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アウターマウカー ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
C.【アウターマウカーの国編】
52/105

52.C【左足】

    【04】


化物島(テミスモイラ)

◎ラケシス町 (第二の事件・続)

   『連続女性殺人事件』


※『この死体には左足が無い…?』


 【アウターマウカー】


   [M32/3月]


悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島(テミスモイラ)のクロトの町で一人の成人女性の殺人事件が発生した。

その女性の死体には『右足が無い』のである。

しかも もし右足を切断したとすれば その為に発生しているはずの大量出血の形跡がないのである。


その後の警察の捜査により死後3日は経過しており その死体を解剖したところ心臓だけが何故か黒く変色していてドロドロに溶け始めていた。

また右足の切断部分を調べたところ何か鋭利なモノで切断されたような形跡があった。

死因については詳細不明であり大量出血死とされているのだが そこまでの大量の血液を出血させる為の大きな外傷は右足の切断部分以外には見当たらないのである。


まだまだ謎だらけの今回の殺人事件は警察とは別にアルヴァロス・X・ラピッドマンや〈アウターマウカー〉たちがそれぞれ独自で捜査を開始していた。



登場人物

①アルヴァロス・X・ラピッドマン

②アイザック・グラディデンス

③ヴィーナ・L・ヴァレンタイン(アイザックの侍女)

④エリオット警部(警察官)

⑤〈アウターマウカー〉(ステージ3)



 ある日の朝


アルヴァロスとアイザックとヴィーナの三人は別荘の庭に出ていて木で造られたテーブルの上に今回の女性殺人事件についての様々なデータが書いてある資料・書類をひろげていた。


①「ふむぅ まず殺害方法がいまいちよく解らないなぁ。」

②「死因は大量出血死か? その犯人が血液を持ち去ったのか? そして右足もか…?」

③「心臓が黒く変色してドロドロに溶けてきていたのは何故なのでしょうか?」

②「さぁ? 何故だろうね? まぁ 確かに普通ではないようだね。」

①「心臓が黒く変色か? 死因は失血死かな? これは…? いや だが それとも…?」

②「ん? どうした? アルヴァロスよ そんなに死因が気になるのかい?」

①「いや まぁ それほどでもないんだがな どうも気になっていてな。」

②「ほう なるほど そうかい ヴィーナの方は何か気になることでもあるのかい?」

③「あっ はい 私はやはり右足の行方が気になりますね。」

②「ふむ なるほどね」

①「……」

そこで三人共にまた考え事をしている為に話しは止まってしまった。


   ―-―-―-―-―


 ある日の昼前


 タッタッタッタッ…!


そこにエリオット警部がまた走ってやって来ていてテーブルの前で止まった。


④「はぁはぁはぁはぁ…」

①「おお エリオット警部 そんなに慌ててどうしたのだ?」

③「ん?」

②「ん? どうした?」

④「た 大変です! また殺人事件が起きました!」

①②③「…っ!?」

④「今度はラケシスの町で殺人事件が発生しました。」

①「何? ラケシス…だと?」

②「ラケシスの町はここからだと少し遠いな 飛んでいくのか? アルヴァロスよ」

④「皆さん ご心配ありません 車を用意してありますので それで行きましょう。」

③「はい 判りました。」

②「おお そうか わかった」

①「……」

エリオット警部が用意した車にアルヴァロスたち四人が乗り込みラケシスの町で起きた殺人事件の現場に向かった。


   ―-―-―-―-―


ラケシス町の某所にて

今回も公園のような所である。

その公園には緑色の規制線で囲まれていて事件現場は緑色の大きなブルーシートで覆い隠していてその周辺では複数の警察官や鑑識官たちが慌ただしく作業や行動をしていて規制線の外では大勢の野次馬が見にきていて騒いでいた。


ブルーシートの周辺では前回登場した〈アウターマウカー〉が既に来ていて事件現場の様子を見ていて そこに到着していたアルヴァロスたち四人が規制線の中にまで入りブルーシートの所まで歩いて近づいてきた。


①「ここか? エリオット警部」

④「はい そうです」

アルヴァロスたち四人の到着に気づいた〈アウターマウカー〉が近づいてきた。

⑤「…来たか 諸君」

②「ああ また殺人事件なのかい?」

⑤「ふむ 残念ながらそういう事だな。」

③「……」

①「それでエリオット警部 今回起きたその殺人事件の現場とやらに案内してもらおうか。」

④「はい こちらです」

そう言うとアルヴァロスたち五人はブルーシートの中に入っていった。



今度もまたそこには "若い成人女性" が仰向けで寝ている死体があり髪は "銀色のロングヘア" に眼は "ブルーサファイアの瞳" に口は "ピンク色の口紅" …服装は上が "水色の女性用ワイシャツ" に下が "膝までの藍色のロングスカート" に靴は "黒色のハイヒール" を履いていて…死体の横には "白色の小さな手持ちバッグ" が置かれており中身が散乱している状態…口には口紅とは違う吐血した跡が残っているのだがそれ以外に特に目立った大きな外傷はなさそうである…ただ今度は『左足が無くなっている』…という事だけをのぞけば…。

今度も一見して普通の死体のようであるのだが…?


④「え~と 今回も『女性・成人・欧州の人間』ですね 氏名は○○で年齢は―――」

その女性が持っていた身分証で身元はある程度判っているようでありエリオット警部の説明が一通り終わるとアルヴァロスが早速(さっそく)質問してきた。

①「…で 今回の死因は…?」

④「それが今回もまったく解りませんね いやぁ 一体どうやって殺害しているのやら?」

①「またか? 解剖待ちか? エリオット警部」

④「…はい…」

①「ふむぅ ならば次も心臓を調べてくれないか? 変色・状態などもな…」

④「はい もちろんですよ。」

③「…」(今度は左足が無いのかしら?)

②「今度もまた公園での殺人事件か? それで目撃者や目撃情報もないのか?」

④「はい 今はまだ捜査中なのですが今のところはまだ見つかっていないようです。」

⑤「ほう こうまで隙のない鮮やかな手口だと最早(もはや)素人の仕業とは思えんな。」

④「……」

③「今度は左足がありませんね? 切断されたと言うことですかね?」

①「ああ そのようだな」

そう言うとアルヴァロスはこの女性の死体の右足付近に落ちてある黒色のハイヒールの左足用の方を見ていた。

③「…」(確かに左足用の靴はありますね…)

②「…で切断された左足の行方は今度もやはり…?」

④「はい 残念ながら今回もこの公園の中を捜索していますが未だに見つかっていません。」

⑤「まったく やれやれだな 今度は左足か? 犯人は一体なんのためにこんな事を…?」

③「確かに何故…? 今度も右足ではないのですかね?」

ヴィーナは不思議そうな顔をしていてそれを見ていたアイザックは…。

②「ふふふ それはヴィーナ もしかしたら 犯人は死体の五体を集めているのかもね?」

アイザックは半ば冗談で言ったのだがそれにアルヴァロスと〈アウターマウカー〉が鋭く反応していた。

①「…っ!?」

⑤「…っ!?」

③「やはり 今度もまた左足を切断された…というのに "血液" がありませんね?」

やはり今回も女性の死体の左足付近には血痕や流血などの跡がほとんどなかったのである。

⑤「はぁ? 今度もまた血液が奪われたのか?」

②「いやぁ 血液なんか盗んで犯人は一体何をするつもりなのかね? まさか "輸血" でもするつもりなのかね?」

またアイザックの半ば冗談めいた発言にアルヴァロスと〈アウターマウカー〉が鋭く反応していた。

①「…っ!?」

⑤「…っ!?」

④「まったく やれやれですよね… また厄介な殺人事件が発生しましたよね? この手口だと どうやら連続殺人事件のようですかね?」

③「ええ そのようですね?」

①「……」

⑤「……」

アルヴァロスと〈アウターマウカー〉は女性の死体の左手の方を眺めていた。

②「あれかな? もしかして彼女も魔法使用者なのかね?」

そう言うとアイザックは女性の死体の左手の薬指を見てみると何かの指輪がついていた。

②「おお やはりな! エリオット警部 彼女もまだ独身者だよね?」

④「あっ はい 彼女も独身ですよ。」

②「〈アウターマウカー〉よ この指輪を確認してくれ。」

そう言うと〈アウターマウカー〉は女性の死体の左手の薬指についている何かの指輪を確認していた。

⑤「間違いない これも指輪型の[WCD]のようだな つまり彼女も魔法使用者だったようだな。」

④「えぇっ!? それでは彼女も魔法が使用できたのですかっ!?」

⑤「ああ そうだ この[WCD]にも使用した形跡があるようだな。」

④「えっ!? それは一体どういうことですかっ!?」

③「……」

②「なるほど もしかしたら 彼女も犯人と魔法の戦闘をしていた…と言うことなのかな?」

①「これはもしかして魔法使用者の女性だけを狙った犯行…殺人事件なのか?」

⑤「ああ おそらくな」

④「えぇーーーっ!! そんな バカなーーーっ!!」

エリオット警部は大変驚いていた。

②「この左足の切断も魔法の戦闘によるものなのか?」

⑤「いや そこまではまだ解らないな。」

③「うーん? ますます難しそうですね この連続殺人事件は…?」

①「……」

そして鑑識官たちは今回の女性の死体を外に運び出していて その様子を見ていたエリオット警部が…。

④「はぁー クロトの殺人事件もまだ解決していないのに今度はラケシスでも殺人事件とはね… これはまた大変だよなぁー…。」

①「ふふふ 頑張れ!」

こうしてアルヴァロスたちは今回また新たに発生した殺人事件に困惑しているのだが…。



   ―-―-―-―-―



  『連続女性殺人事件』

※『この死体には左足が無い…?』

今回もまた成人女性の殺人事件が起きてしまい この事件の介入もする事になった。

  ―――――――

〈アウターマウカー〉が支配する化物島(テミスモイラ)で今度はラケシスの町で成人女性の殺人事件が発生した。

前回 クロトの町で発生した成人女性の殺人事件がまだ解決していない中でアイザックやアルヴァロスや〈アウターマウカー〉たちがこの事件も捜査に参加する。

早速(さっそく)事件現場に到着したアルヴァロスたちは前回と同じ内容の女性の死体を見て これもまた色々と不自然かつ不可解な難事件であると予想される事になる…。



   『化物の国』

〈アウターマウカー〉所有の化物島(テミスモイラ)にある街の情報(データ)を表示したものである。

 [見方]

街の名前

場所:人口(人数)

施設:様々な建物の多さ

 A(多数).B(普通).C(少数)

交通:交通機関と手段の拡充

 A(便利).B(普通).C(不便)

発展:街の発展度合い

 A(最高).B(普通).C(最低)

人口総数:島内に居る人間の総人数

  ―――――――

 【テミスモイラ】

 [クロト]

◎北西部:410人

●施設:C 交通:B 発展:C

 [ラケシス]

◎中央部:430人

●施設:C 交通:B 発展:C

 [アトロポス]

◎南西部:420人

●施設:C 交通:B 発展:C

 ※人口総数:1260人

〈アウターマウカー〉

 [???]

◎東部:50000人

●施設:C 交通:C 発展:C



    【備考欄】

1.この化物島(テミスモイラ)に存在している〈アウターマウカー〉たちは他の〈アウターマウカー〉と違っていて知能的であり理性的でもあり確かに化物ではあるのだが人間をやたらむやみに襲ったりしないし協力的でもあるようだ。

2.今回の連続女性殺人事件はクロト・ラケシスの町で起きた事件ではあるのだが捜査本部はクロトの町の警察署に設置していて今後もここが拠点となる。


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