45.B【17】
【アウターマウカー】
1月 アジア地域【イズマリィドゥ連合王国】
◆◇◆◇◆◇◆
中央部の拠点で反乱軍の本隊と悪魔的化物〈アウターマウカー〉連合部隊(化物軍)の戦闘が行われていて多大な被害を出した反乱軍の本隊は東部の本拠地(王宮殿)まで退却して化物軍に対する反撃準備をしており残存勢力の全軍の約二十万の数の兵士で化物軍に全力で挑むつもりでいた。
一方の〈アウターマウカー〉の部隊も多少の被害を出しながらも残存勢力の全軍の約二万近くの数の同胞で反乱軍の本隊に全力で挑むつもりでいて戦闘準備をして中央部の拠点から東部の本拠地に向けて侵攻を開始した。
ここに両軍ともにこの "イズマリィドゥ連合王国" の命運を賭けた最終決戦を東部の本拠地で迎える事になるのだが…。
◆◇◆◇◆◇◆
反乱軍の本隊を率いている大将軍や最高幹部たちは再び東部の本拠地の王宮殿に戻っていてこの後どうするかを話し合う為に集まっていた。
ある日の昼
東部:王宮殿の別室
反乱軍の本隊を率いる大将軍や最高幹部たちはこの特別部屋に集まって話し合っていた。
「…むぅ~~」
「…く くそっ!」
「…な なんという事なのだ 我が軍の損失は計り知れないようだな。」
「これで我が軍はこの戦いで約三十万の数の兵士を失った事になるぞ。」
「そんなバカな事が起こるなんてあり得ないぞ。」
「このままでは我々は滅んでしまうのか…?」
「ま まさか ここまできて我々はこのまま奴らに殺られてしまうのか…?」
「ふ ふざけるなっ!!」
「イヤだっ! まだ死にたくないっ!」
「そうだ! この国を棄てて逃げよう もうこんな事はまっぴらだ!」
「…な 何? この国を放棄して逃亡するというのか…?」
「…バ バカな そんなことが許されるというのか…?」
「…ぐぅっ!」
最高幹部たちが激しく動揺しており非常に混乱していた。
「おいっ! 皆 少しは落ち着け!」
そんな最高幹部たちを見た大将軍が一喝した。
「……っ!!?」
最高幹部たちが一斉に大将軍の方を見た。
「…な 何? 落ち着けだと… これが落ち着いて…」
大将軍がさらに一喝した。
「バカめ! 逃げるだと…? だいたい一体何処に逃げるというのだ…?」
最高幹部たちがうろたえていた。
「…そ それは…」
「…た 確かに…」
「忘れたのか? 我々は誓ったはずだ もう後戻りができないと…覚悟を決めたはずだと…」
「…くぅっ!」
「我々はもう逃げる事はできない いや 許されないはず そうだ 我々はこの国と共に滅ぶのだ!!」
「…むぅっ!」
「我々は最後までこの国の為に戦うのみ そして戦死するのだ 生き恥を晒すようなマネをするなっ!」
「…ぎぃっ!」
「…わかるな? 同志たちよ」
「……」
すると突然一人の兵士が部屋に入って現れた。
「申し上げます!」
「…なんだ? 言ってみろ」
「はっ! 化物軍がこの東部まで侵攻してきました。」
「……っ!!?」
「なんだとっ!? それは本当なのかっ!?」
「はっ! これは確認情報です。」
「…は 早いぞ? もう来ているのか? 化物軍は…」
「…ヤバイぞ コレは…」
「確かにこれではもう我々には後がないぞ!」
「ああ ここまできたら玉砕しかないのか?」
「もうここまで近づいてきているのか…? 化物軍は…」
「もうこの東部に一気に攻めるつもりなのか…?」
「まさか 我が軍の反撃準備が整う前にこの東部に侵攻してきたというのか…?」
「ちぃっ! 畜生ー! まずいぞ!」
「すぐにこちらも戦闘準備をして臨戦態勢を整える様に急がせるんだ!」
「ああ 急いで兵士の士気を上げて武器の調達をしておく様に伝えておけ。」
「とにかく急がせるんだ いいな!」
「はっ! 了解しました。」
さっき部屋に入ってきた一人の兵士は部屋を出て立ち去った。
「急げ 取り返しがつかなくなる前に…」
「くそっ! もう化物軍のこれ以上の好き勝手なマネはさせないぞ!」
「ああ そうだ 化物共め これ以上の侵攻は許されないぞ!」
「よし これで最後だ こちらも迎え撃つ為に出陣するぞ。」
「…ああ わかった…」
その後も大将軍や最高幹部たちは話し合いを続けていた。
◆◇◆◇◆◇◆
一方の同時期で王宮殿の国王たちがいる別の一室では…。
東部:王宮殿の別室
国王をはじめ王族や要人・政府関係者などが人質として拘束された状態で部屋にいて国王(O)が付き人たちと話し合っていた。
O「な なんだと! それは本当なのか?」
「はい 間違いありません。」
O「…な なんという事なのだ そんなことが…あ あり得ない…」
国王はとても驚愕していてひどく動揺していた。
O「…ば 化物共が…」
「…は はい…」
O「…そ それで化物軍はこの東部まで攻めてきているのか…?」
「はい もうこの王宮殿の近くまで侵攻しているという噂も聞いているのですが…」
O「おお それで反乱軍はどうするつもりなのだ?」
「おそらくは全軍で迎え撃つつもりだと思います。」
O「…な なんとバカなことを…それでは…」
「ええ この東部が…この王宮殿が戦闘に巻き込まれる可能性もあります。」
O「まさか この国が化物共に支配されてしまうのか?」
「……」
O「それともあの不忠者の反乱軍に支配されてしまうのか?」
「……」
O「今の私には何もできずにただ見守るしかできないのか?」
「……」
その後も国王たちは話し合いを続けていた。
◆◇◆◇◆◇◆
さらにその同時期では化物軍である〈アウターマウカー〉の部隊の同胞は遂に東部に浸入していて拠点(人間がいない)となる某所に到着していた。
ある日の夜
東部:拠点某所
〈アウターマウカー〉a.b.c連合部隊の同胞は東部の拠点にいてa部隊の上位連中とb部隊の上位連中とc部隊の上位連中が話し合っていた。
a「……」
b「やっと東部に到着したな 同胞たちよ」
c「ああ 遂に来たな じつに長かったよ」
b「ああ ここまで来るのにどれだけの労力と犠牲を払ってきたのか解らない。」
c「ああ だがここまでくればあとはもう反乱軍と対峙するだけだな。」
a「……」
b「ふむ 反乱軍の残りの約二十万の数の兵士ならば我々の射程内に入ったも同然だな。」
c「ああ あとは反乱軍を倒せば全てが終わる これでこの国も…」
b「…ふっ 慌てるな 同胞よ 我々はまだまだ道半ばだよ。」
c「ああ そうだったな」
a「……」
b「…それでこれからどうするつもりなのだ? 同胞よ」
c「そうだ 何か作戦でもあるのか?」
a「そうだな 反乱軍から攻めてきてくれればまだなんとかなるのだがな?」
b「ほう なるほどな では様子見ということだな。」
c「ふむ ならば反乱軍から攻めるまで待つつもりなのか?」
a「ああ 我々はせっかく反乱軍の懐に入ったのだ まだ慌てる必要はない。」
b「ふふふ 確かにそうだな ここで静観していたら痺れを切らせていずれ反乱軍の方からきっと…」
c「くっくっくっ なるほどな 反乱軍の精神的な揺さぶりをかける訳だな。」
a「まぁ そういうことだな。」
b「それならばこちらの守りを固めるか? 同胞よ」
c「ほほう それはいい 反乱軍はさらに混乱するかもしれないな。」
a「……」
その後も〈アウターマウカー〉a.b.c連合部隊のa部隊の上位連中とb部隊の上位連中とc部隊の上位連中は話し合いを続けていた。
‥‥‥‥‥‥‥
遂に〈アウターマウカー〉の部隊も東部の拠点に到着したがすぐには攻めないようだ…。
どういうつもりなのか?
そして次回こそはこれから本当の反乱軍との最終決戦が始まるのか…?
つづく
『今回の出来事』
[簡易型]
中央部の拠点まで来て〈アウターマウカー〉連合部隊と戦闘していた反乱軍の本隊は東部の本拠地(王宮殿)まで戻って来ていた。
さらに〈アウターマウカー〉連合部隊に対して反撃準備をしていたのだがその隙をついて〈アウターマウカー〉連合部隊が東部の拠点まで侵攻してきていた。
それに気づいた反乱軍の本隊を率いている大将軍や最高幹部たちはさらに動揺して戦闘準備を急がせるのだが一方の〈アウターマウカー〉連合部隊の方はすぐには攻めずに落ち着いており静観している。
次回の両軍は一体どう行動するのか…?
『今回の現状』
[簡易型]
【イズマリィドゥ連合王国】
(国内)
東
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化 本
物 隊
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化物…〈アウターマウカー〉a.b.c連合部隊
本隊…イズマリィドゥ連合王国の反乱軍(本隊)
『各軍の戦力』
[簡易型]
今回の各軍隊の戦力データを比較してみた。
[見方(見本)]
国名:軍隊名(どこかの軍)
場所:兵力(当初→現在)
武器…武器数量:A(多数).B(普通).C(少数)
魔法…攻撃魔法:A(強力).B(普通).C(弱小)
経験…戦闘経験:A(豊富).B(普通).C(不足)
士気…兵士士気:A(向上).B(普通).C(低下)
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[各軍.戦力データ]
【イズマリィドゥ連合王国】
■反乱軍(本隊)
東部:200000人
◎武器:B 経験:B 士気:C
■〈アウターマウカー〉a
東部:6200人
◎魔法:A 経験:A 士気:A
■〈アウターマウカー〉b
東部:6200人
◎魔法:A 経験:A 士気:A
■〈アウターマウカー〉c
東部:7400人
◎魔法:A 経験:A 士気:A




