68.C【悲鳴】
【16】
●化物島
◎ラケシス町 (第四の事件?・続)
『真夜中の恐怖の警察署:1』
※『非常に危険な匂いがするのだよ。』
【アウターマウカー】
[M32/7月]
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島のラケシスの町にある警察署の署内では真夜中になると不気味で異様な雰囲気を醸し出していて……それに気がついた者が今のところはまだアルヴァロス・X・ラピッドマンしかいない様である。
アルヴァロスは既に〈アウターマウカー〉(ステージ3)に応援を呼ぶように指示しており……それによりさらに三体の〈アウターマウカー〉(ステージ3)が援軍としていて合計四体がラケシスの町の警察署の署内に来ていた。
真夜中の署内では慌ただしく行動している刑事や静かに仮眠している刑事などの様々な人々がいるのだが……普段通りと感じており何かが異常である事には一切気づいていない様である。
登場人物
①アルヴァロス・X・ラピッドマン
②エリドロス警部(ラケシス.警察官)
③〈アウターマウカー〉(ステージ3)
④ディケ・ディネレス
⑤エリオット警部(クロト.警察官)
ある日の夜
ラケシスの町にある警察署
署内のとある女子更衣室・シャワー室ではディケ・ディネレスが同僚の婦警たちと一緒にシャワーを浴びていた。
④「ふんふんふん~~~ふんふんふん~~~ふ~ん」
ディケは鼻歌を歌いながらご機嫌でシャワーを浴びていて暫しの休息を味わっていた。
しばらくすると―――
一緒に入っていた同僚の婦警たちが次々とシャワーを浴び終えていてシャワー室から出ていき女子更衣室の方に向かっていった。
「ディケ 私たちは先に上がるよぉ~~!」
④「うん わかった!」
「お先にーー ディケ」
他の同僚の婦警たちが女子更衣室で下着や服を着ていく中でディケはまだシャワーを浴び続けていた。
―-―-―-―-―
署内にある某所別室
三都市合同捜査本部会議室とは違う別の部屋であり室内にはアルヴァロスとエリドロス警部と一体の〈アウターマウカー〉がいて話し合っていた。
③「……」
〈アウターマウカー〉は眼を閉じて腕組みして立っていた。
①「……」
アルヴァロスは様々な資料・書類を読んで見ていた。
②「アルヴァロス様…その資料は一体何ですか?」
①「ああ 今回の出来事と過去の事件を照らし合わせている。 今回の出来事が過去にも起きているのか調査している。」
②「それにしても沢山の資料ですね。 私も手伝いますか?」
①「いや 大丈夫だ もう少しで終了する。 それよりもエリオット警部の配置の方は大丈夫なのか?」
②「はい それは大丈夫です。 言われた通りにエリオット警部は既に配置についています。」
①「ふむぅ それでいい あとは "動く" のを待つだけだな。」
③「……」
①「〈アウターマウカー〉の方も配置は大丈夫なのか?」
③「ああ 言われた通りに同胞たちに配置させたがこれから一体何が起こるのだ?」
①「ふむぅ……この署内の異様な感覚……何かが起こるとしたら……今夜……」
②「……えっ!?」
③「…っ!?」
①「非常に危険な匂いがするのだよ。 今夜のこの署内では……ね」
③「アルヴァロスよ 先程 今回の出来事と過去の出来事や事件を照らし合わせている…と言ったが何かわかったのか?」
①「ああ 色々と符合する出来事や事件が結構あるのだが…その中のひとつにあるのが日本でも起きている。」
③「……」
②「……日本で…?」
①「ああ そうだな 以前 "日本魔法学部第四高校" という魔法学校で夕方頃か解らないが女子生徒が無人の背後から声がして後ろを振り向くと姿が消えてしまうと言う怪奇現象がある。」
②「…怪奇現象…? もしかして本当に幽霊の仕業…!?」
①「今回の出来事はまだ不明だがな。」
③「それで…その怪奇現象は解決できたのか…?」
①「ああ 私もこの資料を見て驚いているのだが……日本の魔法学校では幽霊を撃退できる魔法が既に開発されて普及されている。」
③「…なに…?」
②「…そ…それは本当なのですかっ!?」
①「ああ そうらしい。 実際にそれで見事に幽霊を撃退して無事解決している。」
③「…日本か…」
①「ああ 日本は非常に興味深い国だよ。」
②「…す…凄い……幽霊を倒すなんて…!!」
③「それでアルヴァロスよ。 お前の今回の展開はどう見ているのだ?」
①「ああ 現在起きている状況や色々な資料を見て……もしかしたら無人の背後から感じる異様な視線や気配とは "声" ではないのか?」
③「…っ!!」
②「ですが女性の行方不明者はいない―――」
③「―――いや いる ここ数日で複数の女性が行方不明であると……あの通り道の周辺の近隣住民からの聞き込みや証言で明らかになっている。」
②「…っ!?」
①「だからこうやって三都市合同捜査本部が置かれているのだろう!?」
②「…そ…そんな…バカな…!? …我々には何の情報も…!?」
③「ふん 所詮は所轄という思考や体質なのだろう。」
①「……」
②「そ…それではこのままだとディネレス警部補の姿も消えてしまう…!?」
①「いや 心配はない 対応策がある。 この資料にある幽霊の動きを封じる "霊魂封印結界四陣" という魔法を使用する。」
③「……」
②「幽霊の動きを封じる魔法!? 本当にそんなコトができるのですかっ!?」
①「ああ そうだ これは〈アウターマウカー〉にやってもらうので成功できるだろう。 宜しく頼むぞ!」
③「ああ わかった」
②「……」
①「それとあとは―――」
アルヴァロスはその後も作戦を練り続けていた。
―――その時 突然…
④「きゃあああぁーーっ!!」
署内で女性の悲鳴が聞こえてきた。
①②③「!!?」
その悲鳴の主はディケ・ディネレスのモノでありシャワー室から聞こえていた。
②「な なんだっ!?」
③「ま まさかっ!?」
①「ちっ 遂に恐れていたコトが…!?」
それからすぐにエリオット警部がアルヴァロスたちがいる部屋に慌てて入ってきていて―――
⑤「た 大変です! ディネレス警部補が―――」
①②③「…っ!?」
どうやらアルヴァロスの予想・危惧した通りの何かが…異常で恐怖な出来事が起こり始めているようである……。
―-―-―-―-―
『危険な夜の警察署』
※『非常に危険な匂いがするのだよ。』
真夜中の署内でディケ・ディネレスに危機が迫る……?
―――――――
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島のラケシスの町の警察署の署内で起きたある真夜中での出来事。
ディケはシャワー中。
アルヴァロスは色々とまだ調査中でありあるひとつの仮説と対処にたどり着いていたがその時ディケが悲鳴を上げていた……。
『化物の国』
〈アウターマウカー〉所有の化物島にある街の情報を表示したものである。
[見方]
街の名前
場所:人口(人数)
施設:様々な建物の多さ
A(多数).B(普通).C(少数)
交通:交通機関と手段の拡充
A(便利).B(普通).C(不便)
発展:街の発展度合い
A(最高).B(普通).C(最低)
人口総数:島内に居る人間の総人数
―――――――
【テミスモイラ】
[クロト]
◎北西部:1175人
●施設:A 交通:A 発展:B
[ラケシス]
◎中央部:1190人
●施設:A 交通:A 発展:B
[アトロポス]
◎南西部:1185人
●施設:A 交通:A 発展:B
[???]
◎北東部:0人
●施設:C 交通:C 発展:C
※人口総数:3550人
〈アウターマウカー〉
[ヘスティア]
◎南東部:52200人
●施設:B 交通:A 発展:C
【備考欄】
※アルヴァロスは様々な方法や手段で色々な資料や情報を入手している。
※残念ながら組織というモノは情報の隠蔽や隠匿をするという体質が無くならない。
この化物島にある警察組織でも部下や市民やマスコミなどに完全で正確な情報を提供しないという体質が今でも残っている。
しかしどういう訳かアルヴァロスや〈アウターマウカー〉は企業秘密でその情報を入手している様である。
まったくさすがというか不思議である。
※アルヴァロスの卓越した頭脳とこれらの資料・情報で作戦を立案している。
※「日本魔法学部第四高校」や「霊魂封印結界四陣」の詳細については小説『アブソリュート=ゼロ ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~』の第四高校編を参照して下さい。




