54.C【逃亡】
【06】
●化物島
◎アトロポス町 (第二の事件・続)
『連続女性殺人事件/犯人登場(正体不明)』
※『ヒヒヒ 今回は邪魔が入ったな 残念』
【アウターマウカー】
[M32/3月]
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島のクロトとラケシスの町では成人女性の殺人事件が連続して発生していた。
警察の捜査はクロトもラケシスも殺人事件がまだ解決していないのにその中でアトロポスの町でも遂に成人女性を襲撃しようとする "謎の敵" の "魔の手" が忍び寄るのであった…。
だがその襲撃をいち早く予測していた〈アウターマウカー〉たちが現場に急行していてその女性が殺される前に "謎の敵" と対峙する。
登場人物
①アルヴァロス・X・ラピッドマン
②アイザック・グラディデンス
③ヴィーナ・L・ヴァレンタイン(アイザックの侍女)
④エリオット警部(クロト.警察官)
⑤エリドロス警部(ラケシス.警察官)
⑥〈アウターマウカー〉(ステージ3)タイプC
⑦〈アウターマウカー〉(ステージ3)タイプD
ある日の夜
アトロポスの町の某所
アトロポスの町にある公園のような所を出た先の薄暗い裏路地の奥の方に黒い人影が浮いておりさらに少し距離をおいて二体の〈アウターマウカー〉と後からやって来たアルヴァロス・X・ラピッドマンとアイザック・グラディデンスの二人が立っていてその後ろには先程襲われて左腕を負傷して流血していた女性が立っていて既に簡単な手当てがされていて止血されていた。
ヴィーナ・L・ヴァレンタインやエリオット警部や他の刑事たちは車でアルヴァロスたちのいる現場に急行していた。
その黒い人影は突然のアルヴァロスたちの登場に少し動揺したのかその場で停止して動かないようである。
①「…っ!?」
②「なんだ? アレは?」
⑥「なるほど 本当に人間ではないようだな。」
⑦「ちっ! 一体いつ何処からやって来たのだ?」
②「おいっ! お前は一体何者なんだっ!?」
①「……何者なのだ?」(小声)
アルヴァロスとアイザックの二人がほぼ同時にその黒い人影に対して質問して "何者なんだ(なのだ)?" だけがダブって聞こえていた。
しかしその黒い人影は一切何も答えずにただ静かにじぃっとしていた。
⑦「ちっ! 黙りなのか? おいっ!」
⑥「…無口なのか? それとも口が無いのか?」
その時…
キキィーーッ!!
黒い人影の背後(アルヴァロスたちとは反対側)では複数の車が停止して到着していた。
ガチャッ! ガチャッ!
ヴィーナやエリオット警部や他の刑事たちが車を降りてきていて黒い人影の方を見ていた。
「…ひっ!?」
③「えっ!? なに? アレ?」
④「な 何ですか? アレは? 本当に居たのですか?」
⑤「ひいぃ ば 化物だっ!!」
アルヴァロスたちの方もヴィーナたちの到着に気がついたようである。
①「おお よし 来たか!」
②「これで挟み撃ちだな! 奴め! もう逃げ場はないぞ!」
⑦「よーし 追い詰めたぞ!」
⑥「奴め これで一体どうするつもりなのか? 見物だな」
すると挟まれてしまった黒い人影はキョロキョロと周囲を見渡していた。
③「うわぁー 何あれ? 気持ち悪いですよぉー。」
④「あれを一体どうやって逮捕すればいいのだ?」
エリドロス警部は他の刑事たちと話していた。
⑤「…! 何? 公園の中で男性が倒れているだと? すぐに救急車を呼ぶんだ!」
「はい 判りました」
数名の刑事が公園の中に入っていった。
⑦「喰らえ! よそ者!」
〈アウターマウカー〉の一体が黒い人影の方に向けて攻撃魔法を発動しようとした時…
チャポン!
なんと黒い人影は水泳選手がプールに飛び込むように地面の中に潜ってしまい姿を消してしまった。
⑦「な なんだとっ!?」
⑥「バカな! 地面の中に?」
②「なんだと下に逃げられたのか?」
①「なるほど さすがに地面の中では追えないか?」
③「嘘? 本当に何ですか? アレ?」
④「そんなぁ~ あんなの逮捕できないですよぉ~。」
⑤「なんと 無茶苦茶だな それと救急車はまだ来ないのか?」
「もうじき来ます 警部」
―-―-―-―-―
アルヴァロスたちが公園の中に入ると奥の方で一人の成人男性がズタズタに身体を引き裂かれて血塗れの状態で倒れていた。
それからまもなく救急車が公園に到着したのだが男性の方は既に死亡していて女性の方を乗せて病院に向けて走らせた。
しばらくして現場検証も終わり鑑識官が男性の死体を運び出していてそれをアルヴァロスたちが見送って眺めていた。
⑥⑦「……」
⑤「…遂に三人目の犠牲者が出てしまったのか? しかも今度はアトロポスの刑事が……。」
④「これは…刑事までが殺されてはもう打つ手なしですよ!」
⑤「…」(この人…感情豊かだな)
①「エリオット警部 拳銃の使用の許可は?」
④「はい 勿論 可能ですが…あの化物に通用しますかね?」
①「……」
その通りである。
その死体となった男性…アトロポスの町の刑事は格闘技の達人でありしかも事件時には現場で黒い人影に向けて拳銃の使用も確認されていた…。
…なのに殺されてしまったのである。
②「確かにエリオット警部の言う通りかもしれないな あの男性刑事はかなりの抵抗をしたはずなのにここまで凄惨な殺され方をされてはさすがにな…。」
③「しかし さすがは警察官ですね 自分の身を挺してまでも女性の方の命は護りぬいたのですから。」
④「その通りです! 彼はまさに警察官の鑑です! 名誉ある殉職ですよ!」
⑤「…」(…うるさい…)
①「……まぁ とにかく "アレ" がまた人を襲う可能性があるのかどうか?」
⑥「ああ そうだな 今回はあの女を殺害するのに失敗してしまったからまたあの女を殺害するのか? それとも別の女を殺害するのか? 解らんぞ!」
⑦「ああ あの様子だとまた誰かを殺害する可能性もあるかもしれないしな…。」
④⑤「…そんな…」
⑦「とにかく また策の練り直しだな もうこれ以上はよそ者の好き勝手なマネはさせないぞ!」
⑥「その通りだ 今度こそ我々の力を思い知らせてやるぞ!」
⑦「ふむ 行くぞ」
…そう言うと二体の〈アウターマウカー〉はその現場から立ち去ってしまった。
②「相変わらず張り切っているな 彼らは…。」
③「同じ化物同士 敵対心や縄張り意識があるのですかね?」
④⑤「…」(…動物か?)
①「…とにかく 今晩は私たちももう撤退しよう ここにいても "ヤツ" は現れんだろう?」
②「そうだな ここから逃げたと言うことであればもう出てこないだろう? あるいはまだこの周辺の何処かに隠れていてボクたちが帰るのを待っているのか?」
③「そうですね ここにいても仕方ありませんね。」
①「ふむ 帰ろう エリオット警部 エリドロス警部」
②「さぁ ボクたちも帰るよ ヴィーナ。」
③④⑤「はい 判りました」
こうしてアルヴァロスたちも一時退却することになり帰っていった。
アルヴァロスたちや警察官たちが帰った後であの黒い人影が潜った地面の中から頭だけ出していてキョロキョロと周囲を見渡してからまた地面の中に潜ってしまった…。
―-―-―-―-―
『逃亡と遺恨』
※『ヒヒヒ 今回は邪魔が入ったな 残念』
今回の連続成人女性殺人事件を起こしていた真犯人が遂に登場する。
―――――――
〈アウターマウカー〉が支配する化物島のクロトとラケシスの町で成人女性の殺人事件が連続して発生していてアトロポスでも成人女性の殺人未遂事件が発生した。
その女性の命は助かったのだが庇ってくれていた成人男性の刑事の方が女性の身代わりに殺害されてしまった。
警察にアイザックやアルヴァロスや〈アウターマウカー〉たちが犯人である黒い人影を追い詰めるのだが逃げられてしまい殺人事件はまだ未解決ままである。
『化物の国』
〈アウターマウカー〉所有の化物島にある街の情報を表示したものである。
[見方]
街の名前
場所:人口(人数)
施設:様々な建物の多さ
A(多数).B(普通).C(少数)
交通:交通機関と手段の拡充
A(便利).B(普通).C(不便)
発展:街の発展度合い
A(最高).B(普通).C(最低)
人口総数:島内に居る人間の総人数
―――――――
【テミスモイラ】
[クロト]
◎北西部:452人
●施設:C 交通:B 発展:C
[ラケシス]
◎中央部:465人
●施設:C 交通:B 発展:C
[アトロポス]
◎南西部:443人
●施設:C 交通:B 発展:C
※人口総数:1360人
〈アウターマウカー〉
[???]
◎東部:50000人
●施設:C 交通:C 発展:C
【備考欄】
『謎の敵』『黒い人影』と呼ばれている今回登場した正体不明の "モノ" の外見については平均男性身長の普通の人型で全身が手先.足先まで漆黒であり地面から少し浮いている状態で確認されている。
普通で一般的な人間が真夜中に "コレ" を見ればいかに危険でありかなり異常で恐怖であるかを本能で理解するだろう。
ちなみに "コレ" の目的やどうやって人間を殺害しているのかはまだ不明である。




