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アウターマウカー ~セイント.ワールド.ゼロ.オブ.ゴッド.フォー~  作者: 南かずしげ
B.【悪魔的化物の王国編】
37/105

37.B【09】

 【アウターマウカー】


11月 中東地域【CCC国】


   ◆◇◆◇◆◇◆


政府軍の先鋒隊が悪魔的化物〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊に初の敗北を(きっ)してしまった。

先鋒隊の軍勢は甚大な被害を受けてしまいさらに中央部の拠点も放棄(ほうき)して東部の本部まで逃亡してしまいもう後がなくなっていた。

政府軍は最後の戦いの為に東部の本部を要害とし最大限の準備をして残った全勢力をもって敵(化物)を迎え撃つつもりの様だった。


一方の〈アウターマウカー〉の部隊は西部の拠点と南部の拠点にそれぞれ戻った後はそのまま動かずにまた静観して様子を見ている様だった。

彼らは一体何を狙っているのか凡人にはまったく理解できないのであった。


   ◆◇◆◇◆◇◆


 ある日の夜


CCC国:東部

[政府軍:総司令本部]

ここに政府軍の軍最高幹部が集まり戦況・戦場などの状況を確認しながら今度の方針や戦略を決めている。

ここには約二万四千人の数の兵士が常駐している。

連日どのように敵と戦闘を行うかを話し合っていて化物相手にどう攻めていいか思案中であった。

「…ふむぅ」

「またか? 何故攻めてこないのだ?」

「…ちぃっ! どういう事だっ!?」

「あの化物共は本当に一体何を考えているのだ?」

「…まったくだ 我々の理解を()えている。」

「あのままこの東部にも攻めていれば我々の軍を攻め滅ぼす事もできただろうにな…」

「…ああ 確かにな…」

「まさか 奴ら… 我々が撃って出るのを待っているのか…?」

「…何っ!? バカなっ!?」

「…ではお互い何もしないままで時間だけが過ぎるだけではないのか…?」

「いや もしかしたらこれが奴らの兵糧攻めなのか?」

「…ふむぅ」

「バカな! 今時そんな戦法で我々が参るとでも思っているのか?」

「さぁな なんせ相手はあの化物共だからな。よく解らん」

「だが これはチャンスだぞ! 奴らが何もしてこないならこちらの戦闘準備もじっくりできると言うものだっ!」

「確かにな それが本当なら急いで準備をする必要もないが…?」

「…ふむぅ」

「敵の目的が何か解らない以上は悠長にコトを構えている場合ではない!」

「ああ 奴らを普通の人間の考えでモノを決めては駄目だからな。」

「ああ 確かにこのまま何もしないで時を過ごすのはヤバイな しかし 動けば奴らに気づかれる恐れがあると思うぞ…」

「本当に難しくて厳しい相手で最悪の敵の様だから細心の注意をしてコトを運ばなければならない。」

「…ああ だが…?」

「…ん? なんだ?」

「いや 何でもない」

「…そうか ならいいが…」

「…ふむぅ」(…この戦争はおそらく我々の敗北であろうな…)

その後も政府軍の本部の幹部たちは作戦会議を続けていた。


   ◆◇◆◇◆◇◆


東部の拠点にいる政府軍の本部は着々と戦闘準備を進めていて臨戦態勢が整えつつあるが西部と南部にいる〈アウターマウカー〉の部隊の方は一向に攻めようとはせず撤退したのか西部と南部の〈アウターマウカー〉の部隊はその数を徐々に減らしていき遂には西部と南部のそれぞれの拠点から〈アウターマウカー〉の姿が消えていった。


それでいて当然だが中央部の拠点にも〈アウターマウカー〉の姿が無く彼らは一体何処に行ったのかまったく解らなかったのである。


その事は当然 政府軍の幹部も報告を受けて周知しており軍幹部たちはかなり動揺し困惑(こんわく)していたがそれでも最悪の事態に備えて東部拠点の防備と兵士の戦闘準備だけは進めていた。


そして月日が経ち12月になり政府軍は化物のコトなど忘れかけていてすっかり油断していた時の出来事であった。


 ‥‥‥‥‥‥‥


 ある日の夜


東部の拠点内で突然 大きな爆発音が聞こえてきた。

拠点内の四方からその爆発音が聞こえてきていて爆風や衝撃などが起こり寝ていた政府軍の幹部や兵士たちが突然の音や揺れで起こされたのである。

慌てた政府軍の兵士たちは武器を持ち軍の宿舎から外に出てみるとなんと消えたはずの約二万近くの数の〈アウターマウカー〉の部隊が拠点内上空で暴れていたのである。

驚く政府軍の兵士をよそに約二万近くの数の〈アウターマウカー〉の部隊が政府軍の兵士に攻撃してきた。


約二万近くの数とは西部と南部を合わせた西南連合部隊の事であり実は〈アウターマウカー〉の部隊はまたしても人間に姿を変化させて民間人に紛れて政府軍の本部がある東部の拠点に接近していたのを政府軍はまたしても気づいていなかったという同じ過ちを繰り返したのである。


まさに虚を()かれた政府軍はまたもや遅れを取り後手に回っていたのである。


〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊の合わせて約二万近くの数の部隊と政府軍の勢力が約二万四千の数の兵力であるならば両軍は物量(かず)的にはほぼ拮抗している為にこうなると個々の実力に差があるだけに政府軍が圧倒的に不利となっていき必死に抵抗するもまったく歯が立たない状態である。


化物である〈アウターマウカー〉の強力な攻撃や魔法はどんどんと政府軍の兵士を殺害していき軍の最高幹部も(またた)()に殺害し政府軍は遂に全滅していった。


そして政府軍を倒した〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊は中央政府のもとに行きCCC国大統領をはじめとする内閣大臣や政府関係者を次々と殺害していき念願だったCCC国の奪取に成功したのであった。


ちなみに〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊はテロ軍とは違いCCC国の国民(民間人)には一切手を出していなかった為に国民からの信頼度は高い。


   ◆◇◆◇◆◇◆


 ある日の夜


CCC国:東部

[政府軍:本部跡地]

西南連合部隊の西部の〈アウターマウカー〉aの上位連中と南部の〈アウターマウカー〉bの上位連中が祝勝会をしていた。

a「おめでとう!」

b「おめでとう!」

a「遂に我々が勝利したな」

b「しかし "あの作戦" があそこまでうまくいくとは思わなかったな…」

a「…ああ 確かにな…」

b「これでこの国は我々のモノになったな。」

a「そうだな 我々の方はしばらくの間はこの国に滞在していき "あの国" の侵攻対策を練ることにしようかと思う。」

b「そうか だが我々の方も攻めさせてもらうぞ。」

a「ああ 判っている だがすぐには攻めないからな…」

b「なるほどな すぐには攻めずに "あの国" に精神的な揺さぶりでもかけるのか?」

a「ふっ さぁな まぁ 慌てる必要はあるまい」

b「…ふふ 余裕が出てきたな まぁ 今日は素直に祝おう。」

a「…ああ そうだな…」

b「…ふふふ…」

〈アウターマウカー〉aの上位連中と〈アウターマウカー〉bの上位連中はその後も夜遅くまで祝勝会を続けていた。


 ‥‥‥‥‥‥‥


大方の予想通り〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊が政府軍に完全勝利しこれでテロ軍・政府軍・化物軍の三つ巴の戦争に決着がついた。



        つづく



   『今回の現状』

     [簡易型]

    【CCC国】

     (国内)

      東

  ━━━━━━━━━

   化→★政★←化 

   a  府  b 

  ―――――――――

★……戦闘地帯

政府…CCC国の政府軍:総司令本部

化a…〈アウターマウカー〉a(西部拠点)

化b…〈アウターマウカー〉b(南部拠点)



   『各軍の戦力』

     [簡易型]

今回の各軍隊の戦力データを比較してみた。

 [見方(見本)]

国名:軍隊名(どこかの軍)

場所:兵力(当初→現在)

武器…武器数量:A(多数).B(普通).C(少数)

魔法…攻撃魔法:A(強力).B(普通).C(弱小)

経験…戦闘経験:A(豊富).B(普通).C(不足)

士気…兵士士気:A(向上).B(普通).C(低下)

  ―――――――――

 [各軍.戦力データ]

■CCC国:政府軍(本軍)

東部:24000人→0人

武器:B 経験:C 士気:C

■〈アウターマウカー〉a

東部:9800人→9700人

魔法:A 経験:A 士気:A

■〈アウターマウカー〉b

東部:9800人→9700人

魔法:A 経験:A 士気:A



   『各軍の行動』

     [簡易型]

政府軍は残った全軍をまとめ東部の本部にて悪魔的化物〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊を迎え撃つ為に戦闘準備をしていた。

一方の〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊はまた人間に姿を変化させて民間人に紛れて密かに東部の拠点に接近していた。

政府軍が〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊の接近に気づいた時には既に遅く政府軍は全滅し大統領をはじめとする政府関係者は全て容赦なく〈アウターマウカー〉の部隊に殺害されてしまい遂にCCC国は〈アウターマウカー〉a.bの西南連合部隊に奪い取られた。


1.中央部【奇襲戦】

○政府軍:勝利(1戦1勝0敗)

●テロ軍:敗北(1戦0勝1敗)

2.西部側【正攻法】

○政府軍:勝利(2戦2勝0敗)

●テロ軍:敗北(2戦0勝2敗)

3.西部【戦略戦】

○政府軍:勝利(3戦3勝0敗)

●テロ軍:敗北(3戦0勝3敗)

4.中央部【挟撃戦】

●政府軍:敗北(4戦3勝1敗)

○化物軍:勝利(1戦1勝0敗)

5.東部【国盗戦】

●政府軍:敗北(5戦3勝2敗)

○化物軍:勝利(2戦2勝0敗)


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