私たちは至って普通に本気だよ。 私たちも一緒に手を貸してやろうと言うのだよ。 悪い話しではないだろう?」
「……?」
「…一体何が目的なのだ?」
「…さっきも言ったのだが…私たちは君たちの味方だよ。 君たちがこれから行おうとしているコトをサポートしてやろうと思っているのだよ。」
「……!」
「……くっ ふ…ふ…ふざける―――」
「…私たちには判っているよ。 赤ん坊の誘拐事件に始まり銀行強盗事件にラケシスの町で発生した幽霊による誘拐事件などの…私たち以外でこの島に起きている事件のほとんどが…言わば黒幕的存在でもある君たちのボスの仕業なのだろう?」
「ば…バカな…何故…それを…? ……はっ!!!」
滑稽な男たちの一人が漏らした言葉に気がづいて思わず両手で口を隠した。
「くふふふ やはり…図星かな? まぁ 事件そのものの関係性や思惑などはさすがの私たちにもまだ不明なのだが…ひとつだけ…はっきりと判っているコトがある。」
「………」
「……な…何…?」
「それは "復讐" だな!」
「―――っ!!?」
滑稽な男たちは動揺…さらに狼狽を隠しきれていない。
「くふふふ 『あの二人』とは…ほんの少しだけだが面識があるのでな。」
「…そ…そこまで…知っているのか…?」
「クソッ! なんと言うことなのだ…!」
「…やはりな だが…君たちのその計画…いや…復讐がうまくいくとは限らない。 勿論…私たちが君たちの邪魔をするつもりはないが…きっと彼らが邪魔をするだろう?」
「……くっ た…確かに…だが……」
「……それがどうした? 例え我々が奴らに殺られてしまってもこの計画…いや…復讐だけは絶対に遂行する。 我々は既に覚悟ができている。」
「ほほう…これは面白い…本来ならば市民と正義を守るはずの警察官が復讐の為に暴動…いや…テロを起こそうだなんて……くふふふ 本当に人間という生き物は不条理なモノだな。」
「黙れーっ!! 貴様ごときに我々の思いがわかってたまるかーっ!!」
「くふふふ なんだ? それは…? "思い" …? 復讐心にか…? くふふふー」
〈アクナディオス〉は滑稽な男たちの復讐に対する思いに思わず不気味に笑い出した。
「くっ うるさい!! 何とでも言え!! 我々は殺る!! 今度こそ人間共に復讐してやる!!」
「その通りだ!! 我々の手で今度こそ…今度こそ…終わりにしてやる!!」
「に…人間共…め!!」
滑稽な男たちは並々ならぬ憎悪の表情を見せていた。
「くふふふ では見せてもらおうかな。 君たちの最期を…醜態な末路を………ね。」
(くふふふ 君たちはどっちにしても死ぬ運命だからね)
〈アクナディオス〉は滑稽な男たちに対して冷たい笑みを浮かべていた。
かつてない程の邪悪で最悪な何かが今…起こりそうな予感がしていた。
―-―-―-―-―
『滑稽と復讐』
今回はアトロポスの町が中心となって事件が発生する様であるのたが…?
―――――――
化物島にあるアトロポスの町の警察署では真夜中になって署内某部屋の一室に数人の男(警察官)が集合して滑稽かつ不穏な会議をしていた。
さらにそこに〈アクナディオス〉も登場してしまった。
果たして "復讐" とは一体何なのか…?
さて…これから一体どうなっていくのか…解らない?
『化物の国』
〈アウターマウカー〉所有の化物島にある街の情報を表示したものである。
[見方]
街の名前
場所:人口(人数)
施設:様々な建物の多さ
A(多数).B(普通).C(少数)
交通:交通機関と手段の拡充
A(便利).B(普通).C(不便)
発展:街の発展度合い
A(最高).B(普通).C(最低)
人口総数:島内に居る人間の総人数
―――――――
【テミスモイラ】
[クロト]
◎北西部:1500人
●施設:A 交通:A 発展:A
[ラケシス]
◎中央部:1500人
●施設:A 交通:A 発展:A
[アトロポス]
◎南西部:1500人
●施設:A 交通:A 発展:A
[タレイア]
◎北東部:300人
●施設:C 交通:B 発展:C
※人口総数:4800人
〈アウターマウカー〉
[ヘスティア]
◎南東部:52200人
●施設:B 交通:A 発展:C
【備考欄】
1.今回のアトロポスの町にある警察署の署内某部屋に集合している滑稽な警察官はそのほとんどがクロト・ラケシス・アトロポスの三都市から集められた優秀な男性警察官である。
2.今回のアトロポスの町にある警察署の署内某部屋に登場した〈アクナディオス〉は実は一人だけではなく…複数いたとされている。(実際に喋っているのは一人だけ)




