50.C【警察】
【02】
●化物島
◎クロト町 (第一の事件・続)
『赤ちゃんの誘拐事件』[解決編]
※『警察共を出し抜くぞ!』
【アウターマウカー】
[M32/2月]
悪魔的化物〈アウターマウカー〉が支配する化物島では前回の出来事でクロトの町の住民でもあるエヴァルシスとエイレネの夫婦の赤ちゃんが何者かに誘拐された事件が発生していたのである。
夫婦の赤ちゃんは無事に取り戻したのだが赤ちゃんを誘拐した犯人はまだ捕まっていない。
この事件は【ゼロ】でもある『アルヴァロス・X・ラピッドマン』の活躍によって半分以上は解決できたはずなのだがそれでも納得はできずに未だに調査を継続していたのである。
登場人物
①アルヴァロス・X・ラピッドマン
②〈アウターマウカー〉(ステージ3)タイプA
③〈アウターマウカー〉(ステージ3)タイプB
④エリオット警部(警察官)
ある日の朝
アルヴァロスはクロトの町の北側のはずれにある自分の別荘の庭にいてそこに置いてある木で造られたテーブルとイスのイスに座り両足をテーブルの上に置いていてまた何かの本を読んでいたのである。
―-―-―-―-―
そこに今度は二体の〈アウターマウカー〉が訪ねにやって来ていた。
二体の〈アウターマウカー〉が別荘の庭に入ってくるとアルヴァロスはそのまま動かずに本を読んでいる状態で庭に入ってきていてテーブルの前で立っていた〈アウターマウカー〉たちに声をかけてきた。
①「…何か用か…?」
②「ご無沙汰だったかな? アルヴァロスよ」
③「それで…その後の進展はどうなんだ? アルヴァロスよ」
①「…進展…?」
②「…??」
③「ああ 例の赤ん坊の誘拐事件のことだよ その後も調べているのだろう?」
②「…あぁ それか…」
①「ふむぅ そのことか それが少し複雑な事件でなぁ~ 少し厄介なのだよ。」
③「…複雑…? …厄介…?」
②「…何? 誘拐事件…がか…?」
①「ああ そうだよ あれから多方面から色々と調べているのだがなかなか厄介なことが判ってきていてな 非常に複雑な事件になってきているのだよ。」
③「…何? それは一体どういう事なのだ? アルヴァロスよ」
②「…??」
①「以前 若いご夫婦が自分たちの赤ん坊が誘拐されたと言ってきて発覚したこの誘拐事件なのだがここ最近では赤ん坊の誘拐事件が複数で同時多発しているようでなぁ~。」
③「…何? あちこちで赤ん坊の誘拐事件が…?」
①「ああ しかも警察はいい加減な捜査しかしていないとして未だに犯人も見つかっていないそうで被害者も困り果てているそうなんだよ。」
②「なんとそんな "ザル" な捜査を警察が…?」
③「ちっ! なるほどな やはりあの噂は本当なのかもな…?」
①「…ふっ」
②「…噂…?」
③「ああ 我が街でも今回起きている赤ん坊の複数の誘拐事件を "わざと" 手を抜いて捜査しているのではないか? …と疑問を持つ市民もいるそうだぞ。」
①「……」
②「わ わざと…だと…?」
③「ああ そういう噂が我が街のあちこちで聞かれるようになってきている。」
―-―-―-―-―
ある日の昼前
タッタッタッタッ…!
すると…一人の人間の男性がアルヴァロスや〈アウターマウカー〉たちがいる別荘の庭に走って入ってきていてテーブルの前に立っていた。
④「はぁはぁはぁはぁ… アルヴァロス様 た 大変です!」
②③「…!?」
①「おお エリオット警部! どうしたのだ?」
走ってアルヴァロスたちがいる別荘の庭にやって来た男性はクロトの町の警察官で名前はエリオット 警部であり刑事でもある。
④「大変です! 例の赤ん坊の誘拐事件の犯人が捕まりました!」
②③「何っ!? バカなっ!? 何で急に捕まったのだ!?」
①「ふむ その犯人は一人だけなのか?」
④「は はい 一人だけですが… それが何か…?」
①「それはおかしいな 今回の赤ん坊の誘拐事件は複数で同時多発に起きているのだ 一人の人間だけで起こせる事件ではない。」
②③④「あっ…!」
①「今回の事件は組織的な犯行で複数人の犯人がいなければ成り立たない犯罪であり非常に複雑なはずなのに何故こんな急に簡単に犯人が見つかったのか…? これはもしかすると "冤罪" の匂いがするかもな。」
④「それは警察が "わざと" 早く犯人を捕まえた…? 事件を早く終わらせる為に…?」
②「なんとそんな事が…?」
③「なんでそんな事をする必要があるのだ? 我にはよく理解できないのだがな。」
①「ふむ なるほどな ところでエリオット警部 例のヤツはどうなったのか?」
④「ああ そうでした これをアルヴァロス様に―――」
そう言うとエリオット警部は持っていた茶色で大きめの封筒をアルヴァロスに手渡していてそれを受け取ったアルヴァロスは立ち上がり封筒の中から複数枚の白い紙の何かの資料・書類を取り出していてそれをテーブルの上に並べて置いていた。
①「…むむっ!?」
②「なんだ? これは?」
③「…ん? 何かのデータなのか…?」
④「…それが全部です アルヴァロス様」
①「そうか そういう事なのか やはり私の読みは当たっていたらしいな。」
②「…??」
③「なんだと? それは一体どういう事なのだ?」
④「……」
①「エリオット警部 先程 警察が赤ん坊の誘拐事件の犯人を捕まえたと言っていたな?」
④「あっ はい 逮捕しました そこの資料に書いてある通りの『男性・一人・成人』とありまして…犯行は自供していません 現在も『否認』しています。」
①「当然だな 彼はやっていないからな だから犯行を話しようがないのだよ。」
②③「…えっ!?」
④「……」
①「そして私が今まで集めた情報とエリオット警部が持ってきてくれたこの内部資料と私の推理により今回複数で確認されている同時多発の赤ん坊の誘拐事件の犯人も既に判っている。」
②③「…何…?」
④「……」
アルヴァロスの説明に二体の〈アウターマウカー〉が疑問がるのに対してエリオット警部の顔色が変わりうつむいてしまっていた。
それを見ていたアルヴァロスは続いてこう言っていたのである。
①「ふふふ なるほどな やはりエリオット警部は既に気づいていたのか 一体誰が犯人なのかを… さすがだな」
③「な なんだと? それは本当なのか?」
②「なんと 知っているのか? エリオット警部は…?」
④「…け け 警察…ですか…? アルヴァロス様」
①「ふむ 正解! その通りだ! エリオット警部」
③「な 何っ!? バカな!? そんな事が…?」
②「ちょっ ちょっと待ってくれ! それって一体どういう事なのだ!?」
①「ふふふ よかろう もう一度わかりやすく言ってやろう 今回複数で同時多発で起きている赤ん坊の誘拐事件の犯人は警察組織全体の犯行なのだよ そしてその警察が逮捕したと言う男性はまったくの無関係で無実の罪で捕まった男なのだよ。」
③「な なんと!!」
④「ぐぅうっ!」
②「なんと言う事なのだ? では誘拐された赤ん坊たちは一体何処にいるのだ?」
①「それは警察署の何処かに居るのだろうな 捜索すれば見つかるはずだ。」
③「だが動機はなんだ? 一体なんの為にそんな事をするのだ?」
①「さぁ? そんな事は犯人にでも聞いてみな まぁ だいたいが身代金目的なのであろうがな これだけの赤ん坊を誘拐したのだから相当の身代金が手に入ると予想したのかもな。」
②③「……」
④「くっ! 結局 金か!!」
①「ふむ それ以外の動機は解らんな」
③「それでこれからどうするつもりなのだ? アルヴァロスよ」
①「クロト・ラケシス・アトロポスの町の警察署の署内を徹底的に調べれば赤ん坊が見つかるはずだな 君たち〈アウターマウカー〉の権利で調査できるようにすればいいのではないのか。」
④「…むむっ!?」
②「おっ なるほど それなら確かにできるな」
③「だがもし赤ん坊が見つからなかったらどうするつもりなのだ? アルヴァロスよ」
①「ふふふ それなら〈アウターマウカー〉による署内定期点検調査などとか言っておけばいくらでも説明ができるだろう それでこれからは好きな時に定期点検調査ができるキッカケにもなるしな。」
②③「おおっ! なるほど! さすがはアルヴァロスよ!!」
④「確かにさすがは天才 【ゼロ】のアルヴァロス様です。」
①「ふふふ これでこれからは警察であろうとも好き勝手にはできないだろうな。」
④「……」
②「ふむ その通りだ! よし すぐに手配しよう! 警察共が赤ん坊を別の場所に移動させない為にも今のうちにな!」
③「ああ 急いで行動だな! 警察共を出し抜くぞ!」
②「おうっ!!」
そう言うと二体の〈アウターマウカー〉は慌てて急いで何処かに飛び去っていった。
―-―-―-―-―
それを見ていたアルヴァロスは…。
①「ふふふ 張り切っているな 彼らは… また彼らの面白い一面が見れたな。」
④「……」
エリオット警部は呆然と立っていてそれを見ていたアルヴァロスが警部に声をかけてきた。
①「言わずとも判っていると思うがこの事は内密にな エリオット警部」
④「ええ 判っています 僕も警察官です こんな非道は許せません!」
①「ふむ それと覚悟する事だな これからは警察は市民からの "厳しい目" を向けられる事になるからな。」
④「ええ そうですね 警察でありながら赤ん坊を誘拐するなどの外道は世間からは徹底的に叩かれるべきです それがたとえ "裏切り者" の烙印を押されようとも〈アウターマウカー〉の判断に従います それが信頼回復の一歩だと思っています。」
①「ふむ そうか いい覚悟だ エリオット警部」
④「はい 今回は事件解決に協力していただいて本当にありがとうございました。」
①「ふむ 頑張れ これからは君のような者が上に立つべきだろうからな。」
④「はい!!」
そう言うとエリオット警部はアルヴァロスに向けて敬礼をして立ち去っていった。
―-―-―-―-―
そして後日に〈アウターマウカー〉たちは警察署内の定期的点検調査という名目でクロト・ラケシス・アトロポスの町の三都市の警察署内を一斉に同時調査をする事になり…調査した結果でなんと三都市の警察署で約50人の赤ちゃんが見つかったと同時に誘拐事件に関わった警察官全員(ヒラ・幹部・男女問わず)はこれまたなんと約50億円の身代金の要求を準備していたのである。
今回の赤ちゃんの誘拐事件で関わった三都市にいる警察官全員(ヒラ・幹部・男女問わず)が犯人となりその後は〈アウターマウカー〉たちによって隔離場所での無期限の監禁・監視処分となり誘拐事件に関わっていなった警察官だけがそれぞれの街に残ることが許されたのである。
そして約50人の赤ちゃんは無事に両親のもとに戻すことができたと同時に "冤罪" で逮捕された男性も無事に釈放されたのである。
こうして赤ちゃんの誘拐事件は終了したのである。
―-―-―-―-―
『警察犯人』
※『警察共を出し抜くぞ!』
〈アウターマウカー〉たちはアルヴァロスの協力を得て今回の赤ちゃんの誘拐事件を完全に解決しようとしていた。
―――――――
〈アウターマウカー〉が支配する化物島のクロトの町で赤ちゃんの誘拐事件が発生した。
だがラケシス・アトロポスの町でも同時多発で赤ちゃんの誘拐事件が発生していた。
そこに警察は一人の無実の罪の男性を逮捕していて赤ちゃんの誘拐犯人に仕立て上げてしまった。
それに疑問を持った〈アウターマウカー〉やアルヴァロスは水面下で調査していて犯人が "警察" であることを突き止めたのである。
結局は赤ちゃんの誘拐事件に関わった警察官全員(対象者全員)は〈アウターマウカー〉たちによってある場所で無期限の監禁・監視されることになり誘拐されていた赤ちゃんたちも全員無事に両親のもとに戻ってきていて無実の罪の男性も無事に釈放されていて今回の出来事は三都市の市民に広く知られることになった。
『化物の国』
〈アウターマウカー〉所有の化物島にある街の情報を表示したものである。
[見方]
街の名前
場所:人口(人数)
施設:様々な建物の多さ
A(多数).B(普通).C(少数)
交通:交通機関と手段の拡充
A(便利).B(普通).C(不便)
発展:街の発展度合い
A(最高).B(普通).C(最低)
人口総数:島内に居る人間の総人数
―――――――
【テミスモイラ】
[クロト]
◎北西部:295人
●施設:C 交通:C 発展:C
[ラケシス]
◎中央部:305人
●施設:C 交通:C 発展:C
[アトロポス]
◎南西部:310人
●施設:C 交通:C 発展:C
※人口総数:910人
〈アウターマウカー〉
[???]
◎東部:50000人
●施設:C 交通:C 発展:C
【登場人物紹介】
[簡易型]
[エリオット]
年齢:28歳
身長:170cm
出身:フランス(国籍)
職業:警察官
何かの事情で化物島のクロトの町に移住してきた成人男性である。
階級は警部
ヒラの現場刑事であり誠実で正義感が強いようである。
【備考欄】
1.今回登場した二体の〈アウターマウカー〉は前回登場した〈アウターマウカー〉とはまた違った別の個体の〈アウターマウカー〉であった。
2.アルヴァロス・X・ラピッドマンは【ゼロ】行事の一環として今回の赤ちゃんの誘拐事件の最中にもスイスに行っており[【ゼロ】選考会]に出席していた。
3.今回の赤ちゃんの誘拐事件の犯人とされて〈アウターマウカー〉により場所特定不可能で監視下に置かれていた警察官全員はその後に『悪魔ウィルス』の "実験台" (最終処分)にされたと言う噂が街中に流れていたという…。




