70.C【市長】
【18】
●化物島
◎クロト町 (閑話)
『三都市の市長三人の登場』
※『北東部の街… "タレイア" の町。』
【アウターマウカー】
[M32/8月]
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島には人間が暮らす街…クロト・ラケシス・アトロポスという三都市があるのだが…そこに新たな都市を作成する検討に入っていた。
場所は北東部…以前の東部全域は〈アウターマウカー〉が本拠地にして存在していたのだが現在では本拠地を南東部に移動している為に北東部には誰もいない…なかなかの空き物件である。
人間たちはそこを観光地・避暑地の街にするつもりなのだが…一方ではもうひとつの候補がある…それが魔法学校である。
前回の幽霊による誘拐事件も無事…沈静化しており平穏な日常が戻ってきている…が…アルヴァロス・X・ラピッドマンは相変わらず前回までの事件の詳細なデータと出現した幽霊の資料の作成と自分の未完成の魔法の効果や成功率などを集計・収集していた。
そんな…ある日の朝。
最近ではアルヴァロスにすっかり頼りきっている〈アウターマウカー〉(ステージ3)がまた新たに三人の人間を引き連れてアルヴァロスがいる別荘までやって来ていた。
登場人物
①アルヴァロス・X・ラピッドマン
②〈アウターマウカー〉(ステージ3)
③クロトの町.市長
④ラケシスの町.市長
⑤アトロポスの町.市長
クロトの町の北側のはずれにある別荘
庭には木で造られたテーブルとイスがありアルヴァロスはイスに座りながらテーブルの上に置いてある様々な資料・書類に目を通していて…この時…アルヴァロスは珍しくメガネをかけていた。
そこに〈アウターマウカー〉が声をかけてきた。
②「よう アルヴァロスよ。 今日はお前に会いたい…と言う連中を連れてきた。」
①「…なんだと? この私にだと…?」
そこに三人の成人男性が立っていて話しかけてきた。
③「あなたがアルヴァロス様ですか? はじめまして 私はクロトの町の市長をしている者です。」
④「はじめまして 私はラケシスの町の市長をしている者です。」
⑤「はじめまして 私はアトロポスの町の市長をしている者です。」
①「……市長? そんなモノがいるのか…?」
②「…ああ 一応はな…」
①「それで…この私に一体何か用なのか?」
③「はい 実はこの島の北東部に新たな街を開拓する予定であり…街の名前を『タレイア』にしました。」
④「はい 主に観光地や避暑地の街にする予定で遊園地やカジノや高級ホテルや別荘など…とかを建設する予定です。」
①「ほう それは…なかなかいいのではないのか?」
⑤「はい 実はもうひとつ…候補があります。」
①「…候補…?」
②「……」
⑤「はい それは…魔法学校の建設です。」
①「……魔法学校だと!? この島にか…!?」
③④「…あっ はい…」
⑤「……駄目ですかね?」
①「もし…公認の魔法学校を建設したければ『世界魔法評議会』の認可が必要なのだが…目的や予算や立地などの情報を『世界魔法評議会』には報告したのか…?」
③④⑤「えぇっ!!?」
三人の市長は何も知らなかったのか…非常に驚いていた。
②「……」
①「はぁー やはり何も知らなかったのか? 魔法学校の建設は結構…面倒臭いぞ! 色々な資料や書類も必要だし…何のために建設するのか…その目的も必要なのだが…何故…建設するのだ…?」
③④⑤「……」
三人の市長は何も言えずに黙ってしまっていた。
①「なるほど…魔法学校も普通の学校のように普通に建設できると思ったらしいが…悪いことは言わないから観光地・避暑地の方にしなさい。」
②「……魔法学校には公認が必要なのか?」
①「ああ その通りだ! 魔法を扱う学校だぞ! 人間の世界では公認…いや認定が必要なのだよ。 非公認では魔法学校とは認められないのだよ。 人間の世界では…な…。」
②「…ほう…」
③④⑤「…」
①「例えば…拳銃を学び扱う学校があるとすると…まずは専門の教師が必要であり…だから国の認定も必要であると同様に魔法も殺傷能力が非常に高いから専門の教師も必要なのだが…何処からそれを調達するのか…知っているのか?」
②「…いや…」
③④⑤「…」
①「……『世界魔法評議会』だよ。 だから…このように公認を貰えないと教師でさえ満足に確保できないのだよ。」
③「……そうなのですか……」
④「…た…確かにそれは…大変なのですね。」
⑤「いやぁ それは非常に難しいですよね。」
②「……」
①「しかも…『世界魔法評議会』の公認を得られない魔法学校は今後も支援や協力なども受けられないのだよ。」
②「なるほど…三人の市長よ。 魔法学校の件は再検討する為にしばらくの間…保留することにしようか?」
③④⑤「はい…判りました。」
①「まぁ 無知は罪ではない。 もっと情報を集めて これからどうするのか…再考してから魔法学校の申請をするんだな。」
②「ああ そうしよう。」
③「では…取り敢えずは魔法学校は保留ですね。」
①「ところで…その『タレイア』という名前の街は…街として機能しているのか?」
④「はい 一応は家や店などの建物は少しぐらいはありますが…まだ人はあまり多くいません。」
⑤「はい まだまだ…これからですよ。」
①「ほう 観光地・避暑地の街だったな。 まぁ 頑張れよ…」
②「…ああ そうだな…」
その後も三人の市長はここぞとばかりにアルヴァロスに質問や相談をしており〈アウターマウカー〉はそれを見ていた。
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『魔法学校の件』
※『北東部の街… "タレイア" の町。』
今回は三都市の市長が三人揃ってアルヴァロスに質問・相談をしにきていた。
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今回は化物島の北東部に新たな街を作り…名称を『タレイア』にしたのだが…その街の今後の方向性を決める為にアルヴァロスに質問・相談をしにきていた。
主に観光地・避暑地の街にする予定なのだが…もうひとつの案である魔法学校の建設は残念ながら今回は見送った。
『化物の国』
〈アウターマウカー〉所有の化物島にある街の情報を表示したものである。
[見方]
街の名前
場所:人口(人数)
施設:様々な建物の多さ
A(多数).B(普通).C(少数)
交通:交通機関と手段の拡充
A(便利).B(普通).C(不便)
発展:街の発展度合い
A(最高).B(普通).C(最低)
人口総数:島内に居る人間の総人数
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【テミスモイラ】
[クロト]
◎北西部:1400人
●施設:A 交通:A 発展:A
[ラケシス]
◎中央部:1300人
●施設:A 交通:A 発展:A
[アトロポス]
◎南西部:1350人
●施設:A 交通:A 発展:A
[タレイア]
◎北東部:250人
●施設:C 交通:B 発展:C
※人口総数:4300人
〈アウターマウカー〉
[ヘスティア]
◎南東部:52200人
●施設:B 交通:A 発展:C
【備考欄】
1.クロト・ラケシス・アトロポスの三都市もようやく他国の街と同様の発展を遂げてきていて三都市の地方政府(中央政府ではない)も市長をトップにして政治をしている。
2.北東部では新たに第四都市となる『タレイア』と言う街の名前は三都市の住民が公募・選定で決めた名前である。
3.魔法学校の建設には様々な高いハードルがある事をあらためて認識しているのだが…果たして化物島の街でも魔法学校ができるのか…今後の課題となるようだ。




