66.C【会議】
【14】
●化物島
◎ラケシス町 (第四の事件?・続)
『異様な夜道の事件?』
※『それで…これからどうするつもりなのだ?』
【アウターマウカー】
[M32/7月]
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島でまた新たな不思議な出来事が起きていた。
今度はラケシスの町のある特定の通り道で起きた出来事であり近隣住民もかなり迷惑しているようである。
夜道…女性が一人で歩いていると背後から不気味で異様な気配や視線を感じていて非常に気持ちが悪いのである。
通り魔的な変質者の仕業なのか幽霊の仕業なのか それとも〈アクナディオス〉の仕業なのか…これから警察が捜査するようである。
アルヴァロス・X・ラピッドマンもこの件で独自に調査を開始していた。
登場人物
①アルヴァロス・X・ラピッドマン
②エリオット警部(クロト.警察官)
③エリドロス警部(ラケシス.警察官)
④エリテッド警部(アトロポス.警察官)
⑤ディケ・ディネレス
⑥〈アウターマウカー〉(ステージ3)
ある日の午前中
ラケシスの町にある警察署の署内にある広い会議室では今回起きた事案でのクロト・ラケシス・アトロポスの三都市の刑事による合同捜査本部が設置された。
本来ならば重大な事案や事件や犯罪などが発生した時の大掛かりな捜査本部をまだ事件も犯罪も起きていない今回の事案で設置したのは非常に珍しい事である。
三都市の刑事が一堂に会した光景でありエリオット警部やディケ・ディネレスやエリドロス警部たちもいて 新顔のアトロポスの町の刑事であるエリテッド警部も参加していた。
捜査会議が続けられていた。
②「ん~~ これは……?」
③「事件も起きていないのに合同捜査本部とは…?」
④「しかし 何か起きてからでは遅いのでは…?」
⑤「はい 何でもこの事案が最優先事項なんだそうです。」
②「だがなぁ~ 幽霊だったら逮捕することも取り調べることも起訴することもできないからなぁ~?」
③「……」
④「……」
⑤「……」
②「アレだよ!? もう死んでいるんだよ!? 絶対に呪い殺されるって!」
③「……言ってて恥ずかしくないのか?」
④「……」
⑤「…エリオット警部…」
②「アレ? 信じない? 幽霊だよ?」
③「あのな! だいたい霊感や波長が合わないと逮捕以前に視えないだろう!?」
④「おい ツッコむところが違うぞ!」
⑤「ふふふ ここは捜査本部ですよね?」
②「だよなぁ~? あのアルヴァロス様でも幽霊ならば逮捕が不可能だと言っていたしなぁー?」
④「……」
エリテッド警部が後ろを振り向いて会議室の後方の右端の方を見ていた。
なんと! そこにアルヴァロスが一人で座っていて その近くには〈アウターマウカー〉が一体いて立っていた。
④「なぁ……」
エリテッド警部がエリドロス警部に小声で話しかけてきた。
④「あの方がアルヴァロス様なのか? 何であの方がここにいるのだ?」
③「ああ 確かにそうだが……何でここにいるかまでは知らない。」
すると今度はエリドロス警部がエリオット警部に小声で話しかけてきた。
③「エリオット警部よ 何でアルヴァロス様がここにいるのだ?」
②「ああ それは情報収集をするために来ているからだよ。」
③「…ということはアルヴァロス様も今回の事件に参加するつもりなのか?」
②「ああ 勿論 当然だよ アルヴァロス様はこの島の全域で捜査する事ができる権利が与えられている。 それに警察官僚上層部でアルヴァロス様に逆らう者はいないのだ。」
③「……」
④「はぁー 凄いんだなぁー」
エリテッド警部は少し呆れ顔で言った。
②「そう 本当に凄いのだ! これまでも数々の難事件を無事解決に導いてきている!」
ディケも小声の会話に入ってきた。
⑤「…ということは今回の事件も難事件になると…?」
②「いやぁ どうだろうか? 正直なところ 自分にもよく解らないのだよ…?」
③「ふむ 被害者には申し訳ないのだが…最悪 "気のせい" で終わるかもしれないからな。」
④「いや 解らないぞ! 何か巨大な陰謀や凶悪な組織が関与しているかもしれないぞ!」
⑤「私もそう思います!」
③「……」
②「その通りですよ! 一見 何でもない ただの事故が実は後からとんでもない事件に発展したケースを以前 何かの刑事ドラマとかテレビでやっていましたから!!」
④「まさにその通りだ!!」
⑤「うんうん きっと そうよ!!」
③「…」(コイツら…本当に警察官なのか…?)
エリドロス警部はまるで遠足に行く前日の子供が楽しみにしているように騒いでいる三人を見て「コイツら正気か!?」みたいな冷ややかな眼で見ていた。
―-―-―-―-―
やがて捜査会議も終わり刑事たちが立ち上がり捜査や調査などの対応に追われる中でアルヴァロスと〈アウターマウカー〉がエリオット警部たちの所までやって来た。
アルヴァロスがエリオット警部に話しかけてきた。
①「よし では まずは事件現場に行く 案内をしてくれ」
②「はい 判りました。」
するとエリテッド警部が直立不動でアルヴァロスに話しかけてきた。
④「自分たちも同行してよろしいでしょうか?」
①「ああ 構わんよ」
④「ありがとうございます!」
エリテッド警部たち三人は一礼をした。
⑥「……」
①「では 行こうか」
アルヴァロスたち五人と〈アウターマウカー〉は早速その例の通り道に向かって行った。
―-―-―-―-―
アルヴァロスたち五人と〈アウターマウカー〉は例の通り道に到着した。
その通り道は何処にでもある普通の道路であり道幅も普通であり道路の左右には約2m位の白い塀がありその向こうには住宅(一軒家・マンション・アパートなど)が沢山 並んでいた。
道路の右端には赤い自動販売機がぽつんとひとつあるだけである。
それを見ていたエリオット警部たちが……。
②「……普通…ですよね…?」
③「ああ 何処にでもある普通の道路だな?」
④「ここで背後から異様な気配や視線を感じる…ということですか?」
⑤「……?」
アルヴァロスは辺りを見渡した。
①「……」
⑥「それで…これからどうするつもりなのだ? アルヴァロスよ」
①「ああ それは夜にならないと出ないんだろう!?」
⑥「夜まで待つつもりか?」
①「ああ そのつもりだ 実際にこの眼で確認しておきたい どうなるのかを…?」
⑥「だが それには条件がある。」
①「ああ 判っている それならその条件を満たせばいいだけのことだ。」
そう言うとアルヴァロスはディケの方を見ていた。
⑤「………はい?」
⑥「なるほど…な」
アルヴァロスたちは夜を待って実際に女性が一人で歩くと背後から異様な気配や視線を感じるのかを実証する事になった。
―-―-―-―-―
『事件なき捜査』
※『それで…これからどうするつもりなのだ?』
アルヴァロスはラケシスの町の警察署で行っている合同捜査本部の会議に参加していた。
―――――――
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島のラケシスの町で起きたある通り道の不思議な現象。
夜道を一人で歩いていると……
ただ背後から感じる異様な気配や視線を解消させる為だけに三都市合同の大掛かりな捜査本部が設置された。
そこにアルヴァロスも参加していた。
一体何なのか!?
本当に何かあるのか!?
『化物の国』
〈アウターマウカー〉所有の化物島にある街の情報を表示したものである。
[見方]
街の名前
場所:人口(人数)
施設:様々な建物の多さ
A(多数).B(普通).C(少数)
交通:交通機関と手段の拡充
A(便利).B(普通).C(不便)
発展:街の発展度合い
A(最高).B(普通).C(最低)
人口総数:島内に居る人間の総人数
―――――――
【テミスモイラ】
[クロト]
◎北西部:1070人
●施設:A 交通:A 発展:B
[ラケシス]
◎中央部:1085人
●施設:A 交通:A 発展:B
[アトロポス]
◎南西部:1090人
●施設:A 交通:A 発展:B
[???]
◎北東部:0人
●施設:C 交通:C 発展:C
※人口総数:3245人
〈アウターマウカー〉
[ヘスティア]
◎南東部:52000人
●施設:B 交通:A 発展:C
【登場人物紹介】
[簡易型]
[エリテッド]
年齢:25歳
身長:175cm
出身:スペイン(国籍)
職業:警察官
何かの事情で化物島のアトロポスの町に移住してきた成人男性である。
階級は警部補→警部
現場刑事であり化物島に来てから警部に昇進していてやる気充分である。
【備考欄】
1.今回登場した〈アウターマウカー〉(ステージ3)は前回登場した〈アウターマウカー〉(ステージ3)と同一であり今回の件の担当である。
2.化物島の東部の "ヘスティア" では最近になって〈アウターマウカー〉たちが町名と共に本拠地・拠点を南方(南東側)へ移動していた事がわかった。
どういう意図があるのか不明なのだが もしかしたら北方で何かあったのか…?
3.島の三都市の警察組織は実はアルヴァロスによってつくられたと言う都市伝説がある。
詳細は不明で真実はどうだか解らないが人事権や階級制度などの重要事案もアルヴァロスが関与しているとか……?




